さいえんすかふぇ「えねるぎぃっ亭」二月営業‐脱原発は可能である-(2/23)

さいえんすかふぇ「えねるぎぃっ亭」二月営業

さいえんすかふぇ「えねるぎぃっ亭」二月営業
‐脱原発は可能である‐
店長 法政大学自然科学センター 小池康郎


 なし崩し的な原発再稼働の流れが、都知事選で止まっています。経済的に脱原発は無理という議論がありますが、可能な脱原発へのヒントは、国が政策の元とすべき資源エネルギー庁のデータが示しています。事故後原発ゼロとなり、緊急対策として石油と天然ガスの消費が増えましたが、増加量は全体から見るとわずかであることを、12月のサイエンスカフェで紹介しました。資源エネルギー庁の統計を素直に見れば、ほとんどの人が感じると思います。右の図に添付のグラフで見てください。
 図は日本の過度の石油依存を示しており、近年それが減少していることも示します。求められるのは脱石油依存なのです。それは電力以外での省エネで可能です。鉄道などを利用した、過度の自動車依存脱却が最も効果的でしょう。また計画的な最新火力の導入と、自然エネルギー導入の加速、これらを組み合わせれば、原発ゼロが可能であると図を見れば誰でも思うでしょう。やればできるのです。
 原発は何が特殊なのでしょうか? それには核反応を理解しなくてはなりません。通常地上で起こる反応は、すべてが原子レベルの反応といって過言ではありません。これを化学反応と呼びます。近年人類は化学反応を利用し、また制御するさまざまな方法を学びました。それは人類にとって可能な技術でした。なぜなら、人を含めた動物・植物も、化学反応で生命活動を行っているからです。いわば同レベルの技術開発でした。
 核反応は全く別のレベルの反応です。20世紀以来、物理学は原子核をその理解の対象としてきました。そしてその莫大なエネルギーを開放することに成功しました。ですが一般の意味で制御することには成功してはいませんし、これからもできないでしょう。「放射線を完全に制御している」と胸を張った人がいましたが、放射線を含む核エネルギーを制御する唯一の方法は「閉じ込め続ける」ことなのです。メルトダウンが起こり、また汚染水漏れが起きることは、制御できていないということなのです。
 今回のカフェでは、前回時間がなくて取り残した、「核エネルギーって一体何だろう」ということを考えます。原子の中心に小さな小さな核があります。原子核です。原子核が関与する反応を原子核反応と呼びます。原子核の大きさは、原子の大きさに比べて約10万分の一です。それにより原子核反応のエネルギーは、原子の反応(化学反応)の約10万倍になります。これは量子力学の原理からの結論です。原子核反応のエネルギーは放出粒子のエネルギーとなります。つまり通常の10万倍のエネルギーを持つ粒子が放出されます。これが放射線です。このような巨大なエネルギーの粒子に大量に当たると、生命体は大きく傷つきます。だから閉じ込めないといけないのです。それも半減期の数十倍もの長期間。半減期も量子力学の原理から理解しないといけません。原発稼働後、わずか数十年で人類は閉じ込めに何度も失敗しました。にもかかわらず少なくとも数千年の間、閉じ込め続けることが出来ると胸を張れるでしょうか? そのようなことを、今回のカフェでは考えたいと思います。

会場 

 法政大学 市ヶ谷キャンパス
ボアソナードタワー9階サイエンスルーム

日時  2014年2月23日(日)14:30~
お問い合わせ 

 法政大学自然科学センター

TEL:03-3264-4142
E-mail:koike@hosei.ac.jp

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