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学生ひとりひとりの興味と関心を伸ばし「心の働き」を本格研究(文学部心理学科 吉村浩一教授ゼミナール)

2012年04月11日

2~4年生まで、各学年10人ほどが在籍している吉村教授のゼミ。学生が自分たちで探してきた最新論文を読む講読も行っている

2~4年生まで、各学年10人ほどが在籍している吉村教授のゼミ。学生が自分たちで探してきた最新論文を読む講読も行っている

「見る」「聞く」「感じる」心が及ぼす影響を解明

「ものを見ること」と「心の働き」の関連を研究する認知心理学が専門の吉村浩一教授。しかし曽田彩夏さんが「心理学の細分化された学問領域にとらわれず、私たちが興味や関心、疑問を感じたことから自由に選んだテーマを研究させてもらっています」と語るように、様々な視点から「心の働き」に興味を持った学生が、吉村教授の下で個人研究を進めています。
趣味の似顔絵を描くうちに、顔の左右非対称性に興味を持ったという田中桂太郞さんは「顔ガクガク錯視(眼と口のパーツを上下に増やすことで、視線がぶれているかのように写真が動いて感じられる視覚的錯覚)」を研究しています。昨年から学内でモデルを募り、撮影した顔写真に加工を施した画像を準備してきました。「顔以外の視覚的な刺激では見られない『ガクガク顔』現象を調べることで、人が人間の顔を見た時だけに行っている特別な情報処理過程を解明したい」と意気込みます。

後列左から、農本可南子さん(3年)、田中桂太郎さん(4年)、三輪知世さん(3年)。前列左から、曽田彩夏さん(4年)、吉村浩一教授、森治正勝さん(3年)。

後列左から、農本可南子さん(3年)、田中桂太郎さん(4年)、三輪知世さん(3年)。前列左から、曽田彩夏さん(4年)、吉村浩一教授、森治正勝さん(3年)。

色が人の心に与える影響に興味を持ち、知覚を専門とする吉村ゼミを選択した森治正勝さんは、「その時に見ている色によって、聞いている音の高低に変化があるように感じる現象を調査しています。物理的な判断に、心がこれほど影響を及ぼしていたのかと驚いています」と話します。
「昨年の東日本大震災では、自分の身の安全よりも他人を助けることを優先し、命を落とした方々のニュースに深い悲しみを覚えました」という農本可南子さん。「この『愛他行動』を卒論のテーマに検討中です。先例研究があまりないので苦労はすると思いますが、取り組みがいのあるテーマだと感じています」と話します。

「顔ガクガク錯視」研究の進捗状況を報告する田中さん

「顔ガクガク錯視」研究の進捗状況を報告する田中さん

中学生のころ心理学に興味を持ち、カウンセラーに憧れて心理学科に進学した三輪知世さん。「心理学といえば心理テストやカウンセリングを連想していたのですが、いざ大学に入ってみたら心の反応を数値化する実験や、統計学の勉強など、理系の要素がとても多い」と心理学科の思わぬ〝洗礼?に驚いたそう。しかし「これから恋愛対象を選ぶ際に、拒絶されないように容姿や性格も含め自分と同程度の魅力を持つ相手を選ぶ〝マッチング現象?の調査を行います。初年次に数学への苦手意識を克服し、しっかり身に付けた統計処理のスキルが、この調査で大いに役立ってくれると思います」と、これまでの勉強の成果に自信を持っているようです。
吉村教授は「心理学では机上で考えるだけでなく、実際の調査・実験を踏まえて答えを導き出します。その過程で必要となるのが、データの統計処理など数学的なスキル。この能力は社会でも必要不可欠なものですから、しっかり身に付けて欲しい」と学生にエールを送ります。