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「法政に金融工学あり」20年以上にわたって金融業界に貴重な人材を輩出(理工学部経営システム工学科 浦谷規教授研究室)

2012年03月13日

後列左から、塚越翔平さん(4年)、富田和樹さん(4年)、伊藤真路さん(修士2年)、藤沼雅之さん(4年)。前列左から、古川優士さん(4年)、浦谷規教授、中西好さん(4年)

後列左から、塚越翔平さん(4年)、富田和樹さん(4年)、伊藤真路さん(修士2年)、藤沼雅之さん(4年)。前列左から、古川優士さん(4年)、浦谷規教授、中西好さん(4年)

あえて難解な研究テーマに挑み深く考える能力を身につける

資産運用や投資、リスクヘッジなどの経済活動に関する意思決定に、数学や工学、情報科学技術などいわゆる“理系”の立場からアプローチする「金融工学」は、欧米では1950年代から発達してきました。しかし日本では、経済や金融はいまだ“文系”の学問としてとらえられており、世界的に見て遅れている研究分野と言わざるを得ません。そんな中、浦谷教授の研究室では、20年以上も前から金融工学の構造について研究・考察を重ねてきました。

リアルオプション(経営やプロジェクトが持つ意志決定の選択権や自由度を、投資判断の材料とするために数値化したもの)の観点から、企業戦略を検証・分析している中西好さんは「理論的に物事を考えることが好きで、3年次に履修した金融工学の授業に興味を持った」そうです。

浦谷研究室のメンバー。学部生10人、院生10人の総勢20人が最先端の金融工学を日夜研究している

浦谷研究室のメンバー。学部生10人、院生10人の総勢20人が最先端の金融工学を日夜研究している

やはり3年次にその面白さに目覚めた藤沼雅之さんは「表面的な結果としての数字の裏側で、何が起きているのかを理解することが重要」と話します。その藤沼さんと組み、共同卒論のテーマにポートフォリオ理論(効果的な分散投資の考え方を、統計手法に基づき体系化した理論)を選び、リスク分散について研究を進める塚越翔平さんは「金融業界志望なので、取引などの基礎にある数学的理論を学びたい」と考え、この研究室を志望しました。

今年の夏合宿では河口湖を訪問し、心身をリフレッシュ

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 「数学を使って経済を解析していくことの斬新さに引かれた」という古川優士さんは、「2010年5月6日に起きたフラッシュ・クラッシュという株価の瞬間暴落を数学的に分析すること」を研究テーマとしています。この事件が起きた要因の一つに大型コンピューターによるマイクロセカンド(百万分の一秒)単位の超高速取引が指摘されていますが、この超高速取引について研究する富田和樹さんは「プログラミングや確率統計などを勉強していく中で、金融に数学的にアプローチする金融工学と出会った」と振り返り、「リスクやリターンを数学で求めていくことに関心があり、研究室での勉強が楽しい」と充実ぶりを語ります。

また修士2年の伊藤真路さんは、世界的な金融危機を招いた2008年のリーマン・ショック以降、特に注目を集めるデリバティブ(金融派生商品)に関し「それを扱う会社が倒産するリスクを、価格にいかに反映させるか」を研究しています。

「社会人になれば、まず第一にスピードを求められます。難度の高い理論について時間をかけて考えられるのは、実は大学だけなのです。学生たちには最新の英語論文にじっくりと取り組み、深く、多面的に考える能力を身に付けてほしい」と浦谷教授は熱く語ります。


 
湖ではモーターボートに乗船して楽しみました

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新研究室生に加わった3年生をピザパーティーで歓迎

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