本学は、地球環境問題の解決に向けた決意表明・宣言として1999年に「環境憲章」を制定し、2017年度に「法政大学EMS」を構築して「持続可能な地球社会の構築を目指す拠点」において、PDCA サイクルによる継続的改善のプロセスを経て、キャンパスにおけるあらゆる活動による環境負荷を低減することを目指して地球環境問題に取り組んでいます。
法政大学環境センターは、六月の「環境月間」に我々の一つ一つの「行動」と「自然」とのつながりを意識し、健康的な生活を送りながら、地球環境問題の解決に向けた取り組みに参加していただくきっかけとなるように、(株)ミサワホーム総合研究所協力講座「遠くて近い南極と我々が暮らす地球の謎」を企画・実施しました。
ミサワホーム(株)は、地球における最も厳しい環境の一つである「南極」において1968年から現在に至るまで35棟5,500㎡の建物を供給し、太陽光を活用した「自然エネルギー棟」が「GOOD DESIGN 2011」を受賞するなど、長年に渡って優れた技術開発を通して産業を支える環境先進企業です。
講演会当日は、(株)ミサワホーム総合研究所より井熊 英治南極研究プロジェクト主幹研究員を講師に迎え、南極研究プロジェクトにおける任務及び研究成果及び南極地域観測隊としての経験を踏まえて、人間による局地的な汚染から最も離れた場所である「南極」におけるオーロラ・星空を始めとする自然現象、ペンギンをはじめとした生物や隊員の食生活をはじめとしたライフスタイル等をご講演いただき、遠くて近い「南極」と我々の暮らす「地球」の謎に迫りました。また、井熊講師からは、私立大学で初めて、第63次南極地域観測隊の副隊長兼越冬隊長に就任した社会学部の澤柿 教伸准教授と共に過ごした南極隊員としての任務についてもご紹介いただきました。
また、(株)ミサワホーム総合研究所 鈴木 聡・南極研究プロジェクト主任研究員が携わっている南極において実証実験中のJAXA、国立極地研究所との共同研究の概要と展望について講演いただきました。実証実験においては、JAXAの月面等の有人探査時の条件に共通する住宅業界が抱える「建築専門技術者の減少・高齢化」、「住宅ストックの活用(空き家問題)」、「環境負荷の低減、エネルギー効率向上」などの重要課題に取り組み、「未来住宅」の実現に向けて研究をすすめているそうです。今後は、宇宙に「未来住宅」の建設となるかどうか、我々が暮らす「地球」の未来がとても楽しみになるような実証実験です。
この他、「環境月間」には、日々の生活において習慣化している便利なエレベータ利用から「階段利用」を促進することを目指し、習慣化されている行動パターンから持続可能な社会の実現に向けた環境配慮型の「行動変容」を呼びかけることを目的として、「Take the Stairs at HOSEI 2021 ~えこぴょんが知りたい法政の七不思議と未来に続く階段~」を実施中です。
地球環境問題は、キャンパスにおける教育研究活動及び大学生活における一つ一つの行動の積み重ねが影響を与えていることから日頃の行動が大切です。
今年度も、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大の防止策にご協力いただく特別な年となりますが、今後も多くの方が健康的な生活を送りながら、快適に、地球環境問題の解決に向けた取り組みにも参加していただくきっかけとなれば幸いです。