本研究科生命機能学専攻の修士課程に在学中の車田智哉さんが、日本応用動物昆虫学会でポスター賞を受賞しました。
キイロテントウは各種作物の重要病害であるうどんこ病の原因菌を餌とする昆虫であることが知られていますが、その生態に関しては明らかにすべき点がまだ多く残されています。その食性から、本種はうどんこ病の防除への応用も期待されますが、一方で媒介者となる可能性も指摘されています。そこで本研究では、雌雄ペアで用いる実験などの前提として欠かせない、効率的な雌雄判別法を模索するとともに、うどんこ病菌を食べた成虫による健全植物への媒介有無を調査しました。その結果、簡易な雌雄判別法が確立されるとともに、うどんこ病菌を食べたキイロテントウを健全植物上で活動させても媒介は実用上問題とならないことがわかりました。
キイロテントウを農業生産の現場で利用するためには引き続き様々な調査が必要ですが、将来的に、本種を活用した省力的かつ持続的なうどんこ病防除技術の確立に繋がることが期待されます。
・受賞者
車田智哉(生命機能学専攻植物医科学領域修士課程1年)
・学会名
日本応用動物昆虫学会 第67回大会
・開催日
2023年3月13日~2023年3月15日
・開催場所
摂南大学枚方キャンパス
・受賞日
2023年3月15日
・受賞名
ポスター賞
・受賞論文名
菌食性キイロテントウの簡易雌雄判別法およびうどんこ病媒介に関する調査