2015年度

6月

2015年度

6月28日(日)

付属校合同説明会を、薩埵(さった)ホールでおこないました。法政大学はスーパーグローバル大学創成支援に採択されましたが、付属校の法政女子高もスーパーグローバル・ハイスクールに採択されていますし、法政二中高も法政中高も、海外研修、海外の生徒の受入に積極的です。もちろん留学する生徒もいて、帰国したときには報告会をしています。

グローバル化の本質は、「自ら夢中になって学ぶ」ことで、自分で考える能力が育ち、自ら決断して行動できる一人前の「市民」に育つことなのです。英語は、そのための広い情報収集とコミュニケーションの手段です。今日は、そのことを、法政の付属校に関心をもって来て下さった方々にお話ししました。

そして法政二高の生徒が先日、選挙権が18歳に引き下げられたときに、模擬投票を呼びかけ実現させました。そのことも紹介しました。主体的に考えることは、主権を行使する上で欠かせないことです。

その後、法政大学教職課程センター長の尾木直樹先生と対談しました。尾木先生はいつも、学生・生徒の立場になってものごとを考える先生です。この日も、「どのようにすれば主体的に考えることができるようになると思いますか」という問いに、「子どもに決定させること」という明瞭な答えでした。決定する能力を育てる「市民教育」こそ世界の潮流で、それをしないで「道徳」を教えるのはおかしい、というご意見には心から賛同します。「偉い人を見ならえ」と「自分を殺して集団の一員としてふるまえ」という教育は、市民教育ではありません。

今日、尾木先生の最新著書『尾木ママの7つの人生力』をいただきました。この本を読むと、尾木先生自身が歩んでいらした道のりとお考えが、よくわかります。

6月27日(土)

成績最優秀者特別奨学生の表彰をおこないました。成績最優秀者は奨学金を得ることができます。皆さん4年生ですので、就職活動にもこの表彰は役立ててほしいと思います。しかしこの日私は、社会で生きて行くには学力だけがすべてではない、ということを伝えました。むしろ自分を「正しい」「優秀だ」と思うことによって、可能性が小さくなってしまうことすらあります。異なる立場、異なる能力をもった人たちの考えに耳を傾け、学業に専念できない事情を抱えた人にもまなざしを向けて欲しいのです。多様な立場を理解できる柔軟な姿勢で、可能性をますます広げていただきたいと思います。おめでとう!

後援会新旧役員研修会と交流会がおこなわれました。後援会はご存じのように、そして総長日誌にもたびたび書いてきたように、保護者の集まりです。この日は、最近の大学の動きを報告するとともに、後援会が奨学金や賞の授与など、いかに大きな支援を学生たちにして下さっているかを改めて皆で確認し、今後の希望などを述べました。これからもよろしくお願いいたします。

6月26日(金)

LU法政募金の呼びかけのDVDを収録しました。海外の大学では、建物の建設やスポーツ活動などの多くを寄付でまかないます。授業料は教育に投入することができるのです。しかし日本では税制の不備もあって、寄付の文化が根付いていません。大学生活を充実したものにするには、多くの卒業生や市民の方々に寄付をお願いする必要があります。寄付が学生を支えるのです。

6月24日(水)

HOSEI ONLINEの対談をおこないました。今日は国際文化学部教授で、法政大学法学部出身の川村湊先生です。このたび『川村湊自撰集』全5巻が作品社から刊行開始され、ぜひおめにかかって今までのお仕事のこと、そして初代の国際文化学部長としてのご苦労をうかがいたかったのです。SA(国際文化学部のスタディーアブロードプログラム)を先駆けて始めたときは、海外で何が起こるか心配で、携帯電話を抱えて寝ていたそうです。
お話しを伺えば伺うほど、川村先生は近世文学、近代文学、そして植民地文学の評論世界、そして国際文化学部を駆け抜けていらした「フロントランナー」であることがわかりました。

6月20日(土)

朝のジェットフォイルで佐渡に渡りました。二つの重要な催し物があります。ひとつは、法政大学校友会新潟県支部のなかに、佐渡支部をつくる設立式です。もうひとつは、佐渡市主催の講演とシンポジウム「世界遺産登録推進応援。佐渡から江戸文化が見える――内からの目、外からの目」です。この催しは「北沢浮遊選鉱場跡」という、近代鉱業遺跡(廃墟)をライトアップした野外で行われ、たいへん幻想的でした。
どちらもつつがなく終わりました。佐渡と法政大学が結ばれた日でした。佐渡市出身の校友は77人もいることを、初めて知りました。

6月19日(金)

全国の国公私立大学の学長の集まり「天城学長会議」が7月に開催されます。その世話人会が結成されており、その一員になっています。今回のテーマは中教審答申を受けて考える入試改革です。夜に開催された最終打合せ会議に出席し、そのまま新幹線に乗って新潟のホテルに着いたのは、11時を過ぎていました。

6月17日(水)

本学の通信教育部について、藤澤利治通信教育部長、佐藤良一常務理事と鼎談をしました。通教のパンフレットとHPに掲載するためです。通教は社会人たちの貴重な学びの場です。時代が変わっていくに従い、すたれるどころか、これからの生涯教育化の方向の中で、インターネットコンテンツの充実によって、大きな可能性を秘めています。本学の通教に、世界中から入学者が集まる未来をめざしたいと思います。

6月16日(火)

中部経済同友会の招きで、名古屋において、グローバル化と多様性に堪えうる能力をどう育てるか、というテーマの講演をしてきました。従来の講演依頼は江戸時代に関するものが多かったのですが、大学教育のこれからに、産業界が深い関心をもっていることがわかりました。同時に「高度経済成長時代に見失ったものを、新しい価値として考え直さねばならない」という姿勢もあり、産業界の中にも、価値観の転換が起こっているようです。

6月15日(月)

JAFSA(国際教育交流協議会)の総会が開催されました。JAFSA は1968年に設立されたNPOで、大学や教育機関や企業約300の会員によって成り立っています。今回は、5月にボストンで行われた各国の大学展示の報告会でした。日本のブースには法政大学も展示を出し、国際担当の福田好朗副学長や高畑圭子グローバル教育センター事務部長が出張して下さいました。日本の展示は桜の木の造花を並木状に置き、その美しさで多くの人を引きつけたとか。世界の大学関係者1万人以上が集まったようで、まさに大学は世界ネットワークの時代に入りました。

6月12日(金)

大成建設が、本学のデザイン工学部に進学するベトナム人学生への留学支援を決定して下さいました。今日は会長と社長にご足労いただき、大学として心からの感謝を述べ、感謝状をお渡ししました。ベトナムからの留学生の入学を、皆さんもぜひ楽しみにして下さい。

夜は、NHKでラジオ「落語百選」の収録をしました。今日の演目は五代目柳家小さんの「強情灸」(ごうじょうきゅう)と「笠碁」(かさご)。ゲストは六代目の柳家小さんさんでした。「笠碁」は、友達どうしが喧嘩して仲直りするまでの、詳細な心理の動きを語ったものです。私は落語を授業に使っていたころ、この現代版を皆に作ってもらいたい、と思っていました。落語は人間関係のお手本です。

6月11日(木)

インド大使館において、ディーパ・ゴパラン・ワドワ駐日インド大使におめにかかりました。短い時間でしたが、江戸時代における着物や歌舞伎や信仰へのインドの影響についてお話しし、とても深い関心をもっていただき、充実した時間をすごしました。機会を作って、大学のHPで対談したいと考えています。インドからの留学生をさらに迎え、また、学生たちにもインドを知って欲しいと思います。

6月10日(水)

3月24日の朝日新聞朝刊に掲載された「大学トップマネジメントフォーラム2015」に登場した慶應義塾大学、上智大学、中央大学、明治大学、早稲田大学、そして法政大学のうち、中央大学を除いた五大学の総長、学長が、朝日新聞の招きで集まりました。学生の首都圏集中率の高さ、新しい入試へのとりくみ、4月から発足した学校制度法改正の時の様子など、会議ではなく会食ですが、話は尽きません。いずこも同じ大学改革が要請されているからです。法政大学の大きな飛躍は、今が好機です。

6月9日(火)

今日は学内で全国市長会が開催されました。法政大学の卒業生は、内閣官房長官をはじめ、国会議員、県知事、市長、県議会や市議会の議員などの中にもおおぜいいます。市長会はその卒業生たちのなかの市長で構成された会で、市長の語るその地元の話が、なんとも素敵なのです。
今年はまず、地方行政の専門家である廣瀬克哉常務理事が、地方の活性化に、Uターン、Iターンした卒業生達が活躍していること、地域の未来には「よそ者、若者、ばか者(変わり者)」が必要であることなどを、データを駆使して講演して下さいました。大学と地域を考えるとても良い機会でした。
それにしても、市長たちの地域自慢話をうかがい、そのすべてに行きたくなってしまいました。

6月6日(土)

学生の保護者が組織する「後援会」役員の、新旧交代の時期がやってきました。総会のあと、旧役員の方々に感謝状をお渡ししました。皆さん、現役で働いておられる方が多く、度重なる出張や活動に頭が下がります。今年で68年目になります。学生を支え続け、これからも支えて下さる、大学にとってとりわけ大切な「後援会」の活動に、心より感謝の乾杯をしました。

6月5日(金)

『週刊東洋経済』のインタビューを受けました。次々と企業や文科省から出される大学改革への注文に、大学はどう答えていくのか、マスコミも大きな関心をもっています。

6月4日(木)

学部自己点検懇談会が開催されました。この日は大学評価室が、学部長や理事たちとワークショップをおこないました。活気のある作業と討論が展開しました。学部の可能な限りのデータを比較しながら、学部の特徴と課題を相互に認識するワークショップなのです。
この作業はIR(Institutional Research)つまり、大学のこれからを考え、運営する上での基本的な情報収集と、その分析をおこなう活動のひとつです。大学の中では学部や部局からの情報を分析しますが、大学全体の情報は大学間の異なる個性を把握する手がかりとなり、世界のなかでは各国の大学がもっている異なる課題の発見に役立ちます。大学の長期ビジョンは、このような情報の把握をもとに策定されていきます。

この日の夜は、『天空の蜂』の試写会に参加しました。監督の堤幸彦氏は本学社会学部社会学科の出身で、現在は通信教育部で地理学を学んでおられます。この映画の封切の機会に、HOSEI ONLINE上での対談を申し込もうと考えています。