トピックス(2019年度以前)

第4回「SJ(Study Japan)国内研修」が実施されました(10/14更新)

  • 2015年10月14日
トピックス(2019年度以前)
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デイサービス「羽場赤坂デイ」で、利用者と一緒に昼食

「SJ(Study Japan)国内研修」とは、東京とは自然や歴史の異なる地方に出かけ、そこでの研修を通じて日本を多面的に考察する目的で実施しているプログラムで、国際文化学部の留学生にとって必修科目となっています。

第4回目となる今年度の研修が、長野県南部の飯田・下伊那地方を舞台に、9月3日から10日の7泊8日のスケジュールで実施されました。あいにく雨がちの日々でしたが、東京の教室内とは異なる環境の中で、それぞれの「学び」を深めました。

研修の中心テーマは、国際文化学部の研修だけあって、この地域のこれまでの外国および異民族との関わりや、現在の多文化共生となります。
この地域は戦前、旧満州へ多くの移民を送り出した歴史があり、2年前に有志がオープンさせた満蒙開拓平和記念館を訪れたり、中国帰国者に中国語でお世話が可能な民間のデイサービス施設を見学させていただいて、関係者と交流しました。
また、戦後に旧満州から命からがら引き揚げた人々が、山間地を新たに切り開いてつくり上げた果樹地帯の農家で、民泊させていただく機会もありました。
地元の人々が、いわば「負の過去」と向き合いながら、それをプラスに変えようと努めている姿が印象的でした。

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雨の中で専門家から説明を受ける(松川町の芳重地蔵)

研修最終日の前日には、午前中にまず市内の県立飯田風越高校を訪れ、本学部と類似のコンセプトをもつ「国際教養科」の2年生と交流させていただきました。同校との交流は数年前から始まったもので、これまで複数の学部教員が模擬授業に出向いたり、同科の1年生が大学見学で本学を訪れ、SA体験者から話を聞いたりなど、双方向で続いています。
午後は、市の公民館で成果発表会が行われ、参加した韓国留学生2名と中国留学生1名が、春学期の事前学習授業を経て設定し、現地で考察を深めた自らのテーマで報告しました。集まった研修関係者や本学卒業生を含む一般市民から、多くの質問やアドバイスをいただいて、意義ある交流の場となりました。

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満蒙開拓平和記念館関係者および中国帰国者二・三世の皆さんと

法政大学と飯田市との間には昨年9月、事業協力協定が締結されており、また「小さな世界都市」を掲げる飯田市は国際化や多文化共生に熱心ということもあって、この研修は現地で注目を集めています。
飯田市で発行されている『南信州新聞』には、関連記事が計3回掲載されましたし、地元の飯田ケーブルテレビや松川町のケーブルテレビ「チャンネル・ユー」でも、ニュース番組として報道されました。

南信州新聞 2015年8月25日掲載記事:成果発表会事前記事 (PDF/421KB)
南信州新聞 2015年9月 8日掲載記事:松川町での報道 (PDF/962KB)
南信州新聞 2015年9月11日掲載記事:成果発表会の報道 (PDF/1,005KB)

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最終日に訪れた中央アルプスで


日本を多面的に知る必要があるのは、留学生だけではなく、日本人学生も同様です。
これまで、留学生以外の参加は、留学生をサポートするボランティア補助員(毎年1名)のみでしたが、今後は一般学生の参加をもっと促して、現地研修の中で留学生と日本人がともに協力しながら課題解決に当たれる場となるよう、さらに努めていきます。 

SJ国内研修に参加して

■袁琳琳さん■
SJは留学生にとって、非常に意味のある研修だと思う。普段私たちが生活していた東京と違って、日本の多面性を知ることができる。私たちが知らない日本を見ることができたと思う。飯田地域は自然がとても豊かで、現地の人々も優しい、人と人の間での絆を強く感じる。授業で勉強した内容を踏まえ、実際現地で見て、関係者の方々と話をすることでより深くこの地域を知ることができたと考える。滿蒙開拓平和記念館の参観や残留孤児2・3世との会話や農家の一泊体験など、今は私にとって非常に貴重な思い出になった。機会があれば、また飯田地域に行ってみたい。

■パク ジュミさん■
今年の9月SJ研修で長野県の飯田市にいってきました。SJ研修を通じて長野県では昔の歴史的なことから今現在まで世界とのつながりを感じることができました。そして、研修のとき発表や取材のため緊張しましたが、自分にとっていい経験になりました。

■ユン ヒョジョンさん■
SJに行く前に東京以外に日本の他の地域に行ったことがなかったです。この機会で日本の他の地域にも興味ができ、さらに考え方が広がるようになりました。何よりも良かったところはそこであった人々との縁でした。この縁を今からも続けていきたいです。

■藤本理沙さん(ボランティア補助員)■
私は今回ボランティア補助員としてSJプログラムに参加させていただきました。この7泊8日を通して印象に残っていることが2つあります。1つ目は、満蒙開拓平和記念館での平和学習です。この施設を訪れるまで満蒙開拓の歴史について全く知りませんでした。しかし、当時の悲惨な状況や現在の残留孤児の問題に繋がっていることを知り歴史を改めて学ぶことの大切さを感じました。2つ目は、地域の将来について地域全体で考えていることです。市役所・公民館・地域おこし協力隊など様々な方にレクチャーを受け、地域の方が自主的に様々な活動を行っていることを知り地域活性化には住民参加が必要であると感じました。このSJで得た知識や体験を残り少ない学生生活に活かしていきたいと思います。