近年のアジアは、中国やインドなどの新興国の台頭、東南アジア諸国連合(アセアン)
の統合、ミャンマーの国際社会への復帰といった政治・経済面の話題で湧く一方、
格差是正や気候変動への対応といったグローバルな課題が未解決のままである。
アジア開発銀行(Asian Development Bank、以下ADB)は、アジア・太平洋地域の
途上国の経済開発を主な目的に、1966年に設立された国際機関である。
ADBの融資に際しては、環境社会配慮を行うようセーフガード政策が定められているが、
アジアの市民社会からは長年、環境破壊や人権侵害の問題が提起され議論が続いている。
アジア・太平洋地域でのインフラ開発に関しては、2015年、中国の主導で発足した
アジア・インフラ投資銀行(AIIB)の参入がある。AIIBはADBに匹敵する資金力を持つが、
セーフガード政策については整備途上で、今後数年はADBや世銀との協調融資を通して
投資を拡大するものと見られている。協調融資案件にはADBのセーフガード政策が
適用される場合も多く、ADBにセーフガード政策の堅持・改善を働きかけることは、
AIIBの融資案件や政策・運営にも間接的に改善をもたらすことができる。
本セミナーでは、2017年5月4日-7日にADBの年次総会が10年ぶりに日本(横浜)
で開催される機会に、国際金融機関ADBの役割と課題についての理解を深めるため、
具体的な事例を元に、アジア地域の開発や環境・社会保全の課題、ADBをはじめとする
国際機関や日本政府の役割について考える。
◆日時:2017年5月2日(火)18:00~20:40(開場17:45)
◆場所:法政大学市ヶ谷キャンパス内ボアソナードタワー26階A会議室
地図 http://www.hosei.ac.jp/access/ichigaya.html
◆アクセス:JR総武線市ヶ谷駅または飯田橋駅下車徒歩10分
◆資料代:無料
◆プログラム(予定)[逐次通訳付]:
「国際金融機関アジア開発銀行が抱える課題」
- Rayyan Hassan/NGO Forum on ADB
「『貧困削減のためのダム』ラオス・ナムトゥン2がもたらした環境・社会影響」
- Bruce Shoemaker/メコン流域研究者
「カンボジア・GMS鉄道改修事業」
- Eang Vuthy/Equitable Cambodia(予定)
「ミャンマーの土地問題と国際金融機関の貧困削減支援」
- Glenn Hunt/Land Core Group(予定)
質疑応答
まとめ 松本悟/法政大学
◆申込み:以下からお申込みください。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/ce34488c504483
◆共催:法政大学国際文化学部、特定非営利活動法人メコン・ウォッチ
◆助成:大竹財団
◆お問合せ先:特定非営利活動法人メコン・ウォッチ
Tel: 03-3832-5034 Fax: 03-3832-5039
Email: info@mekongwatch.org