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第5回「SJ(Study Japan)国内研修」が実施されました(10/11更新)

2016年10月11日

今年で第5回目となる「SJ(Study Japan)国内研修」が、9月1日から8日までの日程で行われ、韓国・中国・ベトナム出身の5人の留学生と、そのサポートをする日本人のボランティア補助員が参加しました。
事前学習授業と引率を担当した教員の立場で、この8日間を振り返ります。

東京を相対化する眼を育む

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JR飯田線田本駅に向かう「駅前通り」(?)にて。乗り遅れると、次は3時間後

SJ国内研修の主眼は、日本を東京とは異なる視点で眺める契機を学生たちに得てもらうことで、留学生を主対象に実施しています。研修地は、大方の予想に反して長野県南部。そんな海もなく、有名でもない場所に、国際文化学部の研修に相応しい要素があるのかと、留学生たちは最初いぶかります。

写真は、みんなでJR飯田線の田本駅に向かっているところ。人家は一軒もなく、自動車はおろか自転車でもたどり着けない秘境駅ですが、実はこの飯田線の最難関部分は、アイヌ出身の測量士に頼んで測量してもらい、朝鮮人労働者も多数従事して完成しました。戦前の恐慌下、この地からは逆に中国東北部に多数の移民(満蒙開拓団)を出しており、その歴史は中国帰国者が多く住む現在へとつながっています。中山間地域の当地も、古くから異民族や他国とさまざまな関係を有していたのです。

外部の力や若い力も活用して地域活性化を

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シカ革でつくった各々の作品を見せ合う―山村留学施設「だいだらぼっち」にて

このように、研修では飯田線に乗ったり、満蒙開拓平和記念館を訪れたり、民間の日本語教室に参加したりなど、国際的な内容が中心ですが、今年度は地域の活性化にとって大事な要素である外部の力や若い世代にも着目しました。とくに、総務省の地域おこし協力隊員としてこの地に来た若者が、3年間の期間終了後、どう定着して地域活性化に努めているかに焦点を当てました。有害鳥獣の駆除で生じたシカの革でグッズを作る方から講習を受けて小銭入れをつくったり、古民家を改造して始めたカフェで五平餅づくりを体験したり、などです。

また、都会の小中学生が1年間、地元の学校に通いながら自律的な集団生活をする山村留学施設で一泊したり、地元の高校を訪れて交流したりもしました。とくに山村留学では、朝晩の食事づくりや風呂のためのマキ割りをはじめ、すべてを自分たちで決めて実行する子どもたちの姿に感銘した人が多かったようです。

次へつながる学びに

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留学生を囲んでのグループ討論-長野県立飯田風越高校にて

そうした見聞も盛り込んで、最終日前日に成果報告会を開催し、20人を超える地元の方々の前で意見を発表しました。今年の各人のテーマは、当地の「多文化共生」「山村留学」「人形文化」「リニア中央新幹線」などで、参加者からさまざまな意見やアドバイスを頂戴しました。多くの地元メディアが研修の様子を報道し、本学の卒業生が何かと支援してくださったのも、ありがたい限りです。

ハードな8日間でしたが、この研修から得た体験が、留学生たちの今後の学びにプラスに作用することと信じます。参加学生自身の感想は、また別途お伝えします。

SJ担当教員 髙栁俊男

⇒10月10日、学部公式ブログにて、参加学生の感想を公開いたしました。記事はこちらからお読みいただけます。