学生の声(地理学専攻)

鈴木 悠(スズキ ユウ)さん

鈴木さん

人文科学研究科  地理学専攻  修士課程2012年度修了

-研究テーマ-
大気・海洋相互作用における熱帯大気東西循環に関する気候学的研究

大学院進学を考えた理由・時期

私が大学院進学を考えたきっかけは、卒業論文をより深めた研究がしたいと考えたからです。また、自分が研究してきた学問をより専門的に修めたいと考えたためです。そう自身が真剣に考え始めたタイミングは大学三年生の夏頃でした。より講義が専門的になり、学業がおもしろさと深みを増した時期でした。加えて、卒業論文のテーマを絞り始めたタイミングでした。

もう一つ理由を挙げると、ライバルでもあった友人達がいたことも大きなきっかけでした。私が進学すべきか悩んでいた時期に、同じように進学か就職かで悩む友人達が周囲にいました。しかし、中には様々な理由で進学を断念する方、延期する方も中にはいました。私は幸運にも進学が可能な状況であったので、「大学院で研究がしたくとも、できない人もいる。自分は卒業してすぐ進学ができる状況にあるのなら、人よりも多くのことを得られる大学院に進学をしよう」と決断しました。

もっと勉強・研究がしたい、彼らのようになりたい、彼らよりも優れた研究者になりたいと奮起させてくれる友人達がいることは大きな存在でした。

学んだ研究内容

私は気候学分野の研究をしていました。研究テーマは『大気・海洋相互作用における熱帯大気東西循環に関する気候学的研究』で修士論文を執筆しました。

私の研究内容は、熱帯域における大気と海洋の相互作用により異常な大気東西循環が生じ、どのように地球全域に影響を与えるのかというテーマでした。熱帯域における大気・海洋相互作用とは主に太平洋域のエルニーニョ現象とインド洋域のインド洋ダイポールモード現象という、通常とは異なる海面水温の分布をする現象のことです。海面水温の分布が変化してしまえば、気候が変化します。太平洋・インド洋域の気候変化が熱帯域全域にいかにして影響を与える可能性があるのか、また両者の関係について研究をしていました。

法政大学大学院の魅力

法政には多くの魅力がありますが、私は自由な発想で研究ができるところだと感じています。また、共同研究室で他分野の方と意見交換ができることも挙げられます。

私は全球規模の研究テーマを掲げて研究活動をしましいたが、盆地や緑地での局地気象観測を研究テーマに掲げることもできますし、日本列島規模の研究ももちろん可能です。専門の中での多様性があります。自信の興味に合った、学問的意義のある研究活動を支援してくれる先生方、環境があると考えます。

また、法政大学大学院では共同研究室という、各専攻の研究室の他に抽選ではありますが様々な研究科と共同で一人一つの座席を割り当てる制度があります。私は二年間共同研究室を利用しました。多くの専攻から共同研究室を使用する方がいたため、普段は関わることの少ない他専攻の方々と互いの研究について話すこともあり、新たな刺激をもらう機会となっていました。自専攻研究室内だけでは生まれない魅力だと感じています。

大学院で身についたこと

私が考える大学院で身に付いたスキルは、専門的な知識や経験はもちろんですが、「物事を深めて考えていく力」、「ドキュメント能力」、「プレゼンテーション力」などが挙げられます。これらが身に付いていることを私は社会に出てから実感をしました。

大学院の研究は受け身ではいけません。学部とは異なり、講義を聞くだけで良いわけではなく、自らが発信し授業を展開することが必要です。つまり、自ら吸収し落とし込んでいくスキルが身についていくと考えます。

会社内では多くの社内外の会議があります。それに伴う議論、議事録のまとめ方、深めていくべき議題の展開の仕方など初めは戸惑うことが多くありました。しかしある時、これらは研究室で行ってきたことと本質的には同じだということに気づきました。私は大学院研究活動において、自身の研究や同じ研究室の人、後輩の研究指導に多くの議論する場を経験しました。研究室内と社内外の会議が異なるかと言えば、議論する内容は違えど、仕組みや方法は変わりません。

私は大学院専攻分野が直接的に関わる会社に入社したわけではありませんが、新しいことを身につけていく方法や姿勢、議論を進める力などを高めていく【土台】が大学院研究で得られました。それが今の自分の助けになっていると実感しています。

就職するまでの道のり

私が就職活動をする上で感じたことは、『自分の軸がぶれないこと』だと感じました。

私はICT企業を中心に就職活動をしていました。私は気象予報士であり気候学の研究をしていたので、気象予報、気象気候学研究の向上は観測インフラ・ICT技術の向上が必要不可欠であることをお話しました。直接的に気象気候の知識が活きなくとも、何か一つ専門で勉強してきたことは自身の強みです。知識だけではなく、どのようにその知識や研究活動を行ってきたのか、その達成・挫折などのプロセスも大学院生ならではの強みだと考えて軸にしてきました。

よく一般的に文系大学院生の就職活動は難しいと言われますが、そのようなことはあまり感じたことはありません。学部生よりも多く研究活動をしているので、その分話す内容も豊富でした。加えて、学部就職活動生では話せない学部四年生での卒業研究活動の話や資格取得の話をすることができました。なにも、良い話ばかりではなく、苦労を乗り越えた話も大学院生では学部生よりも二年分多くあるので、自分の軸をぶれさすことがなければ、文系大学院生は十分一般企業に就職できると考えます。

将来の夢

私の将来の夢は、気象観測インフラ・ICT技術の向上による気象予報の向上に努め実現することです。

私は大学院修士課程まで気候学を研究した者、加えて気象予報士として、気象予報精度の向上に貢献したいという想いがあります。それは私個人がどうあがいても飛躍的に気象予報精度が高まるわけではありません。そのためには、未知の気象気候現象の研究が必要ですし、そのためには気象観測インフラやICT技術の向上が必要だと考えています。そのため、アメダスのシステムなどを支えるICT企業へ就職しました。

何年かかるか、実現可能かも分からない夢ですが、その目標のため大学院で学んだことを礎にして日々SE職として勉強をしています。