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比較することで見えてくる社会構造(経済学部経済学科 牧野文夫教授ゼミ)

2012年11月20日

牧野教授(前列中央)とゼミ生たち

牧野教授(前列中央)とゼミ生たち

牧野ゼミでは地域活性化や環境、経営などさまざまなテーマに対して“比較”を手法にした経済分析を行っています。主な取り組みは、2、3年生が中心となって6月中旬から約半年間かけて行うグループワーク。ゼミ生一人ひとりが興味のあるテーマを挙げ、共通する人たちとグループを組んで11月の最終発表に向け調査していきます。今年(2012年)は、「消費格差を考える」「原発問題:スリーマイル島、チェルノブイリ、福島の経験から学ぶもの」「地域格差の実態と対策」「日系企業の海外進出の現状と背景」「ソーシャルゲームはなぜ流行るか」「日系電機メーカーはなぜ低迷しているか」「AKBと韓流の経営モデル」の7つのグループ研究が進行しています。

当日の担当者一人ひとりが壇上に上がり、事前に作成したPowerpointの資料を使って巧みにプレゼンした10月10日(水)のゼミ授業

当日の担当者一人ひとりが壇上に上がり、事前に作成したPowerpointの資料を使って巧みにプレゼンした10月10日(水)のゼミ授業

10月10日(水)のゼミ授業では、「消費格差」グループが中間報告をしました。メンバー5人が5つの切り口を設定し、それぞれ「若者の嫌消費」「地域間の消費格差」「アメリカの若者の消費」「全国消費実態調査からみる消費実態」「家計調査から見る嫌消費」を担当して分析発表。司会進行役を務めたゼミ長の植竹隆史さん(3年)がゼミ生全員に「では、どうやったら若者の消費が増えると思いますか?」と問いを投げかけると、カーシェアリングやネット販売など次々にアイディアが上がり、手塚光太郎さん(3年)は「近年『若者の○○離れ』という言葉が使われているが、かつての若者と消費傾向が異なるだけ」と指摘。ゼミ生たちは発表者の資料を基にしながら、若者の節約志向はどのように評価できるのか、家計の平均所得が低下する中でも消費水準は変わらないデータがある一方、貯蓄が増加しているデータをどう考えるかなどを話し合いました。

「データを比べることで新たな発見ができることが面白いんです」と比較経済学の魅力を語る副ゼミ長の八代理郷さん(3年)。加えて植竹さんは、比較軸を考えること自体が着眼点を広げ、社会構造の論理的理解を助けると同時に「グループを組むことで関心がなかった分野の情報も入ってくるようになりました」。国際ビジネスの関心があるという櫻井竜樹さん(2年)は、「ゼミの学びを、いつか新たなビジネス創出につなげたい」と夢を語ってくれました。

学生主体のゼミ運営で磨く人間力

東日本大震災に関連し、防災の意識、対策の地域間比較等を調査するため、関東大震災で被災した両国・浅草周辺を巡った2011年7月のフィールドワーク

東日本大震災に関連し、防災の意識、対策の地域間比較等を調査するため、関東大震災で被災した両国・浅草周辺を巡った2011年7月のフィールドワーク

「知識や思考法など研究によって得られることはたくさんありますが、ゼミ活動全般を通じて最も身に付けられているのは、目には見えないけれど人の営みでは欠かせない大切なもののように感じます」と口をそろえるゼミ生たち。北村優茉さん(4年)は「先生がどのようにお考えかは伺ったことがありませんが、人間性を養うための多様な仕掛けが施されているのもしれません」と話し、植竹さんはその一つとして学生主体のゼミ運営を挙げます。

牧野ゼミでは年間スケジュールと年度初めに行う文献購読のためのテキスト選定以外、ゼミ運営はゼミ生が一任。研究テーマや、グループワークの役割分担・進行方法、研究の方向性は勿論、複数人が推奨されているグループワークの人数構成でさえ一人という選択肢も含めてゼミ生自身が決定を任されています。「ゼミという一つのものを作り上げるには、方向性を決めて、枠組みを定めて、仲間と相談しながらプロセスを練らなければなりません。学べることはとても多いです」と櫻井さん。「それに」と続ける八代さんは「学年を越えて対等に議論できる雰囲気が牧野ゼミにはある」と言います。「仲間がいるからこそ責任感も持てるし、モチベーションも保てる」という植竹さんに加え、北村さんも「牧野先生の信頼に応えたいと思ってしまうんです」と言って笑います。

「学生生活のすべてをゼミ活動に注ぐ、いわゆる“ガチゼミ”ではないのに先輩方も含めて希望の就職ができているのは、牧野ゼミで人との関わり方を学べたからかもしれません」という北村さんも、第一志望の大手保険会社に早い段階で見事内定を獲得しました。また、牧野ゼミでは年に数回、近藤章夫准教授ゼミと合同でフィールドワークを実施。「真逆の雰囲気といえる近藤ゼミと接するのは、新しい発見と牧野ゼミを客観的に見直せる良い機会。でも何より楽しいんです」(ゼミ生たち)