国連と平和(法学部 長谷川祐弘ゼミ)

2007年11月19日

国際情勢を分析、考察する

長谷川ゼミでは「国際平和と開発」、「国連」などをテーマに、現在2、3年生合わせて19人のゼミ生が学んでいます。長谷川教授は37年の長きにわたり国連職員として、カンボジア、ルワンダ、ソマリアなどの開発援助や国連平和維持活動に注力してきました。2004~6年には東ティモール担当の国連事務総長特別代表の要職を務め、本学へは2007年4月に就任。また、この9月には同国大統領から特別顧問に任命されました。

まだ1年目のゼミですが、結束は抜群。毎週のテーマ決定などもゼミ生が自主的に行っています。「先生には理論と実践に基づいて貴重なコメントをいただきます。長年、国際現場に携わってこられただけに理論、エピソードとも、とても深みあるものです」と加納真史さん(2年)

来年度から学ぶゼミを選んでいる1年生のための公開ゼミでもあった同日の授業では、まず、前半にグループ発表を行いました。「人間の安全保障」(human security)という日本やカナダが外交政策として推進している概念の現状をレポート。国際情勢に照らして考察、討議しました。

後半は、約20万人のアフリカ系住民が殺害され、約250万人の難民が発生したスーダンのダルフール地域における内紛の映像資料をテキストに、『スーダン政府』側と『UN』側に分かれディベートを行いました。深刻な人道状況を受け止めつつも、ディベートという形をとることで、武力衝突の背景にある宗教的、歴史的、社会的な認識の差異を学生たちはしっかりと感じ取り、議論していました。

  • 長谷川ゼミの研究内容を紹介するパンフレット
  • ゼミ授業の様子。白熱した討論が展開されます

ゲストから生きた知識を学ぶ

ラモス・ホルタ東ティモール大統領や国連職員と記念撮影

ラモス・ホルタ東ティモール大統領や国連職員と記念撮影

長谷川教授の授業やゼミでは、国連や在日外国公館、外務省などから、ゲストスピーカーを招いた講演会をしばしば行っています。「当事者の生の話を通して、生きた国際機関を学んでほしい」との長谷川教授の思いからです。先生の紹介はあるものの、ゲストへの講演依頼や、打ち合わせもゼミ生が担当しています。「国際舞台の第一線で活躍される方々との折衝・調整はとても勉強になります」と渉外担当の平野恭子さん(3年)。国際政治が学びたいと今年、他学部から転部し熱心に学ぶ学生です。

活発なゼミ生たちは7月に本学を会場にして開催された平和構築シンポジウム「東ティモールの選挙の結果と今後の動向について」(主催:本学ボアソナード記念現代法研究所)の運営に協力してあたりました。ゲストには、井上健氏(国連統合ミッション・ガバナンス(UNMIT)部長)、鈴木勝也氏(日本政府東ティモール選挙監視ミッション団長)、脇坂紀行氏(朝日新聞論説委員)、滝崎成樹氏(外務省総合外交政策局国連政策課長)、ドミンゴス・サラメント・アルベス氏(東ティモール民主共和国全権大使)をお迎えし、参加者からも活発で鋭い質問が飛び交い有意義なシンポジウムとなりました。

また、8月末から9月中旬にかけ、ゼミや他ゼミの有志10数人でインドネシアと東ティモールを訪問。現地の国連事務所や学校など各種施設、地域開発プロジェクトの現場などを視察しました。東ティモールでは長谷川教授も合流。「現地での先生のVIP待遇には改めて驚きました。同行した私たちも貴重な体験ができました」と古市美奈さん(2年)は話します。

“教育”へとライフワークを転じた長谷川教授、後進を育てる意欲満々なだけに、学生たちの積極性に目を細めます。「知識を蓄え、語学などの能力を高め、私以上に国際社会で活躍できる人材になってほしい。そのためには、もっともっと学んでほしい」とゼミ生たちを日々、鍛えています。また、長谷川ゼミでは、法政大学大学院の長谷川教授のクラスを聴講している院生なども随時毎週のゼミに参加、また年数回行われる国内合宿への他ゼミ生などの参加を募っているなど、とてもオープンな活動を行なっています。