2017年度

3月

2017年度

3月30日(金)

松岡正剛氏、太田香保チーフマネージャー、本学の江戸東京研究センター長である陣内秀信デザイン工学部教授、岩波書店編集担当者とともに、編集工学研究所において、4月21日に予定されている江戸東京研究センター・特別企画対談の打ち合わせをおこなった。松岡さんと陣内先生は久々の再会で意気投合。楽しい対談(鼎談)になりそうだ。

3月29日(木)

外部団体で講演。共通テーマは「凛として」。「『日本問答』をめぐって」という題名で講演した。
次期の江戸東京研究センター長、横山泰子理工学部教授と研究推進についての打合せをおこなった。
今年は「ロシアにおける日本年」で、ロシアのテレビ局による、本学についてのインタビュー取材と収録があった。法学部教授の下斗米伸夫先生も来て下さった。

3月28日(水)

常務理事会を開催した。
全学自己点検キックオフミーティングを開催した。2019年度には、7年に1度の大学認証評価を受ける。その対象となる2018年度に、事実に基づいた評価書類を準備する。そのキックオフの日であった。
中期経営計画特設部会を開催した。

3月27日(火)

サントリー美術館で企画会議があった。サントリー美術館ではこの期間、「寛永の雅(みやび)」展を開催中。江戸時代公家文化の、質の高さと新しさに圧倒された。『日本問答』でも公家について話したが、それは、2009年の『国際日本学』第6号に掲載した論文「直き天皇-江戸時代にとって天皇とは何であったか」に基づいている。京都の後水尾サロンと公家文化が、江戸文化の基盤を作ったと言えるだろう。「デュアルな日本」の根幹である。

3月24日(土)

日本武道館で学位授与式を開催した。今回から午前午後の列席学部長を分けるなど、簡潔な方法に変えた。会場の色彩は、着物姿が多くなって年々鮮やかになっている。今年は桜の満開、快晴の空と重なって、明るい学位授与式となった。指導してきた博士課程の学生にも、博士号を直接授与することができた。卒業おめでとう!

派遣留学生と海外からの留学生の卒業を祝う会をおこなった。着物とともに漢民族の衣装(満州民族のチャイナドレスではない)や、チマチョゴリが鮮やか。様々な課題はあるが、確実に留学生は増え、ますます優秀になっている。

3月23日(金)

全学広報戦略会議を開催した。ウェブサイトのリニューアル、広報体制の新たな提案など、将来のために重要な会議となった。

HOSEI ONLINEに、本学の情報科学研究科客員教授であられるグエン・ゴック・ビン先生をお迎えした。ベトナム出身のコンピュータ科学者で、情報科学のほとんどの分野をカバーしておられ、そのどれもが世界の一流の研究として認められている方だ。アルゴリズム、プログラミング、IoT、ビッグデータ、指で動かせるテーブル型のディスプレイ、そしてそれらが知的判断にどう関わるか、情報倫理の必要性など、どれをとってもわくわくする話だった。「現時点での問題点はスピードです」という言葉が意外だったが、なるほど、日常をデータとみなして集積するのがビッグデータであるなら、今のスピードでは集積は無理だ。そういえばちかごろ、様々な場面でスピードの問題に行き当たる。

本学が主催するベトナムにおける日本語スピーチコンテストの優勝者を、毎年日本にお招きしている。今日はその方々の表敬訪問があった。高校生1人と大学生3人だ。最優秀賞は高校生だった。この生徒は日本語ができるだけでなく、状況を判断して適切な対応をする能力にも優れていた。ビン先生も残っていて下さり、ベトナムとの懇親の一日となった。

「体育会卒業生を送る会」で、学生表彰や、部長表彰をおこなった。サッカー部にたいへんな活気と成績を与えて下さった現代福祉学部教授の石川郁二先生、テニス部を長い間導いて下さった、日本の代表的な元プロテニス選手、スポーツ健康学部教授の神和住純先生、ありがとうございました。

3月22日(木)

常務理事会と、今年度最後の学部長会議がおこなわれた。毎年半分ほどは学部長が交代する。2年間一緒に苦楽をともにするので、最後のご挨拶をうかがうのは寂しいものだ。とくに、以前、常務理事をしていらしたデザイン工学部の福田好朗教授には、無理を言って国際化担当の副学長になっていただき、グローバル教育センター長も兼務してご尽力くださった。定年退職となり、この日の学部長会議の出席が最後となったことは、とりわけ寂しい。皆様お疲れ様でした。ありがとうございました。

3月20日(火)

ミュージアム開設準備委員会を開催した。
日本私立大学連盟で、理事会、総会、懇親会がおこなわれた。立教大学の吉岡知哉総長が退任となる。吉岡総長とはさまざまな場面でご一緒してきた。多くの方から信頼を寄せられ、私大連副会長を務めてこられた。たいへん残念だ。
私大連の総合政策センター政策研究部門会議でまとめた、私立大学の将来構想提言である「未来を先導する私立大学の将来像」が若干の訂正を条件に採択され、こののち10日間ほどのパブリックコメントの募集に入った。

3月19日(月)

4月におこなわれる新任教員研修会の内容打ち合わせをおこない、HOSEI2030運営会議を開催した。

3月18日(日)

サンデーモーニングに出演した。国有地売却の際の決裁文書書き換え問題、中学校における前川前次官講演についての、文科省からの問い合わせ問題など、官僚をめぐる問題が次々に起こっている。官僚の問題のように見えるが、実際は官邸(政権)の問題で、この決着がどうつけられるのか、という関心になっている。

この日、「風をよむ」は「官邸主義」というテーマだった。15日の日誌でも言及した本学の上西充子教授のお名前を出して、データ・リテラシーの重要性を述べたのだが、あとで、ナカニシ教授と言ってしまったことに気づいた。今、この状況下で何より社会に伝えたいかたのお名前を言い間違えたことを、たいへん悔やんでいる。心からお詫び申し上げたい。今後は大学のために、細部までさらなる注意を払いたい。

マスコミ界で活躍する卒業生たちの組織、マスコミオレンジ会の例年のパーティに参加した。自主マスコミ講座は、オレンジ会のOBOGたちによって支えられている。

3月17日(土)

英語教育協議会が開催され、そこで講演をおこなった。タイトルは「あなたは英語で何を伝える?――日本を表現する教育の大切さ――」である。英語力だけがグローバル化なのではない。自分の話す中身が、多様な人々に理解されること、多様な人々を理解することがグローバル化なのである。では、英語で何を伝えるのか? この日は、グローバリゼーションと江戸時代の話を皮切りに、日本文化のデュアル構造について話した。和食、着物、スキー、田舎暮らしなど、世界の人々の関心の対象は広がっているが、日本についての語り方は現象面にとどまっている。歴史を貫いている構造を知ることで、日本人の発想についてより深い説明ができるようになる。コミュニケーションにはいくつかのレベルがあり、多層のレベルで語り合える能力が必要だ。

3月15日(木)

外部企業の会議。その後、「日経ビジネスアソシエ」の取材を受ける。女性リーダーの特集だ。話の流れは、権威を振りかざす男性リーダーを見習うな、となった。女性リーダーの先例見本も不要である。女性男性ではなく、それぞれが自分らしい方法でリーダーシップをとればよい。そしてリーダーにとって何よりも大切なのは「公正さ」であることを強調した。

キャリアデザイン学部の上西充子先生を急遽お招きして、HOSEI ONLINE対談をおこなった。裁量労働制の労働者と一般の労働者の労働時間の比較をめぐる不適切なデータについて、本学の上西充子教授の調査により、安倍首相は裁量労働制をめぐる答弁を撤回せざるを得なくなったのである。それを知って、できるだけ早くこのことをHOSEI ONLINEに掲載したかった。上西教授は、2月21日の衆議院予算委員会の中央公聴会で公述人意見陳述もおこなっている。そこでは、この問題が政策立案や国会審議をめぐる問題であると指摘している。対談では、大学教育でデータ・リテラシーを身につけることが、民主主義にとっていかに重要か、という話にもなった。その後に起こった国有地売却書類の削除改ざん問題とも重なる。

3月14日(水)

常務理事会。理事会、理事会懇談会、賛助員の集いを開催した。賛助員とは、高額寄付者の方々に受け取っていただく称号のことである。毎年、ほんとうにささやかな会食しかできないが、いつも温かいまなざしと言葉をいただき、学生たちの生活と勉学はもちろん、総長理事たちの心も、支えていただいている。心からの感謝の気持ちを、お伝えした。

3月13日(火)

明治大学で、明大、関西大との3大学連携協定年度末報告会と懇親会が開催された。ボアソナード展を、明治大学、法政大学、関西大学の順で開催していくことがほぼ決まった。それぞれの特色がどう出るか、とても楽しみだ。懇親会では学長同士、様々な話がはずんだ。関西大学は、奈良を中心とした「飛鳥文化研究所」をもっており、大阪文化の研究もおこなっている。明治大学には国際日本学部があり、マンガやアニメに関する教育が進んでいる。法政大学は能楽研究所、沖縄文化研究所、国際日本学研究所、江戸東京研究センターをもっている。それぞれの特徴を生かして世界に日本文化を発信する、新たなグローバル化を実践できそうだ。

3大学連携では、常に3大学の職員たちが綿密で深い打ち合わせをしてくださっている。職員たちの結びつきも借りて、今後長い期間にわたり、3大学がより面白い研究や、新しい教育を発案できるようにしたい。競争から協力へ。大学は確実に、そういう時代に入った。

3月10日(土)

編集工学研究所・ISIS編集学校の修了式だった。「守」「破」「離」というコースが基本となり、インターネット上で多くのTAが関わり、社会人の高度な教養教育を展開している。この日は「守」と「離」の修了式があり、その仕組みを知るために伺った。修了者だけでなく、教師たちひとりひとりの顕彰をしっかりおこなっている。

3月9日(金)

本学ボアソナード・タワーで、脚本アーカイブズ・シンポジウム2018「脚本から『時代』を読み解くたのしみ」が開催された。主催は一般社団法人・日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアム。共催は法政大学大学院日本放送脚本データベース研究所である。この研究所を通して、多摩キャンパスの図書館には、重要な脚本の一部が保存され、データ化が進められている。

全体の進行は本学、社会学部の藤田真文教授。脚本クロニクル・サイトの構築プロジェクト報告などの後に、「時代劇・歴史ドラマにみる “江戸のくらしと文化”」というタイトルでシンポジウムをおこなった。東京学芸大学副学長で時代考証学会会長でもある、時代考証家の大石学先生、『八重の桜』や『相棒』の脚本家で、多くの時代劇を手がけてきた山本むつみさん、そして私である。久々に時代劇を通して、江戸時代の面白さを話すことができた。

3月8日(木)

全国から多くの学生が本学に集まって「学生FDサミット」を開催した。冒頭しか参加できないが、とにかく行って挨拶した。学生が大学の授業とありかたを真剣に議論する、とても大事な催し物である。それぞれの大学にぜひフィードバックして欲しい。
グローバル戦略本部会議と、学部長会議を開催した。

3月7日(水)

常務理事会、もろもろの会議の事前打ち合わせ

3月6日(火)

例年の、定年退職者慰労会を開催した。今年はとりわけ、存じあげている方々が多く、寂しい。本学への計り知れない貢献をして下さった方々へ、心より感謝を申し上げたい。長い間、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。
日本私立大学連盟の常務理事会。年度末なので、IR、国際化、働き方改革など、様々な報告が上がってくる。私の担当であるグランドデザイン「未来を先導する私立大学の将来像」を検討。これは4月に公表する。

3月2日(金)

学校長会議を開催した。
その後、事務部門の自己点検懇談会が開催された。テーマは、「職員の立場からどう本学のIR機能を促進させるか―エビデンスベースの意思決定促進のために―」。大学の運営には、ビッグデータとデータサイエンス、データ分析が不可欠になる。本学でもすでにIR室を作ってその準備をしているが、この領域は手を抜けない。何よりも、この大きな変化の時代、学生がどのような能力を身につけるためのデータ分析なのか、明確にしていくべきだ。

3月1日(木)

学部の自己点検懇談会がおこなわれた。この日のテーマは「学習成果の把握に向けた取り組み -教育課程の編成および実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー) の点検に向けたカリキュラムマップおよびカリキュラムツリーの活用を踏まえて-」である。カリキュラム・ツリーとマップを積み上げは、かなり進んでいるが、綿密に仕上げているから成果があるとは言えない。そこで満足してはならない。学習成果のはかり方も、ひとつの測定方法だけでは無理だ。複合的な設定が必要である。学生への「問いのなげかけ」が重要である。学生それぞれが答を得るために、ツリーとマップは有効な道具になるだろう。学部はそれぞれ独特のツリーとマップを仕上げている。カリキュラムの特徴を打ち出すことで、学部の特性を打ち出すことができそうだ。
その後、HOSEI2030推進本部会議を開催した。