実施報告(2019年度以前)

【全キャンパス】電通育英会助成事業[東京2020応援プログラム] チーム・オレンジ企画「岩手・宮城スタディツアー」(3/1~3/4) を実施しました

  • 2019年03月18日
実施報告(2019年度以前)

市ヶ谷ボランティアセンター主催チーム・オレンジ企画「岩手・宮城被災地スタディーツアー」を3月1日(金)~4日(月)の期間で実施し、31名の学生が参加しました。

東日本大震災から8年を迎えた今、 スタディーツアーという形で被災地に対する理解やボランティアに対する導入として、 今まで被災地を訪れていない学生が足を運ぶことで、風化防止や防災意識の向上につなげていくことを目的に実施しまし た。

本企画はボランティアセンター所属の学生スタッフであるチーム・オレンジが企画し、各種手配や外部との調整、当日の運営なども行いました。また、実施にあたり2月22日(金)に事前説明会を行いました。

3月2日は、「釜石観光ボランティアガイドの会」の案内のもと、市内の視察を行いました。ガイドの方からは、津波にのまれながらも命からがら助かったという体験をお話いただいたり、当時のまま残されている建物を実際に見学したりすることで、参加学生は震災時の状況に思いを馳せ、自分の目で見ることでしか感じられない被災地の現状を学びました。また、本年夏にラグビーワールドカップの開催される釜石鵜住居復興スタジアムを見学し、復興を肌で感じることができました。午後には、「三陸鉄道」の運行する震災学習列車に乗車しました。車窓から景色を眺めながら、三陸鉄道の被災状況やその後のクウェートからの支援などについてお話をうかがいました。


3日は、宮古市の景勝地である「浄土ヶ浜」の見学を行いました。ガイドの方のお話を聞きながら浄土ヶ浜の美しい景色を眺めたり、津波にのまれたレストハウスの話を聞いたりしました。午後には、「学ぶ防災ガイド」の案内のもと、市街が全滅状態になった田老地区の視察を行いました。全員で防波堤の上に立ちその高さを実感するとともに、それを乗り越えた津波の恐怖を感じました。震災当時、津波が迫ってくる様子が撮影された「たろう観光ホテル」の一室でビデオを視聴し、津波が来たら即高台へ、「津波てんでんこ」の考え方を学びました。その後は、実際に小学生が避難した津波避難道を通って、高台に逃げる疑似訓練をしました。


4日は「陸前高田市観光協会」のガイドのもと、陸前高田市の視察を行いました。復興のシンボルとなっている奇跡の一本松や、津波が3階まで襲った旧気仙中学校、かさ上げ工事中の街並み等を視察させていただくことで復興の進んでいる様子を学びました。しかしながら用途の決まっていない広大な土地を見て、被災地におけるまちづくりの難しさも感じました。午後は気仙沼市に移動し、シャークミュージアムを見学しました。震災関連の展示や映像を通して、一瞬にして故郷を奪われた方々の苦しみ、また、そこから立ち上がろうと前を向く力強い姿を学ぶことができました。気仙沼の産業であるサメ関連についても学び気仙沼の生活についても学ぶことができました。

 

身につけておくべき防災知識や被災地での今現在の問題点を自分も含めて参加者全員が知ることができ、とても良いツアーを実行できました。日程などの都合上、視察やガイドといった受動的な体験ばかりになってしまいましたが、現地の人ともっと交流するような能動的な体験ができるように設定すればよかったと思います。被災地やボランティアに興味があるけれど一歩踏み出せない人なども参加しやすいように、今後も様々な企画を実施していきたいと考えています。

 

        チーム・オレンジ企画学生スタッフ 法政大学文学部2年 伊達 隼人

 

[参加学生の感想]

風景を見る限り、徐々に復旧、復興しているように見えた。

一方で被災した方々の中には、今もなお葛藤し続けている方も多くいた。震災はまだ終わっていない、いや終わらないのだと思った。複数の方が「いま必要な支援は心のケア」であるとおっしゃっていた。わたしたちは所詮部外者である。被災者との壁は否定できない。

でも被災者には「よそ者になら話せること」もあるという。“話を聞く”ことで被災者の方が背負うものを少しでも共有したいし、今回出会ったみなさんから学んだことを自分の中で「生きた教訓」として残していきたい。   

経営学部 経営学科 3年

 

最初は参加を悩んでいましたが、参加してよかったです。私がこのツアーに参加したのは就活をしていて宮城に来ることがあり、それがきっかけでもっとしっかり学びたいと思ったからです。自分で得られる情報(YouTubeやテレビなど)で勉強はしていましたが、直接震災・津波を経験した方に話を伺えるというのはより衝撃やその苦労が伝わってきました。
今回、街を見るだけになってしまい、被災地の方の力になれなかったのが歯がゆかったです。そしてツアーでガイドをしてくださった方にお礼をちゃんとしたいです。目を赤くして、鼻をすすりながらも当時あったことを私たちに伝えてくれたこと、とても感謝しています。

また、スタディツアーではありましたが他学部の学生ともっと仲良くなりたかったです。説明会で自己紹介などをすればスムーズにまた活発にいくと思いました。


キャリアデザイン学部 キャリアデザイン学科3年

                    

震災学習列車

アイスブレイク(防災カルタ)

チーム・オレンジの企画メンバーからの説明

意見交換会

浄土ヶ浜ガイド(宮古市)

学ぶ防災ガイド(田老町)1

学ぶ防災ガイド(田老町)2

シャークミュージアム(気仙沼市)