学生の声(キャリアデザイン学専攻)

芳垣 玲子(ヨシガキ レイコ)さん

芳垣さん

経営学研究科 キャリアデザイン学専攻 修士課程2012年度修了

-研究テーマ-
人材育成に影響を与える要因は何か―A社、B社における管理職のスキル形成プロセス及び
部下の能力開発への影響について―

大学院進学を考えた理由・時期

私は人材育成コンサルティング及び企業研修講師をしていますが、研修講師の仕事には公的な資格というものがありません。仕事の依頼があれば誰でもできますから、研修講師の質はピンからキリまで玉石混交の状態です。こうした状況のため、私は研修業界の第一線で仕事をしていくためには、他とは差別化した能力が必要と思っていました。自分の過去の経験を整理し理論を学ぶことで、背景を強固なものにしたい。そのために、この分野で実績のある大学院で専門的に掘り下げて学びたいと考えました。

学んだ研究内容

「人材育成に影響を及ぼす要因は何か」を研究テーマにしました。私は人材育成に関わる仕事をして20年になります。これまで、延べ500社を超える企業や官公庁での人材育成研修に関わってきました。管理職の研修では「部下がなかなか育たない」と言う言葉を、一方の部下の側からは「上司が育ててくれない」「何を目標にがんばったら良いのかわからない」と言う声を多く聞いてきました。さらに、公的データからも人材育成に問題を抱えている企業がたくさんあることを知りました。

こうしたことから、人材育成に影響を与えるものには何があるのか、どうすれば人材が上手く育つのかという問題意識を持つようになりました。研究調査では、中堅製造業2社の管理職15名に対してインタビューを行いましたが、仮説が検証できたところと仮説とは異なるところがあり、大変興味深い結果になりました。

今春大学院を卒業しましたが、データの量を増やして研究の精度を上げたいと考え、さらに監督者10名にインタビューを行いました。今後も仕事をしていく中で、研究調査は続けていきたいと思います。

法政大学大学院の魅力

まず、社会人大学院としての歴史と確かな実績があることです。さらに、キャリアデザインを勉強できるところにも魅力を感じました。人材育成を考える上では、キャリアの視点は非常に重要です。私はもともとキャリアには興味がありましたが、より深くキャリアデザインを勉強する必要性を痛感していました。人材育成に関わる業界では「法政大学大学院のキャリア」は有名でしたから、進学に迷いはありませんでした。進学してからは、多くの仲間とディスカッションを重ねることができましたが、そこから気づいたこともたくさんあり、とても貴重な体験になりました。

次に、指導教授に対して学生の数が1~2名であり、修士論文の指導がとても丁寧だという点です。せっかく大学院に進学するのであれば、研究を丁寧に行い修士論文にまとめたかったので、いくつかの大学について比較検討しましたが、法政ほど少人数のところはありませんでした。また、知り合いに法政大学大学院のキャリアデザインの修了生がいたこともあり、丁寧な指導の様子を確認することができました。

3点目は、修士論文を書いたことで、その後、学会で発表する機会を得ることができたことです。客観的・批判的な意見をいただくことができ、今後の研究にプラスになると思っています。

大学院で身についたこと

さまざまな調査の方法及び論文の書き方を習得できたことです。大学院に入るまでは、疑問を感じたことは自分で書籍にあたるなどにより明らかにしていましたが、大学院で調査や研究方法を学んだことで、漠然とした疑問を顕在化させ自ら掘り下げていく術を習得できました。また、最後に集大成として修士論文にまとめることができたことも自信につながりました。

進学当初から履修した全ての授業で、教授が一貫して最終ゴールである修士論文を意識した指導をして下さいました。おかげで、常に自分の「立ち位置」を確認しながら山の頂に向けて歩みを進めることができました。このプロセスの中では、正直いばらの道と感じた時もありましたが、その道を歩んだことで、修士論文をまとめ終わった時には、まるで山頂に立ったかのように自分の視界が一気に広がったように感じました。

今後の仕事においても、様々な疑問や問題意識が出てくると思いますが、それを研究し、調査することを通じて検証する術を得たことは大きな収穫です。

将来の夢

今後もコンサルティングや社員研修により、後進を育成していくことを生涯続けていきたいと思います。人材育成に関わる仕事をして既に20年が過ぎましたが、大学院で研究をしたからこそできることが今後たくさんありそうな気がしています。それを考えると、わくわく楽しい気持ちがしています。

現在の仕事内容について

経営・人材育成のコンサルタントとして、企業の人材育成の仕組みを作ること、及び企業研修の講師をしています。中小企業であれば社長に、大企業では人材育成の担当者とお会いして各々の企業の課題を発見し、共に解決の道を探っています。

仕事と研究の両立について

時間に追われた2年間でしたが、優先順位と共に劣後順位を意識して取り組みました。仕事も研究も一所懸命に取り組みましたが、その時の状況によっては目標のゴールを80%位に設定しました。いつも100%を目指すのではなく、良い意味で割り切ることも必要です。

また、何かを手に入れようとするのであれば、別の何かを犠牲にせざるを得ない時もあります。トレードのオフの関係であるということも絶えず考えるようになりました。

学費の設定について

他大学と比べると、非常に良心的だと思います。もちろんある程度まとまった額ですので、小さくはない出費ではありますが、先行投資だと考えると決して惜しいとは思いません。学んだことを今後のビジネス人生でどのように生かすのか、費用対効果をどれくらい出すことができるのかは、私の今後の努力次第だと思っています。学費はこれまでの貯金の中から捻出しました。