大学評価室紹介

大学評価室長挨拶

大学評価室紹介

 「学習成果」を基軸とした内部質保証のさらなる向上と「組織的取り組みの効率化」に向けて

 

 2022年度に向けて、文部科学省から全国の大学に向けた通知では、大学教育について、「人格の完成を目指す上で、対面による学生同士や教職員との人的な交流も重要な要素」とし、切磋琢磨できる環境をつくることの大切さが強調されている。この点は、多くの高等教育機関において「コロナ禍」のみならず、「教育の質」向上に向けて、組織的な検討が行われており、各種シンポジウムや大学間連携組織においても、事例報告されている。これらの取り組みの「積み重ね」は単に、学生生活不適応・修学意欲の低下に起因する「中退者」への対策のみならず、学生自らの「深い学び」に繋がるものである。「ポストコロナ」が不透明な現在、授業形態にとらわれない一方向から対面、さらに交流へのシフトが重要であることは明らかである。また、デジタルトランスフォーメーションやグローバル化の進展により、世界的規模で激しく社会と価値観が変化している中で、大学は教育と研究の本来的な機能を通じて、社会の将来的な発展を支え、推進する基盤であり、大学が知識集約型の価値創造システムの中核として機能し、変革の原動力となることが期待されている。昨今の激変する世界情勢の中においても、2022年度における「学びの質向上」に向けたバトンは、その進捗には差異は当然あるが、高等教育機関として、確実に進めなければならい「歩み」であることも事実である。

 2021年度においても、より実践的な観点から、「コロナ禍」でのグットプラクティスを含めた教員個々の授業への工夫や課題、さらに組織的な学生対応への効果等、多くの事例が、共通の情報として、大学間を越えて共有および活用がされている。これらの情報の共通項の1つとして、学生や教職員への「安心・安全」な学習環境や情報の提供がある。どのような教育環境や手法を用いた場合でも、今まで以上に「わかりやすい」&「丁寧かつ地道」な自己点検・評価活動に基づく、組織的体制による実践的な「学習成果」を意識した自己点検・評価活動を涵養することが重要である。ただし、単なる組織体制の構築やPDCAサイクルの実行だけでなく、効果および負荷を含めた「効率化」についても引き続き、留意しなければならない。

「学習成果へ繋がる3つの質」として、学習の質・授業の質・コースデザインの質が問われているが、本学においても当然ながら、自己点検・評価活動の重要なポイントである。授業スタイルや組織的な対応から、「大学教育のニューノーマル」に向けて、コロナ禍での経験を踏まえて、一定の成果が確実に得られている。「本来の学びの本質」に関する自己点検・評価の部分を継続しつつ、新しい大学教育の実質化にも対応できるよう、関連部局とさらに密接に連携し、さらに、大学での教育研究機能の多様化や組織体としての細分化による負荷増大にも注視しながら、内部質保証のさらなる実質化および効率化を行う所存である。

 本年度も引き続き、学内外をはじめとする関連部局含めた皆様からのご指導、ご協力を心よりお願い申し上げます。
 

2022年4月

大学評価室長
川上 忠重