2019年度

今さら聞けない天皇の話 ~象徴ってなあに?~

2019年11月12日

2019年度

法政大学学生センター・課外教養プログラム(法政大学後援会補助事業)

1.日時
  2019年11月12日(火)17:25~19:05

2.場所
  多摩キャンパス EGG DOME 研修室1・2

3.参加者数
  11名

4.講師
  河西秀哉 氏(名古屋大学大学院人文学研究科准教授)
 

KYOPROスタッフによる実施報告

2019年11月12日(火)に課外教養プログラム「今さら聞けない天皇の話 ~象徴ってなぁに?~」を実施いたしました。本プログラムは、徳仁天皇が即位し元号が令和に代わる本年であるからこそ、日本独自の地位である「天皇」と、同じく独自の制度である象徴天皇制、また天皇陛下の仕事や日常などについて学び、わたしたちの住む国日本を見つめ直すきっかけとなることを目的として開催されました。
本プログラムでは講師として名古屋大学大学院准教授である河西秀哉先生をお招きしました。河西先生は象徴天皇制の変容過程を研究なさっており、戦前の天皇制との関係性や昭仁上皇・美智子上皇后の思想と行動に着目しつつ分析をされています。今回は特に天皇に関して十分な知識の少ない学生を対象に、皇室の日常に触れつつ現在の象徴天皇制について講義を行っていただきました。

プログラム当日は天皇陛下が普段こなされているお仕事の話と、現在の象徴天皇制が形成された経緯の話の二本を軸に講義が行われました。いわゆる「ご公務」と括られている天皇陛下の業務の中でも、「国事行為」「公的行為」「私的行為」の3種類に大別されており、近日催された「即位礼正殿の儀」「祝賀御列の儀」「大嘗祭」などの時事ニュースがいずれに該当するか、また天皇陛下が個人で進めておられる研究に関することを掘り下げて教えていただきました。また、象徴天皇制の成立については、昭仁上皇・美智子上皇后が天皇・皇后に即位した直後から始まった皇室の報道のされ方、象徴としてのあり方を模索されてきた天皇と国民を題材とし現在の象徴天皇制がいかにして形成されてきたのか、これからどのようにしていくのか、という話をしていただきました。先生は講義の途中で何度かクイズ形式で天皇に関するお題をあげてくださり、言葉の意味についてグループで考えるシンプルな問題から過去の新聞記事に載っている写真の様子について考えるなど、様々なクイズを出題してくださったことで、各グループでは活発な議論がなされ、意外性を帯びた回答が出揃うこともありました。

今回のプログラムを通じて、学生にとって日本がどのような国であるか、また日本の伝統的な制度の在り方について興味を持ち、自身で考えるきっかけになっていただければ幸いです。

【報告・KYOPROスタッフ】嶺岸樹(経済学部経済学科2年)