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株式会社ノーチラス・テクノロジーズ 特別研究員 荒川 傑さん

2012年03月06日

プロフィール

株式会社ノーチラス・テクノロジーズ 特別研究員 荒川 傑さん

株式会社ノーチラス・テクノロジーズ 特別研究員 荒川 傑さん

荒川 傑(あらかわ・すぐる)さん

1981年生まれ。
2005年情報科学部コンピュータ科学科卒業。
2007年情報科学研究科修士課程修了。
2007年度第2期「未踏ソフトウェア創造事業」(経済産業省所管独立行政法人情報処理推進機構:IPAの実施事業)の天才プログラマー/スーパークリエータとして認定される。
2008年株式会社グルージェント入社。
2011年株式会社ノーチラス・テクノロジーズに転職し、特別研究員として勤務。

基礎に裏打ちされた発想力で次世代のIT産業を担う注目の若手エンジニア

2007年度、経済産業省所管の独立行政法人による「天才プログラマー/スーパークリエータ」※に認定された荒川さん。現在は国内トップクラスの技術者が揃い、IT業界で注目を集めるシステム開発会社で特別研究員として活躍しています。

※情報処理推進機構(IPA)が実施する2007年度第2期「未踏ソフトウェア創業事業」において認定

技術を選択することで、未来を選ぶ

株式会社ノーチラス・テクノロジーズ 特別研究員 荒川 傑さん

株式会社ノーチラス・テクノロジーズ 特別研究員 荒川 傑さん

――荒川さんはクライアントである企業の今後や、社会全体の未来までを予測しながらコンピューターシステムを提案し、企業のビジネスをサポートしています。

私の仕事は、ミドルウェアの開発研究です。ミドルウェアとは、コンピューターのOSとアプリケーションとの間で処理を行うソフトウェアのことです。複数のアプリケーションに共通する機能やプログラムをミドルウェアに集約することで、新たなアプリケーションを導入したり、システム開発を行う際の人的作業負担などが軽くなり、企業の開発コストを抑えることが可能になります。プロフェッショナルなエンジニアである以上、最終目標はクライアント企業の利益を上げることで、そのためにミドルウェアはどうあるべきか、今後どのような技術が主流になるのかといった観点に加え、その企業の今後のビジネス展開なども含めた多角的な視点から検討を行い、提案書にまとめます。

システムのプレゼンテーションを行った際の一コマ

システムのプレゼンテーションを行った際の一コマ

例えば、プログラムにどの技術を選択するかという判断は、かつてのビデオデッキのVHSとベータ、どちらの技術規格を用いて開発を行うか、という判断にも似ています。大手メーカーが社運をかけたVHS/ベータ競争は、最終的にVHSに軍配が上がりましたが、どちらが主流の技術になっていくのかは、「賭け」的な側面もあります。しかし社会の動向や複合的な要素をじっくり勘案することで「賭け」の精度を上げることができるのです。そうした大局的な判断力を問われることが、この仕事の面白さでもあります。

そのような選択は、技術の未来を選択するのと同じこと。その選択の積み重ねによって提案するものは、世の中に対して一つの未来を提示することであり、社会の変革にもつながると思っています。

イメージをプログラミングで形にする

「プログラムを勉強することが、本当に楽しい」と笑顔を見せる荒川さん

「プログラムを勉強することが、本当に楽しい」と笑顔を見せる荒川さん

――「こういうことができるといいな」という思いを形にできるプログラミングの面白さを知ったのは高校生の時。それが技術者の道に進むきっかけとなりました。

90年代半ば、中学生のころからパソコン には触れていましたが、プログラミングに興味をもったのは高校時代、インターネットでチャット(ネットワーク上で文字入力によりリアルタイムの会話ができるコミュニケーション機能)を利用するようになってからです。1997年当時はちょうどパソコンやインターネットが爆発的に普及した時期で、チャットができるサイトも黎明期だったため、デザインや使い勝手などに不満を感じることが少なくありませんでした。そこで「もっとこんなことができないか」という思いから、書店でプログラミングやシステムの入門書などを購入し、見よう見まねでウェブサイトのレイアウトを変えてみたりするうちに、自分のイメージしたことが形になる面白さに夢中になりました。プログラミングはルールさえわかれば、無限にいろいろなことができるパズルのようなもの。私にとっては勉強というより楽しみそのものでした。
そして2000年には法政大学の情報科学部が新設され、タイミング良くその第二期生として進学したのです。

学生時代に幅広く基礎を学んでほしい

株式会社ノーチラス・テクノロジーズのウェブサイトhttp://www.nautilus-technologies.com/

株式会社ノーチラス・テクノロジーズのウェブサイト
http://www.nautilus-technologies.com/

――企業の課題解決策や新しい技術開発を考える時、アプローチする選択肢の数は、自分が身に付けた基礎知識の裾野の広さに比例します。それを身に付ける場こそ大学だと荒川さんは語ります。

法政の情報科学部は、情報科学に関する基礎知識を広く学ぶことに主眼が置かれています。こうした環境で過ごしたことは私の財産となりました。学生時代に身に付けた基礎の数が、その後の技術者としてのいわば〝手持ちのカード?になるからです。手持ちのカードを組み合わせ、応用することで新しい価値を作り出す、というように私はこれまで仕事をしてきました。基礎の裾野が広ければ広いほど応用の幅も広がります。理系の学生には、たとえつまらなく感じても基礎をしっかり学びつつ、学内外で研修などの機会を生かし、社会で何が求められているのかをチェックすると良いと思います。

現在、情報科学部の教育改革プロジェクトに参加させてもらっていますが、そこでも広範な基礎力を身に付けられる環境を作ることを課題の一つに据えています。これまで成績の評価体制を厳密にしたり、予習のフィードバックを行う体制を整えたり、一部科目の成績評価の仕組みを変えるなどしてきました。そのかいあって学生の成績も伸びてきていると聞いており、母校にこうした形で貢献できることをうれしく思っています。