9月

法政フェアが開催されました

2014年09月21日

9月

法政フェアが開催されました。卒業生の組織である校友会は、この法政フェアで、一般社団法人としての設立記念式典を開催し、卒業生のシンポジウムも行いました。私は校友であり、名誉会長でもありますので、挨拶をしました。

校友組織は横のつながりです。日本全国に広がっています。新卒業生たちがUターン就職を希望するときの情報提供や、支社に赴任するときの相談相手として、あるいは全国でフィールドワークや公演や部の合宿を実施するとき、校友会が支えて下さったらどんなに心強いでしょう。校友は大学と学生を仕事に利用するかのように思われていた時代もありましたが、それを乗り越えるべく、新しい組織が生まれたのです。新組織は透明性が高く、公正な組織です。学生たちを、経済的にも精神的にも支えてくれるはずです。大学から利益を得るのではなく、大学に利益をもたらす組織です。大学のブランドが強靭になれば、卒業生全体にそれが還元されるからです。

また、校友会は様々な国から本学に学んだ外国人によって世界全体に広がることで、より明快で賢明な世界組織になるでしょう。それをめざしましょう。

私はこの日、横のつながりだけでなく、時間的つながり、つまり卒業生の歴史にもふれ、学徒出陣のことを述べました。周知のように1943年、法政大学においても学徒出陣がおこなわれました。約870人の法大生が兵士として、大学から戦場へ送られたのです。本来、学校は生徒学生を守るものですが、文部省の指導で日本中の学校から教育が消滅し、勤労動員や軍事動員がおこなわれたのです。

集団的自衛権行使容認が閣議決定され、この問題も、これから考えるべき重要な課題になりました。当時、多くの母親が息子達の背中を押して戦場に送り出し、文筆やメディアや政治で活躍する女性たちが、戦争に協力しました。そして、文部省主催の出陣学徒壮行会が神宮外苑で挙行され、大学の教員や総長が、歓声を挙げて神宮外苑から学生たちを戦争に送り出しました。

人ごとではありません。私は総長になってその立場になったときのことを想像し、背筋が凍るような気がしました。なによりも、その手前で、私たちは戦争突入を回避し、学生を二度と戦場に送ることがないようにしなければなりません。

大学、校友会、後援会、という基盤の異なる複数の組織が互いに融通無碍の動きをしつつ、未来の学生を守らねばなりません。校友会は社会の中で大事な役割をもっているのです。