2023年9月20日(水)、法政大学屋上緑化維持管理プロジェクトは、活動拠点である市ケ谷キャンパス「グリーン・テラス」においてプロジェクト第五弾「光と影 Light and Shadow」を開催しました。
例年、日本においては、「秋分の日」を境に過ごしやすい陽気になりますが、日に日に昼の時間よりも夜の時間が長くなり、植物の生長に大切な日照の時間も短くなると言われています。
「グリーン・テラス」においては、「アキアカネ」を始めとした赤とんぼや四季柑の樹に「ナミアゲハ」が休憩する姿を見かける季節になりました。
まず、法政大学環境センター榎本 直子より市ケ谷キャンパスに唯一残る企画から維持管理まで全てのプロセスに学生が参画して2005年春に誕生した「グリーン・テラス」に生息する生物や“こだわりの詰まった”法政大学で最愛の庭園を目指して開催したプロジェクト第五弾「光と影 Light and Shadow」をテーマに選んだ理由やテーマに基づいてメンバーと選定した植栽の特徴についてお話ししました。
続いて、第五弾のテーマ「光と影 Light and Shadow」にあわせて、春を告げるランタンのような雰囲気の花姿が特徴で、日に当たると花びらが開き、夕方になると温かい空気を含んで閉じる「スノードロップ」の球根、日照が短くなる秋にも鮮やかな葉や花が庭園を彩る「ケイトウ」や江戸時代に葉に斑が入った変わりものが大流行し、百両単位の値で取り引きされた「カラタチバナ(百両)」、白雪姫のような花が初冬まで楽しめる「アイスバーグ」の苗等をメンバーと共に、「“こだわりが詰まった”法政大学で最愛の庭園」を目指して植えました。
猛暑の夏の間に、「法政大学で最愛の庭園」のD区画を中心に、タンポポのように羽毛を持つ種子を風に乗せて飛ばすことで生息域を拡大し、他の生物への影響を及ぼして「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されている「セイタカアワダチソウ」の茎が急成長していました。プロジェクト第五弾では、「黄八丈」の織物の黄色染料として用いられたこともある「コブナグサ」、「セイタカアワダチソウ」の花が開花して種が飛散する前に、メンバーと一緒に丁寧に刈り取りをしました。
また、菜園区画においては、来春の収穫を目指して「たまねぎ」、暖冬傾向の見通しが発表されていることから気候変動の適応を目指して「丹波黒大粒大豆」 、かねてからのメンバーの希望の「パセリ」の種をプランターに撒きました。
法政大学環境センターが事務局をつとめる「法政大学屋上緑化維持管理プロジェクト」は、千代田区・新宿区にまたがる「外濠」におけるビオトープネットワークを意識して、「愛校心」がもたらした小さな「出会い」と「行動変容」を積み重ねて「法政大学で最愛の庭園」を目指した取り組みが評価されて、2022年3月に千代田区主催「令和3年度 ちよだ生物多様性大賞」において入賞、2023年2月に新宿区主催「第16回新宿エコワン・グランプリコンテスト」グループ部門・奨励賞を受賞しました。
それでは、いよいよ秋学期が始まりましたが、“こだわりが詰まった”「法政大学で最愛の庭園」にて皆様とふたたびお会いできることを楽しみにしております。