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情報セキュリティーの研究に従事
情報科学部コンピュータ科学科 教授 尾花 賢

2015年06月18日

プロフィール

情報科学部コンピュータ科学科 教授 尾花 賢

情報科学部コンピュータ科学科
教授 尾花 賢(Satoshi Obana)

1971年神奈川県平塚市生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科電気電子工学専攻博士課程修了。工学博士。大手電気機器メーカー勤務を経て、2012年法政大学情報科学部に着任。ネットワーク上のデータを安全にやりとりするための暗号と情報セキュリティー技術を研究。強固な情報漏えい対策により、安心して利用できるネットワーク社会の実現を目指している。

暗号技術を駆使して安心して利用できるネットワーク社会をつくりたい

情報の安全性を保証し技術を早く社会に届けたい

大学院に入学したとき師事した先生の影響を受けて、すでに20年以上、暗号と情報セキュリティーの研究をしています。どうにも不器用で、一つのことを突き詰めて掘り下げたい性格なので、この分野の奥深さは魅力ですね。いくら勉強しても足りない、やればやるほど面白いと妙味を感じています。

14年ほど企業に勤めた後、2012年に法政大学の教員になりました。当然のことですが、企業では利益に直結する技術を優先して開発することが求められます。でも私はもっと研究に没頭したり、教育を通じて後進を育成したりすることに挑戦したいと思ったのです。

IT(情報技術)は進化が早い。データやコンピューターをネットワーク上で管理するクラウドシステムも、かつては企業や大学での研究のためだけに活用されていたのに、今では一般的に広まっています。しかし、ユーザーが自発的にそうしたわけではなく、いつの間にか仕組みが変わっていて、よく分からないまま使っているというのが実情だと思います。

一方で、多くのデータがクラウド上に集約されてくると、こっそり情報を盗んで悪用しようと考える人も出てきます。情報を漏えいさせない対策として、暗号技術は欠かせません。クラウドに保存されたデータは、誰も判読できないように、暗号を使って保護されるべきだと思います。

しかしそれでは、大事なものを金庫にしまって寝かせておくのと同じです。暗号化された状態のままデータを集計し、処理できる技術があれば、安全性は脅かされずに、情報活用の可能性が広がります。そのための理論を研究し、開発を目指しているわけです。

インフラの整備を考えると、この技術の実用化には時間がかかるでしょうが、将来的に有益な技術だと信じて、研究にまい進していきたいですね。

ジャズピアノの演奏やアウトドアで気分転換

バンドメンバーたちとのライブ演奏。即興でのセッションを、和気あいあいと楽しんでいる

バンドメンバーたちとのライブ演奏。即興でのセッションを、和気あいあいと楽しんでいる

ジャズが好きで、ライブハウスなどで知り合った仲間たちとバンド演奏を楽しんでいます。皆さん本業もあって忙しいので、集まって練習することもなく、演奏する曲もその場で決めるような自由なスタイルですが、今のメンバーとは月1回程度のペースで、15年近く続けています。

バンドではピアノを担当していますが、もともとはエレクトーンを弾いていて、ピアノ演奏は独学なんです。バンドメンバーには以前プロとして活躍していた人もいるので恐縮ですが、ジャズ好きの仲間として一緒に楽しめる、気さくな雰囲気がうれしいですね。

所蔵しているジャズアルバムも、正確には数えていませんが数千枚はあると思います。近ごろはキース・ジャレットやブラジルのジャズピアニストのイリアーヌ・イリアス(Eliane Elias)の曲をよく聴いています。

自宅周辺をサイクリングするときに使用している愛車のロードバイク

自宅周辺をサイクリングするときに使用している愛車のロードバイク

気分転換をしたいときには、外に出かけます。出身が神奈川県平塚市で、海が近くにあったせいか、自然の中にいたほうが頭がスッキリするんです。学生時代も、海岸で論文を読んでいたりしました。

小金井キャンパス付近に海はないので、近くの小金井公園まで自転車を走らせることもあります。ノートパソコンと携帯できる無線ネットワーク環境、資料の閲覧やレポートの添削に活用している「デジタルペーパー(※)」があれば、外でも仕事はできますから。芝生の上にシートを敷いて、折りたたみ式のローデスクをセットし、あぐらをかいて没頭する。天気のいい日には、そんなモバイルオフィス環境に身を置いて、頭を活性化させています。

秘めている力を表に出して自分をアピールしてほしい

研究室に集う学生たちとも、気さくに交流している

研究室に集う学生たちとも、気さくに交流している

法政大学の教壇に立つようになってまだ3年ですが、研究室に出入りしてくる学生たちとは、積極的に交流するようにしています。

小金井キャンパスの学生だけとは限りませんが、理系の学生は総じて物静かでおとなしい印象がありますね。とても真面目で、潜在的には高い能力を持っているのに、それを強く主張するのが恥ずかしいのでしょうか。目立たないように、自分の思いを外に出さないようにする傾向が見受けられます。

卒業して社会に出たら、おとなしいだけではやっていけません。しんどい思いをするかもしれないと心配になりますし、何よりもったいないです。

学生のうちは、失敗を恐れなくてもいいので、思い切って前に出てみてほしいですね。自分の殻を破って、持っている力を惜しまず発揮してみたら、大きく飛躍できると思っています。

※ソニー株式会社が開発した、軽量で持ち運びしやすいA4サイズの電子ペーパー。開発には法政大学も実証実験モニターとして協力した。

(初出:広報誌『法政』2015年度5月号)