実施報告(2019年度以前)

【市ヶ谷】伴走体験教室 ~目の見えない人をサポートする楽しさを知る~ を実施しました(1/14)

  • 2017年02月15日
実施報告(2019年度以前)

1月14日(土)に、ボランティアセンター学生スタッフ(VSP)が、バンバンクラブの定期練習会に本学学生と参加するという形で、伴走ボランティア体験教室を実施いたしました。バンバンクラブとは、障がいを持った方と伴走者が一緒になって、ランニングやウォーキングを楽しむ団体です。

今回の企画は、12月15日に実施した伴走ボランティア入門講座を受け、そのうえで実際に体験してもらうという二部構成で行いました。
この事前講座で伴走に関する基礎知識や伴走の楽しさ、視覚障がいがどのようなものかを学習でき、より有意義な体験会にすることができました。

この体験会では主に、視覚障害をもつ方と一緒に走る「伴走体験」と、アイマスクをかけ何も見えない状態で走る「アイマスクラン」を行いました。最初に行った「伴走体験」では具体的な伴走の仕方について、特にブラインドランナーへの言葉のかけ方について学ぶことができました。
角を曲がる時や前方を人がふさいでいる時、坂に差し掛かる時などそれぞれの状況に合わせて、工夫しながら言葉を選ばなくてはいけません。たとえばコーナーを曲がる時は、その10メートル手前で「10メートル先、右へ曲がります」と声をかけ、曲がる直前になると「3、2、1・・・曲がります」といったように、数を数えて曲がるタイミングを伝えます。


また坂に差し掛かる時、伴走者にとっては非常に緩やかと感じるような坂でも、目が見えない状態の中ではその微妙な地面の変化にも恐怖心を抱くことがあります。そのため、普段何気なく通り過ぎてしまうような緩やかな坂でも、事前にその存在を知らせ、ブラインドランナーに心の準備をしてもらう必要があります。このように伴走を行う上では、主観的に周りの状況を判断するのではなく、常にブラインドランナーの立場に立って起こりうる危険を察知することが求められるのです。この点は今後私たちが障がいを持った方と接するとき、大いに参考にすべきことであります。

「アイマスクラン」では二人組の交代制で片方がアイマスクをかけ、もう片方が伴走をするという形式で行いました。実際にアイマスクをかけると小さな木の根っこやちょっとした段差にも非常に神経を使うようになります。最初は皆緊張して体をこわばらせていましたが、伴走者の声掛けが徐々に的確になっていき、またランナーがブラインド状態に慣れていくにつれて軽快に走れるようになっていきました。これは、前の「伴走体験」でランナーに対してどう伝えればよいかを考え、「アイマスクラン」で実際に見えない恐怖を身をもって体感したことにより、お互いの気持ちを相互に理解し合えたからだと考えます。

私たちが視覚に障がいを持つ方と接する際に最も重要視すべきなのは、相手の立場に立って自分は何ができるのかを考えることです。
このように考える上で、今回の伴走体験は非常に有意義な体験になったと思います。

ボランティアセンター学生スタッフ(VSP)法学部・政治学科2年 成田 大輝

    

伴走を始める前の全体ミーティング

視覚障がい者との伴走体験1

視覚障がい者との伴走体験2

視覚障がい者との伴走体験3

視覚障がい者との伴走体験4

アイマスクを着用し視覚障がい者の気持ちを理解