7月10日(水)、市ヶ谷キャンパスにて課外教養プログラム「コーヒーから見つめ直す世界史」を実施しました。
このプログラムは東京大学の名誉教授で『コーヒーが廻り世界史が廻る』の著者である臼井隆一郎氏を講師に迎え、コーヒーが普及した要因やコーヒー生産者や消費者の視点から世界史についてご教授いただくことで、世界史や我々にとって身近な存在であるコーヒーを見つめ直すことを目的とした企画でした。
プログラムでは、初めにコーヒーについてのイメージマップを4人一組のグループで作ってもらい、そのあとに臼井氏の講演を通してコーヒーと世界史について新たな視点から学び直したところで、最後にもう一度コーヒーについての印象に変化があったかどうかをグループで話し合うアクティビティを行いました。本講演の重点は今まであったコーヒーや世界史に対するイメージを再認識し、新しい知識や切り込み方でそれらを学ぶということであったので、参加者同士の意見交換やそれを受けても臼井氏の講演を聞くというコミュニケーションを取り入れたことで、その趣旨が達成されやすくなったかと思います。
臼井氏はドイツ文化や文学についても造詣が深く、コーヒーについて興味を持たれるきっかけとなったアウシュビッツ収容所におけるコーヒーの利用のされ方などについても語っていただき、より深い内容となっていました。講義終了後には臼井氏に質問をしたり、参加者同士で談笑をしている姿が見られました。
学生にとって世界史もコーヒーも、一方は受験や大学で扱う学問、一方は眠気覚ましや嗜好品という身近なものでありながらそれに対して深く考えることのなかったものです。しかし両者が、私たちが普段持つイメージ以上に人々に寄り添い私たちの現代の生活に深くかかわっていることをこのプログラムを通して参加者に学んでもらうことができました。このプログラムで学んだ内容を生かして、今後の生活で身近に感じているものに注意深く目を向け、考えてみる習慣がつくとよいでしょう。
【報告・KYOPROスタッフ】松隈ゆり(文学部・英文学科2年)
講義中の様子
コーヒーの歴史と文化について講師より説明がありました。
コーヒーについて議論をする様子。
集合写真