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ピア・サポートコミュニティ(PSC)について

2007年度文部科学省「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」採択

「学生の力」を活かした学生支援体制の構築

-クラス・ゼミ(正課教育)、クラブ・サークル(正課外教育)に次ぐ「第3のコミュニティ」づくり-

学生の視点・活力を取り入れた新たな学生支援の取り組み

本学の土台

本学の土台

法政大学では「自由と進歩」の校風のもと、自主・自立志向の高い学生が育ってきました。そんな風土の中から現在、新入生合宿、オープンキャンパス、学内環境監査、新入生サポーター等様々な場面で学生スタッフが活躍しています。新入生合宿やオープンキャンパスでは、彼らは単なるお手伝いでなく、企画段階から参画して学生の視点、活力を発揮し、今やその存在は欠くべからざるものとなっています。そして、スタッフ候補生は、新入生合宿に参加したときから次年度スタッフをやってみようと考えていた者、受験生時代に見たスタッフに憧れ、入学したらオープンキャンパスのスタッフをやろうと考えていた者等、スタッフが半ば循環的に育っている実態を持っています。

新たな支援体制の必要性

今日の学生のタイプは多様であるが、大きく分類すると3種類に分けられると言われています。

  1. 自らの力・判断で居場所を得て、エンジョイできるタイプ(昔ながらの“大学生”像)
  2. 居場所が見つからないが、一旦場や役割を与えられれば学生生活をエンジョイできる者
  3. 健康面、経済面等様々なハンディキャップから独力のみでは生活上若干の困難がある者

(1)あるいは(3)のタイプの学生に対してはサークル用施設の提供や奨学金制度の整備など、これまでも大学として支援を進めてきました。一方、(2)のタイプの学生は特に近年になって多く見られるようになっており、彼らの抱える悩みやニーズは外からは捉えにくいという特徴があるため、多くの大学で充分に取り組みができていないところです。そして多数の学生はこのタイプに入ります。このタイプの学生は、核家族化や少子化の進展、地域の子どもを育てる機能の弱体化などにより、人との関わりをもつ機会が乏しくなっている中で、「人とうまくつきあえない」、「人の噂が気になる」など、心の問題を抱えている学生が増えていることと同じ背景を持っているとも考えられます。彼らはきっかけがあれば、あるいは誰かが背中を押してあげれば前に進むことが出来るはずで、従来であればクラスやゼミ、クラブやサークルの中でのコミュニケーションによる共生・助け合いが一定の機能を果たしていたと考えられます。

新たな支援体制の必要性
サークル活動への参加グラフ

では、実際に学生の声を聞いてみた本学の「2007年度学生生活実態調査」を見てみると、約7割の学生が悩み・不安を持っており、その悩み・不安の相談相手は圧倒的に「友人」となっています。健康状態に関する質問では、約3割の学生が健康といえない、多少の不安があると答えておりその内容は、無気力感、不眠、不安感、イライラといったメンタル面の回答が多く見られます。この結果から、現代の学生の多くが悩みや不安を抱えていることが浮き彫りになっています。また同じ実態調査で、およそ半数の学生がクラブ・サークルに入っていないという結果が出ています。これらを総合すると、学生の居場所としてのコミュニティ、不安や悩みを解決するコミュニティを新たに学内に創出することは学生支援の方法として有効な手段であると考えられます。

法政大学ピア・サポートコミュニティ構想

学生の視点・活力

学生支援を考えるにあたり、「学生の視点」と「学生の活力」を活かすことが重要です。本学では、新入生合宿やオープンキャンパス等での実績があり、学生しか持ち得ない視点や実行力は、これらの行事を遂行するうえで、今や必要不可欠なものとなっています。新しい学生支援体制を導入するにあたっては、こうした学生の底力を最大限活用する体制、つまり「大学と学生が協働する学生支援制度」を新たに構築します。

法政大学ピアサポートコミュニティの構成

大学と学生の協働作業と外部専門家の導入

新たな学生支援の体制では、運営委員会・プロジェクトチームを組織し、「学生支援を担う部局の横断体制確立(学生部、学務部、オレンジネット等)」とともに、運営委員会・プロジェクトチームの中に、真に学生の立場に立って要望や悩みを理解するため、学生を委員・スタッフとして運営の柱に据え、学生の視点、知恵、活力を最大限に活かすこととします。  教職員と学生の協働作業が実現すれば、大きな効果を挙げることは確かですが、専門外の事項に関しては、”独りよがり”になる可能性もあります。思い入れ、思い込みが本来の目的達成の阻害要因となることが考えられます。こうした点を解消し、効果的な学生支援策を実施することができるように、外部専門スタッフの協力を得ます。外部専門スタッフには客観的な目で意見を出して貰うことは勿論、施策に対して冷静な評価(第三者評価)を期待しています。

学生同士の思いの共有・助け合い -支援される側から支援する側へ

学生が考える学生支援策の導入とともに、「学生同士の助け合い」が可能となるコミュニティ作りを目指します。例えば、今まで本学にはなかった「県人会」は、同県出身というアイデンティティのもと、誰でもが気軽に立ち寄ることが出来るコミュニティとなるでしょう。また、様々な 大学で行われている「ピア・サポート」は本学にとって大いに参考になります。本学では2007年度から新入生サポーター制度をスタートさせましたが、次年度からは新入生だけでなく、在学生が困った時や悩んだ時に立ち寄ることが出来るコミュニティ、居場所がない学生が気軽に立ち寄ることが出来るコミュニティの形成を目指します。学生同士が思いを共有し、助け合う体制は新しい支援体制の大きな柱になります。こうした個と個を繋ぐコミュニティを、クラス・ゼミ(正課教育)、クラブ・サークル(正課外教育)に次ぐ第3のコミュニティと位置づけ、「法政大学ピア・サポートコミュニティ(通称PSC)」と称します。PSCには学生の成長・発達を促すいろいろな仕掛けが盛り込まれます。その仕掛け作りこそ大学と学生の協働プロジェクトが成果を発揮するところとなります。かつて支援を受けた学生が、プロジェクトで作ったプログラムを通して成長・発達し、次は支援する側に転化していく。こうした学生の成長の循環が生まれることがPSCで最も期待されるところです。

学内インターンシップ・社会人基礎力

本学では、こうしたプロジェクトへの参加や支援する側への参加を学内インターンシップ的な位置づけとしており、希望する学生は誰でもが参加することができます。しかし、プロジェクトの活動や学生スタッフとしての活動には一定のレベル・スキルが求められます。人と接することがメインになりますからコミュニケーション力はもちろん、ファシリテーション、アサーション、プレゼンテーションといった力が必要になります。学生スタッフがグループワークやディスカッションなど実際に支援活動に入るとき必要なスキルは、「課外教養プログラム」の一環で研修を実施し、身につけることができるようにします。研修で身につけたスキルをプロジェクトの活動やピア・サポートの場で実践し、問題解決力に昇華させる仕組みを持つことで、学生は成長していきます。「プロジェクトに参加する=前に踏み出す力(アクション)」、「プロジェクトで共同作業を経験する=チームで働く力(チームワーク)」、「プログラム実現に向けて試行錯誤する=考え抜く力(シンキング)」といったように、PSC内の成長発達の循環過程の中で、「社会人基礎力」が、身についていくことを期待しています。

【2008年度「『学生の力』を活かした学生支援体制の構築」プロジェクトイメージ】

2008年度「『学生の力』を活かした学生支援体制の構築