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趣味が高じて研究者へ
法学部政治学科 教授 木村 正俊

2015年03月05日

プロフィール

法学部政治学科 教授 木村 正俊

法学部政治学科
教授 木村 正俊(きむら まさとし)

1961年東京都生まれ。1985年東京大学理学部天文学科卒。1988年同大学法学部政治学科卒。1994年オックスフォード大学現代中東研究修士号取得。1997年東京大学法学政治学研究科政治学専攻博士課程単位取得満期退学。1998年立教大学法学部助手。2000年法政大学第二教養部助教授。2003年同大学法学部助教授。2004年より現職。

革命と国際政治を軸に中東の政治と社会を追う

ロックとの出会いから中東への関心が高まる

レバノン南部にあるヒズボラの拠点。この後、頭脳警察のファンであることが役立つことになる事態が発生した

レバノン南部にあるヒズボラの拠点。この後、頭脳警察のファンであることが役立つことになる事態が発生した

中東の政治と国際政治学を専門としています。母の記憶によれば、私は小学校1年生のときに、安保条約について担任に質問していたそうで、当時から漠然と政治的な問題に関心があったのかもしれません。ただ、中東に興味を持ったきっかけは、中学校くらいから趣味として聴くようになったロックです。日本のロックでは「頭脳警察」と「裸のラリーズ」というロックバンドが好きで、いろいろ調べているうちに、中東問題やその地域で起こる事件などに関心を抱くようになっていったのです。

とはいえ、国語が苦手だったため大学は理系を選択しました。天文学科に進みますが、その間も岩波の「世界」を愛読するなど、国際情勢への興味は深まる一方でした。そこで国際政治学者の坂本義和先生の講義を受けることを最大の目的に、卒業後に学士入学で法学部三類(政治コース)に入り直し、中東の政治や国際政治についての研究をすることにしました。

革命が国際政治に及ぼす影響を冷静に分析したい

中東研究を学ぶために留学したオックスフォード大学のセント・アントニーズ・カレッジ

中東研究を学ぶために留学したオックスフォード大学のセント・アントニーズ・カレッジ

もともとパレスチナ問題に関心がありましたので、イギリスの委任統治時代のパレスチナの分析から研究を始めました。現在は、湾岸諸国の外交と、革命が国際政治に与える影響について関心を持っています。国際政治の世界では、革命や革命勢力はアブノーマルな存在として排除される傾向があるように思われます。例外的な存在とみなさずに、むしろ国際政治における重要なアクターと考えて国際政治を分析すれば国際政治の理解が深まると思われます。

中東では第二次大戦後、革命と解釈できるクーデターによる体制変動がしばしば生じました。中東の革命の中で今でも重要なのは1979年に生じたイラン革命でしょう。革命によって誕生したイラン・イスラーム共和国は湾岸地域やアラブ世界にだけでなく、アメリカにも影響を与えることになります。最近では、イラク戦争後のイラク内戦や、シリア内戦などをきっかけにして生まれた「イスラーム国」という革命勢力が大きな力を持つようになっています。

これまで、パレスチナ解放運動が中東地域における革命を目指していたとする観点から、その動きが中東や国際政治にどのような影響を与えたかなどについて研究してきました。今後はイラン革命やパレスチナ革命などと比較しながら、「イスラーム国」を革命勢力とみなして、それが中東の地域秩序や国際政治に与える影響について考察をしたいと思っています。

学業でも趣味でもとことん突き詰めてほしい

通称「オリオンの三ツ星」が輝く京都大学西部講堂。ある種のロックファンにとっては聖地であり、関西方面に行くときには、必ず足を運ぶ

通称「オリオンの三ツ星」が輝く京都大学西部講堂。ある種のロックファンにとっては聖地であり、関西方面に行くときには、必ず足を運ぶ

趣味は小学校以来ロック音楽とサッカー観戦です。オフタイムの過ごし方も学生時代と基本的に変わっておらず、本屋やCDショップを巡るか、ライブハウスやサッカースタジアムに通っています。ヨーロッパサッカーのファンで、録画したものの観られていない試合がたまっています(笑)。

誤解を恐れずにいえば、私にとってサッカーやロックは、研究活動と同一の平面上にあります。中東や国際政治の話をするのも、好きなアーティストを語り合うのと同じ感覚なのです。ただ、教育に関して意欲的に取り組んでいるつもりです。自分が勉強して蓄えた知識を学生と共有できるという楽しさが、大きなモチベーションになっています。

大学と大学院に計14年間在籍し、そのまま大学に就職したため、大学以外のことはよく知りませんが、学生の皆さんには、自分の好きなことを、とことん突き詰めていってほしいと思います。私も研究とロックとサッカーのどれか1つを突き詰めるべきだったのかもしれません(笑)。

私が多くを教わったロックから、メッセージを贈ります。ヒントなしで分かる方はいるでしょうか?

木村教授から 学生の皆さんへのメッセージ 赤と青(1)のメッセージ)

皆さんはハロー(2)と言って大学で多くの人と大学で出会うと思います。大学では忙しくて助けてくれ!(3)と叫びたくなるつらい日の夜(4)もあるでしょう。そんな時は、友人たちからのほんの少しの助け(5)があれば太陽が顔を出して(6)私たちはうまくやっていくこと(7)ができます。卒業後のための乗車券(8)をしっかり獲得して長く曲がりくねった道(9)を歩んでください。それでは、グッドバイ(2)

(1)赤盤・青盤と呼ばれるビートルズのベストアルバム2枚組に収録されている曲のタイトルを織りまぜたメッセージです。(2)『Hello, Goodbye』(3)『Help!』(4)『A Hard Day's Night』(5)『With A Little Help From My Friends』(6)『Here Comes The Sun』(7)『We Can Work It Out』(8)『Ticket To Ride』(9)『The Long And Winding Road』

(初出:広報誌『法政』2014年度1・2月号)