第68回読売文学賞が発表され、国際文化学部のリービ英雄教授の作品『模範郷』(集英社)が「小説賞」に選ばれました。
今回の受賞作『模範郷』は、約半世紀ぶりに故郷を訪れたリービ教授が、幼少期を過ごした台湾への思いや家族の記憶、これまでの歩みを、織り上げるように綴った作品です。
読売文学賞は1949年度に創設された総合文学賞です。「小説」、「戯曲・シナリオ」、「評論・伝記」、「詩歌俳句」、「研究・翻訳」、「随筆・紀行」の全6部門で前年の最も優れた作品が選出されます。小説賞の今までの受賞者には三島由紀夫、安部公房、村上春樹等がいます。
リービ教授は、1987年、「群像」に小説「星条旗の聞こえない部屋」を発表。同作は日本語を母語としない西洋出身者による初めての日本文学として話題を呼びました。以降、『天安門』『千々にくだけて』<大佛次郎賞>『仮の水』<伊藤整文学賞>等を刊行。日本文学の最先端を見つめ、切り拓き続けています。