HOME > 法政を知る・楽しむ > 法政ピックアップ > 教員紹介 > 2015年度 > 文学部心理学科 教授 越智 啓太


犯罪捜査に心理学の手法を応用
文学部心理学科 教授 越智 啓太

2015年05月28日

プロフィール

文学部心理学科 教授 越智 啓太

文学部心理学科
教授 越智 啓太(Keita Ochi)

1965年神奈川県横浜市生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻博士前期課程修了。1992年から警視庁科学捜査研究所研究員として勤務。臨床心理士の資格も取得。東京家政大学文学部助教授を務めた後、2006年に法政大学文学部心理学科助教授。2008年より現職。デートバイオレンスやストーカー犯罪者の行動予測や虚偽の見破りなど、警察の捜査に密接に関わる研究を続け、犯罪の抑制に貢献している。

犯罪心理研究もプライベートも自ら体験しながら追求したい

興味から起こした行動が今へ続く道となった

人生の転機を作った高校時代

人生の転機を作った高校時代

好きなことを好きなだけ楽しんでいたら仕事になって、今がある。その幸運には、とても感謝しています。

高校時代までは勉強に興味が持てず、成績は最低でした。そんな日常が大きく変化したきっかけは、クイズ王を目指したことでした。

当時、クイズに勝ち抜けば米国に行けることで人気を集めていたテレビ番組があり、青春の思い出に挑戦してみたくなったのです。出るからには勝ち抜きたいですから、あらゆる雑学的な知識を暗記し始めました。それが、結果的に授業の復習に通じていたのです。知識が増えるほどに成績も上がり、大学に進学したころには、すっかり勉強の楽しさに目覚めていました。専攻していた心理学はもちろん、他の学科の授業まで聴講していたほどです。肝心のクイズ番組には、チャンスを得られなくて出場できませんでしたが(笑)。

科捜研時代にも学会で研究を発表

科捜研時代にも学会で研究を発表

大学院修了後に科学捜査研究所(科捜研)に勤めたのも、推理小説が好きだったことがきっかけです。シャーロック・ホームズのような卓越した名探偵が活躍する物語より、エド・マクベインの「87分署シリーズ」など、人間味あふれる登場人物たちがチームを組んで事件を解決していく警察小説が好きでした。そこから警察に興味を持ち、就職先に選んだのです。警察職員になるために必要な公務員試験は科目数が多く、さまざまな一般知識が問われます。この点でも、クイズ好きだったことが自分の強みに働きました。

研究の場所を大学に移した現在は、犯罪捜査のプロセスに心理学の手法を応用して、犯罪を未然に防ぐ手がかりを探るべく研究を続けています。一例を挙げれば、ストーカー被害に遭わないようにするにはどうしたらいいか。その答えを求めて、過去の事例や証言から得たデータを分析し、犯罪行為をしてしまう人の行動パターンを予測したり、被害に遭う危険性の確率を計算したりするわけです。警察に関連した研究が多く、今でも密接なつながりがあるせいか、研究室には将来警察関係に勤めたいという希望を持っている学生も多いですね。すでに幾人もの教え子たちが全国の科捜研で働いています。

旅行やクルージングでそこに居てこそできる体験を満喫

凝り性で、やりたいと思ったことは好奇心の赴くままに行動してしまうところがあります。乗り物好きが高じて、1級小型船舶の免許を取得しました。海に出たくなったときには、所属しているクラブから船をレンタルし、東京湾でクルージングを楽しんでいます。

まとまった休みが取れたときの楽しみは旅行ですね。日本国内は、もう少しで47都道府県をすべて巡れます。訪れた思い出を形に残しておきたいので、寺社に立ち寄って御朱印も集めています。

その土地ならではの名物を味わってみたいので、駅弁やご当地ドリンクなども、見つけると買ってしまいます。写真を撮ってコレクションとして楽しんでもいるので、現地以外で手に入れたものも含めると100種類以上は食べていると思います。記憶の中でベストワンの駅弁を挙げるとすれば、明石の「ひっぱりだこ飯」でしょうか。タコつぼに見立てた陶器に明石タコと季節の野菜のうま煮、炊き込み飯などが入っていて、見た目も味も一推しですね。横浜出身なので名物の「シウマイ弁当」も推しておきます。蒸気でご飯を炊き、俵型に小分けするなど、冷めても美味しく食べられる工夫があるのです。

世界を肌で感じて思い切り楽しんでほしい

遺跡を巡り、世界の異文化に親しんでいる。写真はインカ帝国の遺跡として世界遺産に登録されている「マチ ュ・ピチュ」を訪れたときのもの

遺跡を巡り、世界の異文化に親しんでいる。写真はインカ帝国の遺跡として世界遺産に登録されている「マチ ュ・ピチュ」を訪れたときのもの

海外旅行も好きです。小学生のときに図鑑の裏表紙に載っていたエジプトの「アブ・シンベル大神殿」の写真を見て、そのスケールの大きさに驚きました。いつか自分の目で見てみたいと憧れ続けて、20年ほど前に現地を訪れて夢をかなえました。それから南米アンデス山麓にある「マチュ・ピチュ」やカンボジアの「アンコール・ワット」など世界各地の遺跡を訪れたり、現地での暮らしぶりが感じられる市場などを歩いたりして、日本では味わえない異文化を楽しんでいます。

そんな自分の体験から、学生たちにもぜひ海外を旅して異文化に触れ、見聞を広めてほしいと思っています。パックツアーへの参加でも構わないので、ガイドブックを手に、実際に体験してみてほしい。好きなことに一生懸命になって、とことん追求できる環境が大学には整っています。その時間を有効に使って、4年間を満喫してもらいたいですね。

(初出:広報誌『法政』2015年度4月号)