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日本の天文学の中核を担う研究に挑む”こだわりが詰まった”国立天文台(三鷹)大発見エコツアー第三弾も大成功!(2024年3月22日(金))

  • 2024年04月04日
  • イベント・行事
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 我々が暮らす「かけがえのない地球」においては、地球より遥か遠くにある惑星や恒星が生命の起源やエネルギーを始めとした地球環境問題の解決に向けた謎を解く鍵を握っているかもしれません。

 2024年3月22日(金)、法政大学環境センターは、2022年3月(第一弾)、2023年3月(第二弾)に引き続き、“こだわりが詰まった”国立天文台(三鷹)大発見エコツアー第三弾を開催しました。エコツアー当日は、東京都の桜の開花まであと一息でしたが、天候にも恵まれまして、地球より遥か遠くにある惑星や恒星等に関する大発見をもたらした天体観測や天文学研究の軌跡を辿る絶好の“こだわりの詰まった”エコツアー日和となりました。

 第三弾は、国立天文台・天文情報センター所属の小池 明夫氏より国立天文台における天文学研究の軌跡などをご紹介いただきながら、国の登録有形文化財である「第一赤道儀室」、「天文台歴史館(大赤道儀室)」、第6回(2023年度)日本天文遺産に認定された「子午儀資料館(レプソルド子午儀)」、「ゴーチェ子午環室」やすばる望遠鏡や野辺山宇宙電波観測所の45メートル電波望遠鏡、アルマ望遠鏡、TAMA300などの模型やパネルが展示されている「展示室」を中心にご案内いただきました。

 また、第三弾には、普段は公開されていない塔全体が望遠鏡の筒の役割を果たしている「太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)」の内部を特別にご案内いただき、地下分光器室にて七色のスペクトルの観察も体験させていただきました。こちらの塔は、1930年にアインシュタイン博士の一般相対性理論によって予言されていた「太陽の重力によって、太陽光スペクトルの波長がわずかに長くなる現象(アインシュタイン効果)」を検出することを目的に建てられたそうです。エコツアーの最後には、第一弾、第二弾では遠くから眺めていた「天文機器資料館」を訪れることができ、すばる望遠鏡の観測装置CIAOを始めとした収蔵品や日本で最初の変光星の観測者・研究者である一戸直蔵氏の波乱万丈の軌跡について特別にご紹介いただきました。

 2022年より“こだわりが詰まった”国立天文台(三鷹)大発見エコツアーは、国立天文台様にご協力いただきながら、新型コロナウイルス感染症拡大防止策を講じて開催しておりました。2023年度は、5月8日(月)に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「第5類」に変更となったことからキャンパスに活気が戻り、今回も募集と同時に定員の倍以上の申し込みがございまして、再び国立天文台様にご協力いただく形で“こだわりが詰まった”「国立天文台大発見エコツアー」 第三弾の開催が実現する運びとなりました。

 天文情報センター所属の小池 明夫先生を始めとして国立天文台の皆様には、普段は公開されていない天文施設につきましてもご案内いただきまして、“こだわりが詰まった”エコツアー第三弾の開催にあたりまして多大なご協力を賜りましたことを改めてお礼申し上げます。第三弾には、惑星の中で「生物」の存在が唯一確認されている地球において、地球より遥か遠くにある惑星や恒星等に関する大発見をもたらした「天体観測」や「天文学研究」の軌跡を辿りながら、膨大なエネルギーを生み出す「太陽」の計り知れない可能性に期待しながら「かけがえのない地球」の未来を考える貴重な機会となりました。

2022年に新型コロナウイルス感染症拡大防止策を講じて開催した“こだわりが詰まった” 国立天文台(三鷹)大発見エコツアーは大変好評のプログラムで国立天文台にご協力いただき第三弾の開催に至りました。

  • 国立天文台(三鷹)に現存する建物としては最も古い1921年に建設された「第一赤道儀室」においては、約60年間にわたって太陽黒点のスケッチが行われていました。現在、黒点観察はCCDカメラを用いた新しい太陽観測用望遠鏡による自動観測に移行しています。

  • 「第一赤道儀室」においては、天文情報センターの小池 明夫氏より20センチメートル屈折望遠鏡を活用した太陽表面の黒点の観察方法実演してくださいました。

  • 地球、木星、土星を始めとしたさまざまな惑星との間の距離を体感しながら、それぞれの惑星の特徴を知ることができる太陽系の距離を140億分の1、天体のサイズを14億分の1に縮めた「太陽系ウォーク」。

  • 1926年に建設され、天文・天体観測の歴史について学ぶことができる登録有形文化財の「天文台歴史館(大赤道儀室)」のドーム内に展示している屈折式では日本最大口径を誇るドイツのツァイス製、65センチメートル屈折望遠鏡を始めとして、精密復元したガリレオ・ガリレイの望遠鏡、階下には撮影した写真から移動する天体や変光する天体を見つけることができるブリンクコンパレーターを始めとした機器の特徴について解説いただきました。

  • ”こだわりが詰まった”エコツアー第三弾においては、普段は公開していない、塔全体が望遠鏡の筒の役割を果たしている「太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)」の内部を特別に見学させていただきました。こちらの塔は、1930年にアインシュタイン博士の一般相対性理論によって予言されていた「太陽の重力によって、太陽光スペクトルの波長がわずかに長くなる現象(アインシュタイン効果)」を検出することを目的に建てられました。

  • 「太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)」は、高さ約20mの天辺のドームから入った光は、直径60cmシーロスタット(平面鏡2枚)に反射して垂直に取り込まれ、北側に続く半地下の大暗室で七色のスペクトルに分けられる構造になっています。第三弾においては、特別に地下分光器室にて直視分光器を用いて七色のスペクトルの観察も体験させていただきました。

  • 展示室においては、国立天文台が推進するプロジェクト(すばる望遠鏡、アルマ望遠鏡、TAMA300、野辺山45m電波望遠鏡、TMTなど)の紹介と観測・研究成果を中心にご紹介いただきました。

  • 1925年に建設されて国の重要文化財に指定されている有効口径135ミリメートル、焦点距離2120ミリメートルの近代天文学黎明期の本格的な観測装置「レプソルド子午儀」と登録有形文化財の「レプソルド子午儀室」(子午儀資料館)は、第6回(2023年度)日本天文遺産に認定されました。

  • 1924年に建設された半円形のドームに入口の台形の屋根という異質な形を組み合わせた「ゴーチェ子午環室」には、長期にわたって眼視による月・惑星・恒星の位置観測を行っていましたが、1982年に自動光電子午環が建設されたことで第一線を退き、1992年より10年間程、再び最新のCCDマイクロメータを装備してクェーサーをはじめとする微光天体の精密位置観測に活用されたゴーチェ子午環が保管されています。

  • “こだわりが詰まった”エコツアー第三弾の最後には、1982年に建設され天体の精密位置観測に使用していた観測施設を活用した「天文機器資料館」において、すばる望遠鏡の観測装置CIAOを始めとした収蔵品や日本で最初の変光星の観測者・研究者である一戸直蔵氏の軌跡ついてご紹介いただきました。