教員紹介

建石 真公子

教員紹介

ゼミのテーマ

人権の裁判的保障

ゼミの目的及び概要

本ゼミは、人権を裁判によって救済する方法を考えて行きます。裁判は、人権を侵害された場合の最後の救済手段です。一般的に、裁判はあまり経験したくないでしょう。手続きや弁護人の依頼、金銭的な経費など、負担が大きいのは事実です。けれども、国によって、また私人によって人権を侵害された場合、最終的には、司法的な方法でしか救済方法はありません。それゆえ、最高裁を初めとする裁判所の判例は、どのような人権が実際に保護されるのかを示す、重要な意義を持っています。ゼミでは、人権に関する違憲訴訟について、違憲審査制のありかた、各人権についての判例や学説等を取り上げての学習、報告(2名ずつのグループ)や議論等を通じて勉強していきます。古典的な判例から基本的な人権解釈を勉強すること、憲法原理に関する学説を検討すること、最近の時事的な問題を取り上げどのような点が憲法問題なのかを探ること、個々の関心のあるテーマを深めていくことなど、学生の皆さんの関心ややりたいことは様々だと思います。あるいは、憲法はまだ良く知らないけれど勉強してみたい、という方もいるかもしれません。
憲法は、政治的な問題から,安全保障、身近な人権問題、また「平等とは・・」のような哲学的な問題まで,幅広く考えることの出来る法律です。また、COVID-19の提起している健康権や高齢者の選別の問題も憲法の問題です。また2020年度の春学期にゼミで報告された課題は、検察官の定年延長、木野花さん事件についてSNS上の表現の自由、同性パートナーに対する犯罪被害者給付金が認められなかった判決などでした。また生補医療や安楽死等の生命倫理に関わる問題も重要な憲法の課題です。政治や人権問題、司法による救済に関心がある方は、ぜひ気軽に公開ゼミ(Zoom)をのぞきに来てください。アットホームなゼミです! 

ゼミの年間計画(合宿などを含む)

春学期は、まずゼミではどのような勉強をするのか、報告とはどのように準備し、またディベートや議論の方法等を学んでいきます。ゼミでの勉強に慣れてきたら、グループ(2〜3名)で憲法の基礎的なテーマについて報告を始めます。Ⅰつのテーマについて2週続けて扱います。報告者は、1回目の報告で出された質問等をもとに、2回目の準備をします。また、以前は、新ゼミ生歓迎の食事会をしていましたが、新型コロナの蔓延がおさまらない間は、残念ですがZoomでの交流にとどまるのではと思います。
秋学期は例年、9月初旬に、他大学との合同ゼミを行ってきました。2019年度は、新型コロナの影響で、12月にZoomでの合同ゼミとなり、大津ゼミ(明治大学)、高佐ゼミ(青山学院)との3ゼミで、共通のテーマについてそれぞれ報告を行いディスカッションをします。他大学の憲法ゼミの学生さんとの交流は,緊張もしますが良い経験になると思います。通常のゼミの勉強は、春学期と同様、報告に基づいて勉強していきます。また例年、秋学期に、外部の講師の方をお招きしてお話を伺っています。2019年度はまだ未確定ですが、日本学術会議会員の任命拒否事件に関して、元内閣法制局長官の方に、Zoomを通じてお話を伺うことを予定しています。

学生へのメッセージ

憲法の問題は、皆さんが日々過ごしている生活の中にあります。人権というと抽象的ですが、生活、人間関係、家族関係、バイトなどの労働の場での問題、あるいは今起きている学術会議会員の任命拒否をめぐる「学問の自由」と「公務員の剪定罷免権」の関係(23条は15条を破る特別法に当たります)、生殖医療、ゲノム編集,差別、LGBTの人権保護,オリ・パラと人権、ヘイトスピーチ、Covid-19政策と健康権・・
じっくり考えて、他のゼミ生と話し合って、考えて見ませんか!