2023年7月28日(金)、法政大学環境センターが事務局を務める「法政大学屋上緑化維持管理プロジェクト」は、”こだわりが詰まった”「法政大学で最愛の庭園」を目指して、水分補給や声かけ、空調設備を備えた室内の休憩場所を始めとした熱中症予防に留意して二名体制で、第四弾「Summer is here!」を開催しました。
まず、法政大学環境センター榎本 直子より市ケ谷キャンパスに唯一残る企画から維持管理まで全てのプロセスに学生が参画して2005年春に学生・教職員の「憩いの場」として誕生した「グリーン・テラス」の「誕生秘話」と「見どころ」や「環境配慮」、「ひょうたん池」に生息する生物の観察、2023年度「法政大学屋上緑化維持管理プロジェクト」の「“こだわりが詰まった”法政大学で最愛の庭園」を目指した活動の概要、「Summer is here!」に基づいて選定した植栽の特徴についてお話ししました。
次に、第四弾のテーマ「Summer is here!」にあわせて、秋にもう一度夏の気分を楽しめるように「ひまわり」の種、緑化によるグランドカバーの効果が期待される「ヤブラン」、高温と日照を好む「日々草」、前回に引き続き、小さな星のような花の形と花言葉より流れ星の願掛けが連想される「ペンタス」、人里に近い野山から山地の明るい林床や草原に生育し、東京では絶滅危惧Ⅱ類(VU)に位置付けられる「ササバリンドウ」の苗等をメンバーと共に「“こだわりが詰まった”法政大学で最愛の庭園」を目指して植えました。
また、花期を終えた「紫陽花」は、来年の初夏には“こだわりが詰まった法政大学で最愛の庭園」に再び戻ってくることを期待して、挿し穂をとっておきました。菜園区画においては、順調に生長している「サツマイモ」の蔓を取り、再び、プランターに植え付けて芋の増産に挑戦します。
続いて、環境センター榎本 直子より「屋上緑化」によって期待される効果(顕熱と潜熱の違いと植物の蒸散作用)を説明し、「“こだわりが詰まった”法政大学で最愛の庭園」の菜園区画に設置した黒球付温度計にて「サツマイモ」にて緑化部分の内側(33.9℃)と外側(40.5℃)」と赤外線放射温度計にて「みどりのカーテン(ひょうたん、あばしゴーヤ、栗かぼちゃ)にて緑化部分(33.8℃)と壁面のウッドデッキ(43.6℃)やコンクリート(37.5℃)」を測定しました。
最後に、地球温暖化・ヒートアイランド対策、熱中症予防を目指して「UCHIMIZU AT HOSEI」を開催しました。打ち水は、朝夕に皆で打ち水をすることで、水が蒸発するときに周囲の熱を奪う「気化熱」の影響によって気温を下げる効果が見込まれています。参加者と江戸時代にタイムスリップして柄杓や竹の水鉄砲を用いて打ち水を実施し、開始前に44.7℃あった地表面温度が打ち水実施後には33.4℃迄下がりました。
法政大学環境センターが事務局をつとめる「法政大学屋上緑化維持管理プロジェクト」は、千代田区・新宿区にまたがる「外濠」におけるビオトープネットワークを意識して、「愛校心」がもたらした小さな「出会い」と「行動変容」を積み重ねて「法政大学で最愛の庭園」を目指した取り組みが評価されて、2022年3月に千代田区主催「令和3年度 ちよだ生物多様性大賞」において入賞、2023年2月に新宿区主催「第16回新宿エコワン・グランプリコンテスト」グループ部門・奨励賞を受賞しました。
市ケ谷キャンパスが所在する千代田区においては、2013年3月に「ちよだ生物多様性推進プラン」を策定し、2023年7月24日(月)から8月31日(木)にかけて、区内に生息する生きものの現状を確認し、生物多様性に対する意識を高めるため、区民参加型モニタリング調査「千代田区生きものさがし」を開催しています。本学においては、これから夏季休暇となりますが、外出時には熱中症に留意して、花や鳥、昆虫をはじめとした生物の存在についても意識して生活するいい機会となりますね。
それでは、いよいよ、学生の皆さんにとっては待ちに待った夏季休暇となりますが、“こだわりが詰まった”「法政大学で最愛の庭園」にて皆様とふたたびお会いできることを楽しみにしております。