学部長メッセージ

理工学部長 金井 敦

かつての「情報化社会」ということばが陳腐に聞こえるほど、「情報」は現代の社会の隅々にまで行き渡り、その恩恵をわれわれは日常的に享受しています。

その代表格はインターネットですが、コンテンツを誰でも自由に掲載できるという利点があるため、さまざまな視点からの情報を閲覧できるようになり、一方向のピラミッド構造であった情報伝達の仕組みは双方向のフラット型になりました。一方で、だれでも情報を流すことができるために、インターネットの空間では正しい情報も誤った情報も優劣なく存在し、まさに玉石混交の情報空間となっています。そこでは何が正しくて、何が誤った情報なのかを見抜く力が読む側で要求されます。この力を養うためにはどうしたらいいのでしょうか。

その答えは、「自分の頭で考える」という行為であると思います。
いま、何か疑問がありインターネットで検索すれば、他人が書いた答えを自由に閲覧することができます。このプロセスでは自分の頭は全く使っていません。例えば先生から問題が出されたら自分で考える前に、多くの学生はとりあえずネットで検索し、あたかも自分で考えたように類似の答えを書いています。他人の考えたことを、あたかも自分の考えたものと勘違いしてしまうわけです。この「知識を獲得すること」と「検索して表示すること」は全く異なります。

知識を獲得するには大変な苦労(自分の頭で考え吟味する)が必要で、苦労して得た知識こそ、体に染みついた智恵として自由な発想や創造に結びつけることができます。理工学部では「ものごとの本質」である理学の概念と「ひとの役に立つ技術」の工学の概念を融合させた、新しい理工学の概念を展開しながら、「自ら考え創造すること」のできる人材の育成を目指しています。そして、学生の皆さんが様々なことに興味を持つきっかけとなる科目や自ら取り組んで知識を獲得していくような科目も豊富に用意しておりますので、学問における自らの興味ならびにキャリア形成(人生設計)の視点から履修科目を慎重に選び、有意義な大学生活を送ってください。

理工学部長 金井 敦