ゲームは社会の縮図(経済学部 奥山利幸ゼミ)

2007年07月09日

経済学の奥深さと面白さ

奥山ゼミの授業の進め方は、道場にでも例えられるでしょうか。2時限の授業の前半は2年生対象の『ゲーム理論』、後半が3年生対象の『経済理論』。前の週に提示されたテーマについてゼミ生は予習をして授業に臨みます。「授業は先生が司会をしながら、ゼミ生に質問する形で進みます」とゼミ長の近藤敬佑さん(3年)。奥山教授から次々に出される質問に対し、時には一人で時には相談しあって答えます。理解度を測りながら、奥山教授が再び絶妙に問いかけ、問答は続きます。

この日のテーマは『ゲーム理論』が「部分ゲーム完全性」、『経済理論』が「公共財」でした。ゲーム理論は複数の意思決定主体が、“戦略”を持ち“利得”を目指すゲーム的状況を通じて論理的に考える理論。突き詰めれば高度な数学知識が求められる奥深いものです。2年生が取り組んでいるのは、その入り口。この日は展開図をさかのぼる後方帰納的推測を試みました。「論理的に複雑なことを考えるところが面白い」と小高拓実さん(2年)。既に学んできた先輩の3、4年生は、先生とのやりとりで学びを深める2年生を見守りながら復習します。

「達成感を得るには努力が必要。厳しく質問することもあります」と話す奥山教授ですが、「分からないところがあれば、そこまで降りてきて丁寧に教えてくれます」と立川大晃さん(4年)。眼鏡の奥に伺われる奥山教授の優しい眼差しが、師たる思いを語っています。

「公共財」では、高速道路を例に取り上げディスカッションしました。奥山教授の話は概念のみならず、真の需要価格を知るための方法としてノーベル経済学賞を受賞したビックリーの「第2価格入札方式」にまで話題は膨らみました。経済学の面白さ、奥深さを盛り込みながらゼミ生の経済学への関心を高めていきます。

  • 奥山教授(右)から、次々に質問が飛びます
  • 時に展開図を板書し、ゲーム理論を学びます

アカデミックに引き寄せる

大きな自信を培える奥山ゼミ

大きな自信を培える奥山ゼミ

前期に基本を学ぶ「ゲーム理論」のテーマも、後期では応用となります。身近な問題や社会的なシステムを「ゲーム理論」を通して考察するトレーニングです。その一方で比重が高まるのが論文作成です。

ゼミ生は、授業とは別にそれぞれのテーマで2、3年生は進級論文、4年生は卒業論文を作成します。疑問が生じたり、行き詰まった時には奥山教授が研究室で優しく迎えてくれます。「論文のテーマ選びや計画は自分で立てます。先生の要求は高いのですが、もちろんヒントもくれます」と仲佐曜子さん(3年)。3年間をかけ、自分で選んだテーマを突き詰めます。

奥山教授自身の研究テーマは、市場のミクロ分析。交渉、オークション、マーケットマイクロストラクチャーなどをキーワードに研究を行っています。「高校までは吸収する"学び"でも十分ですが、大学では問題意識を持って自ら疑問を掘り起こしてもらいたい」と奥山教授。身近なことから社会・環境・国際の事象まで捉えられるのが経済学の醍醐味。「(ゼミ生の)興味をアカデミックに引き寄せたい。理論自体まで踏み込んで学んでもらえれば、もっとうれしい」と話します。

ゼミのOBは金融機関や一般企業、公務員、研究者など幅広い分野で活躍しています。大手印刷会社に内定を得ている伊東政宏さん(4年)も「きちんと勉強するゼミです。就活のプレゼンテーションでも『ゲーム理論』を学んだことをアピールできました」と話します。論理的に自分の考えを発表し、綴ってきたゼミでの体験は、学生たちの大きな自信になっていきます。