2018年度

12月

2018年度

12月21日(金)

付属校の校長とともに学校長会議を開催した。

午後は、いよいよ今年の「実践知大賞表彰式」の日である。実践知大賞とは、法政大学憲章を体現する教育・研究等の実践を顕彰し、広く共有・発信することによって、法政大学ブランドを更に知っていただくために設けられた賞である。今年も実践事例を学部長会議への依頼や職員へのアンケートを通じて、また、ゼミの学生からも直接応募していただき、全部で30件の候補があがった。候補の中から、「憲章をより良く体現し、本学のブランド強化に寄与する実践であること」を選定基準に、ブランディング推進チームのメンバーでノミネートの取組15件を選定してもらった。この15件の取組の中から、優秀賞として法政大学憲章の中のワードより引用した賞を5件、そして大賞1件を決定した。

「世界のどこでも生き抜く力賞」を受賞したのは法政国際高等学校による国際理解「知の道筋」である。「持続可能な未来賞」を受賞したのは多摩地域交流センター@(アット)団地・カフェ部によるグリーンヒル寺田団地の地域活性化のための連携活動、「進取の気象賞」を受賞したのは学務部他英語学位受入れに関わる全ての部局による英語学位プログラム実現プロジェクト、「社会の課題解決賞」を受賞したのは法学部政治学科と学務部による沖縄課題解決型人材育成プログラム実施プロジェクト、「自由な思考と行動賞」を受賞したのは情報科学部CIS RAT(シーアイエス・ラット)の学生有志による情報環境支援活動、そして第2回「自由を生き抜く実践知大賞」の「大賞」を受賞したのは、法政グローバルデイ実行委員会による法政グローバルデイであった。

ノミネートに残った取り組みはいずれも、法政大学の長所を体現しており、キャンパスを活性化し、学生の能力を向上させ、社会とのつながりを強める取り組みだった。すべてに贈賞したかった。しかしひとつの大賞と、5つの個性ある賞を選ぶ必要がある。そこで今回は基準を「これからの法政の展開をリードする取り組み」とした。その基準によって、悩みながらも以上の取り組みを選んだ。

なお、ノミネートされた取り組みは、以下のものである。賞を差し上げられなくて残念。とくにゼミの受賞がなかったことが気になっている。これに懲りず、また来年以降もぜひ、ゼミから応募していただきたい。

経営学部市場経営学科・西川英彦ゼミナールによる法政愛リバーシブルパーカー産学連携プロジェクト、人間環境学部人間環境学科・長谷川研究会による日経STOCK(ストック)リーグへの参加、経済学部経済学科・山﨑友紀ゼミナールによる「わくわくほうせい!」、スポーツフェスティバル学生実行委員会によるスポーツフェスティバル、情報科学部によるガラス箱オフィスアワーセンター、生命科学部応用植物科学科による植物医科学センター、学生センター小金井学生生活課小金井事務部総務課による箱根駅伝壮行会@(アット)小金井キャンパス、現代福祉学部による「遠野プログラム」、現代福祉学部佐野竜平ゼミナールによる障害インクルーシブな国際ワークショップ。
───以上の方々も、ノミネートおめでとうございます。表彰式と祝賀懇親会で受賞者とノミネートされた方々すべての関係者のかたにスピーチしていただいたが、どの話も素晴らしかった。私が紙の上で判断した以上に、日々、特別な思いで社会とかかわり、まさに実践しながら新しい知見を学んでいることがわかった。

受賞した皆さん、ノミネートされた皆さん、応募して下さった皆さん、そして表彰式まで尽力して下さったブランディング推進チームの皆さん、大変忙しい毎日だったことと思います。ありがとうございました。

12月20日(木)

HOSEI2030運営会議を開催した。
弓道部の学生たちが表敬訪問に来てくれた。伊勢神宮でおこなわれた全日本学生弓道王座決定戦で優勝した。これで14回目の優勝だという。全日本学生弓道選抜大会や全関東学生弓道選手権大会などでも優勝し、主要5大会で4冠となった。過去に主要大会5冠を達成した大学は全国で1校もなく、また4冠を達成した大学もほとんどないという。試合の仕方など詳しく監督さんが説明して下さり、皆とても楽しそうだった。おめでとう。

HOSEI ONLINEのために、スポーツ健康学部3年の山下千絵さんと対談した。義足で陸上競技のパラリンピックを目指している学生だ。9月に行われた第29回日本パラ陸上競技選手権大会にて200メートルで1位、100メートルで3位の成績をおさめている。部にも所属せず、指導を受けながら練習しているという。日常用の義足と競技用の義足がどのように違うか、競技用の義足をさまざま試すことのできる「義足の図書館」のことなど、私が知らないことばかりだった。しかも実に活き活きと練習に励んでいる。「義足の図書館」は、本学卒業生である為末大さんが中心になって、クラウドファンディングで作った施設で、オープニング・セレモニーの動画をインターネットで見ると、山下選手も映っている。

目の前が開けるような思いのする対談だった。「ダイバーシティ宣言」を出しながら、私は一度もパラ選手と会ったことがなかった。そう考えると、会ったことのない方々や、知らない世界が身近にたくさんあることに気づく。

学部長会議を開催した。

12月19日(水)

常務理事会、役員ミーティングなどを開催した。

12月18日(火)

集英社の編集者が来室。約束しながら、なかなか書く各時間を作れない石牟礼道子論を、語り下ろしで始めることを提案していただき、まずはその計画を立てることになった。

12月17日(月)

HOSEI2030運営会議を開催した。

12月14日(金)

HOSEIミュージアム開設準備委員会を開催した。
社外取締役をつとめる企業の役員会に出席。4時間の会議となった。
その後、編集工学研究所恒例の年末「本〆會」に少しだけ参加。幾度もエッセイやゼミでその作品を取り上げながらも、今までなかなか会えなかった藤原新也さんに会えた。

12月13日(木)

江戸の総鎮守だった神田明神では、創建1300年を記念して多くの企画が組まれている。今年は「文化交流館・EDOCCO」を完成させた。地下1階、地上4階の文化発信拠点である。松井守男氏の絵画が複数設置され、宮田亮平氏の彫刻も置かれた。その完成を祝うさまざまな行事が展開されている。この日は奉納舞踊「神田祭」が、尾上菊五郎丈と尾上菊之助丈によって奉納された。長らく「明神塾」という連続講座をもっていた私も招待され、祝宴で挨拶をした。明神塾では関口宏さんや細川護熙さんをお呼びして対談もおこなってきた。明神塾のお客様と永六輔さんとともに佐渡に行き、爆笑対談をおこなったことも思い出される。なつかしい宮司さんたちともおめにかかった。来年は江戸東京研究センター(EToS)の連続講座がこの館でおこなわれることになっており、私は3月にその皮切りの講演を予定している。再び神田明神と縁がつながった。

ちなみに、江戸時代まで神社は土地とその自然を守るためにあり、多くは仏教寺院に隣接して存立していた。明治以降、国家神道が興り、仏教寺院ばかりでなく多くの神社が破壊され統合された(神社合祀)。神田明神の「明神」とは、神仏習合における仏教的な神の呼び方で、江戸時代までの「神田明神」は、近代になって正式には「神田神社」となったが、土地の人々は今でも「明神さま」と呼ぶ。

12月12日(水)

常務理事会、理事会、評議員会、評議員会忘年会を開催した。

12月11日(火)

日本私立大学連盟の総合政策センター企画会議と常務理事会が開催された。

12月9日(日)

朝日新聞社主催、法政大学共催、江戸東京研究センターとグローバル教育センターの協力で朝日教育会議「江戸から未来へ アバターforダイバーシティ」が開催された。本学の海外交流協定大学であるアメリカ合衆国ニューヨークにあるニュースクール大学の社会学科長池上英子教授と、落語家の柳家花緑氏をお迎えした。私の講演「江戸文化とアバター」、池上英子教授の講演「アバターで見る知の多様性――ダイバース・インテリジェンスの時代」、そして柳家花緑氏をまじえたパネル・ディスカッションがおこなわれた。コーディネーターは朝日新聞社の一色清氏。人がいくつもの名を使い分ける多名の江戸時代から、近代の「個人」に統合する時代を経て、今は個人主義から分身主義へゆるやかに移行する時代になったのではないか。多様性が個々の多様性だけではなく、個人の内なる多様性としてここまで語られたのは、初めてかも知れない。池上英子教授、柳家花緑氏の広い視野と天才的な表現力に感謝するばかりだ。

12月7日(金)

法政大学出版局の評議員会が開催された。

都内の私立大学における「企画」関連部署の情報交換の場「12大学企画担当者会議」の今年の当番校として、本学で会議が開催された。本学の長期ビジョンとブランディングについてお話しした。担当は総長室である。当番校はそれこそ企画から実施までたいへんだが、他大学の職員の方々に本学のありかたをお話しできる機会はめったにない。とても良い機会だった。

12月6日(木)

日本私立大学連盟の拡大政策部門会議を開催した。就職ルールと採用問題についての提言をするためである。この日、日本総研の山田久さんに、意見を伺うために来ていただいた。山田さんは法政大学の大学院で修士号をとっておられる。たいへん具体的で示唆に富んだお話しだった。

日本学術会議の事務局の方が来て下さって、今年度より参加する「外部評価有識者会議」の打ち合わせをおこなった。

本学国際日本学インスティテュートで博士号を取得した論文「鉢植えの文化史」が、このほど『鉢植えと人間』というタイトルで法政大学出版局から刊行された。著者は田嶋リサさんだが、これはペンネームだ。ご自身が盆栽アーティストで、表紙はご自身とその作品で出来上がっている。博士課程入学時に面接をした時、たいへん面白いテーマだと思い応援してきた。この日、本の完成を知らせ、直接届けるために来室して下さった。

学部長会議を開催した。

12月5日(水)

常務理事会、役員ミーティング、全学質保証会議、常務理事会懇談会などを開催した。

12月3日(月)

学改革支援・学位授与機構シンポジウム「大学と社会の対話を通して高等教育の発展を考える」シリーズの第三回「先導的取組を通して大学改革の成果と課題を考える――教学マネジメントの在り方――~組織の力で教育力を高めるために~」の、基調講演をおこなった。基調講演の題名は「法政大学における教学マネジメント~組織の力で教育力を高めるために~」である。教学だけでなく、財政、人事、ファシリティなどのマネジメントを同時に捉えること、学部や研究科の多様な取り組みを全学的な教学の理念に照らして捉えなおすことなどを述べ、長期ビジョン策定や大学憲章制定のプロセスをお話しすることで、本学の組織としての特質を伝えた。

その後のパネル・ディスカッションには、村上雅人芝浦工業大学学長、塚本純宇都宮大学・地域デザイン科学部長、田頭吉一京都大学教育推進・学生支援部長が登壇なさった。このディスカッションでも、全学規模で授業科目数を削減しつつ、全学スタンダード科目を作っていくことの重要性が議論された。またガバナンスについては、企業においても決してトップダウンが有効なわけではないこと、議論を前向きに実のあるものにしていくためには、メンバーによる正確なデータの共有が何より必要であることが議論された。このディスカッションはたいへん勉強になった。

12月1日(土)

二松學舎大学で、「千代田区内近接大学の高等教育連携強化コンソーシアム」の開設記念シンポジウムが開催された。私は基調講演で「大学間連携・地域連携の意義と千代田区キャンパスコンソの可能性」をお話しし、そのあとで石川雅己千代田区長の講演。そして、菅原淳子二松學舎大学学長、伊藤正直大妻女子大学・大妻女子大学短期大学部学長、川久保清共立女子大学・共立女子短期大学学長、廣江彰東京家政学院大学学長をまじえ、本学の廣瀬克哉副学長がコーディネイターとなって、コンソーシアムの具体化について様々な案を出した。単位互換、リカレント教育が話題となった。大学はいま、協力の時代になってきている。とくに都心の大学で、多様な社会人の受け入れがどう実現できるか、今後もさらに話し合いたい。