さいえんすかふぇ「えねるぎぃっ亭」十月営業
―宇都宮市の歴史的決断―

2016年10月06日

さいえんすかふぇ「えねるぎぃっ亭」十月営業

さいえんすかふぇ「えねるぎぃっ亭」十月営業
‐宇都宮市の歴史的決断‐
小池康郎  えねるぎぃっ亭南駄老


 9月27日の東京新聞や日本経済新聞などが、26日国土交通相によって宇都宮のLRT計画が認可されたと伝えました。報道は決して大きなものではなく、人々はあまり気にかけていないでしょうが、これは歴史的に見て大変重要な、そして未来にポジティブな、一大ニュースです。
 LRTは特にヨーロッパ諸国で普及する、大変便利な交通システムです。日本では富山が先進的な事例として注目を集めています。それは多くの地方都市に希望を与えるものです。ただ富山は基本的に既設の路線を利用したものであり、その点が多くの街のLRT導入に閾(いき)になっていました。宇都宮のLRT導入は、全く新しく計画的に路線を敷くことから始まります。
 えねるぎぃっ亭では、中小都市のLRT敷設を、未来社会に向けての大切な第一歩であると、力説してきました。何故か? 改めて説明しますが、LRTとは新世代路面電車と日本では訳されていますが、自然エネルギーを活用した未来社会で、都市の中心的な交通を担う、自動車社会を脱却するための切り札なのです。
 何故自動車社会を脱却しなければならないのか? そう思う人も多いでしょう。答えは単純です。自動車は石油があって初めて動きます。現代は過度の石油依存社会ですが、石油依存社会は、石油が有限な資源である以上、永続しません。またCO2排出の大きな要因となっていますから、環境に良いわけがないことは多くの人が認めざるを得ないでしょう。
 えねるぎぃっ亭では、エネルギー問題を考える二つの柱の一つとして、エネルギー消費についてのデータから考えることをやってきました。エネルギー消費についてのデータはIEA(International Energy Agency)の統計が最も重要です。そのデータで見てみましょう。石油換算キロトンという、ちょっと不思議な単位であらわされていますが、日本での最終エネルギー消費(消費現場でのエネルギー消費)は、その単位を使って毎年約30万になります。そしてその中で電車(新幹線や電気機関車を含む)のエネルギー消費は1500ほど、つまり全体の0.5%にしかなりません。電車は交通手段の一部ですが、交通手段のエネルギー消費は毎年7万を超えます。つまり全体の1/4ほどになりますが、その大部分を、バスを含む自動車が消費しているのです。自動車社会が永続しない理由です。
 エネルギーは物理学の概念です。エネルギー消費を理解するには、初等的でいいのですが、物理の理解が必要です。鉄道と自動車は何が違うのか? 初等物理で答えは簡単です。運動に対する抵抗が全く違う。鉄道では抵抗は1/5以下になります。公共交通機関だからバスでいいじゃないかと、多くの人が考えます。物理で考える習慣がないからです。これからの若い人には物理の基本的知識も要求されるようになるでしょう。
 宇都宮の事例は、自動車社会脱却に向けて、つまり未来社会に向けて、計画的に路面電車の路線を敷くという、これから多くの都市でのモデルとなるでしょう。成功を祈りながら、応援していきたいと考えます。


会場 

法政大学 市ヶ谷キャンパス
ボアソナードタワー9階サイエンスルーム

日時

2016年10月22日(土)14:30~

主催・お問い合わせ 

法政大学自然科学センター

TEL:03-3264-4142
E-mail:koike@hosei.ac.jp

自然科学センターでは、様々な催しを企画しています。興味のある方はふるって参加してください。