東日本大震災を振り返って

各キャンパスの被害状況とその対応

東日本大震災を振り返って

大学運営に関する影響

キャンパスへの入構制限

震災翌日以降、本学は慎重に検討を重ね、建物の安全確認や節電への協力のため、キャンパスへの入構制限を実施しました(10月1日付で休日を含めたすべての入構制限を解除しています)。また日本武道館で3月24日(木)に予定していた2010年度学位授与式、同所で4月3日(日)に開催予定だった2011年入学式についても、余震の続く中での実施は危険を伴うとの判断から、中止としました。

安否確認

同時に、東北を中心とした被災地出身の学生に対しては、電話は不通も多く、手紙は届きましたが、一部の避難所などに配達に時間がかかった地域もあり、学生の安否や実家の被害状況などの全体像が判明するまでかなりの時間を要しました。その結果、大変残念ながら学生1人と保護者5人の死亡が確認され、学生の自宅家屋損壊も約290件(一部損壊含む)あったことが判明しました(学生センター調べ)

建物の被害状況と修復

震災翌日より本学が所有する全校地全建物の被害状況調査を開始しました。多摩・小金井キャンパスでは校舎の損傷はほとんどなく、予定通り2011年4月10日(日)から授業を開始しました。しかし、市ケ谷キャンパスでは55・58年館などで100枚以上のガラスが破損したほか、建物本体にも損傷が認められたため、55年館511教室の天井全面張替や58年館1階学生ホールに補強柱を新設するなどの大規模な補修を行い、授業開始を2011年5月6日(金)まで延期しました。外濠校舎、富士見坂校舎、ボアソナード・タワー等の屋内壁面にもヒビ割れが見られましたが、いずれも仕上げ材の表面的なもので建物構造に影響がないことを確認しました。

そのほかの補修工事も余震の収束状況を見ながら実施し、その間学生の不安感を煽らないよう、当該破損箇所にステッカーで掲示を行いました。

付属校や白馬山荘などのセミナーハウスを含む本学の全校地全建物で専門業者による建物の安全性調査を実施し、「建物構造体に関して耐震上の被害はなく、耐震強度は地震被災前と同等であること」と「建築本体二次部材(天井その他の仕上げ材、配管・設備機器)の落下危険性のないこと」を全棟で確認しております。

夏期の電力使用制限に伴う節電

今夏の電力供給不足を受け、大口需要家である本学にも電気事業法第27条による使用制限義務(使用最大電力(1時間単位)について昨年度実績あるいは契約電力の85%を使用上限とする義務が課せられました。

本学では以前より節電に積極的に取り組んできましたが、この使用制限措置を受け、各キャンパスで「節電ガイドライン」を制定し、エスカレーターの部分停止(時間帯により全停止)、共用部照明の間引き点灯・消灯、冷房温度の28℃設定、教員研究室の一定時間冷房使用制限(市ケ谷、小金井)などの取り組みを実施しました。

一例として、市ケ谷キャンパスでは、電力使用量を毎日掲示し、電力使用量が使用制限上限値に近くなると、段階ごとに全職員にメールで注意を喚起し、同時に一部照明の消灯、機械室換気設備を20分程度一時停止する等の措置を実施しました。また学生アシスタントより募集した学生20人程度が節電見回りを行い、主に使用していない教室の不要照明および冷房を消す活動も行いました。 こうした地道な取り組みの結果、使用最大電力(1時間単位)が使用上限値である昨年度比85%を越えることのない状態で、使用制限期間である2011年7月1日から9月9日までを無事終えることができました。

節電を呼びかけるポスター(市ケ谷キャンパス)