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「まちづくり」を通して将来の在り方を模索
現代福祉学部福祉コミュニティ学科 教授 岡﨑 昌之

2014年10月09日

プロフィール

現代福祉学部福祉コミュニティ学科 教授 岡﨑 昌之

現代福祉学部福祉コミュニティ学科
教授 岡﨑 昌之(おかざき まさゆき)

1945年岡山県生まれ。
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。(財)日本地域開発センター企画調査部長、月刊「地域開発」編集長を経て、1994年福井県立大学教授。2001年法政大学現代福祉学部教授。専攻は地域経営、地域開発。著書に「地域経営」「都市・地域経営」「市民社会とまちづくり」など。趣味はスポーツ(特に若い頃からサッカー、現在は乗馬)。また、地方の廃村、廃線、廃校などの現場に立ち、栄えていた往時の賑わいを想起しつつ、これからの国土の在り方を考えている。

都市にはない生活スタイルや豊かさに魅せられて

大学・学部を超えて幅広い専門分野の学生と交流

沖縄県読谷村にて“読谷ムラおこし研究集会”、清成元総長も同席した。一番右が本人(1979年11月)

沖縄県読谷村にて“読谷ムラおこし研究集会”、清成元総長も同席した。一番右が本人(1979年11月)

大学では経済学を専攻しました。当時は高度経済成長期で、急速に発展する一方で公害や人口の都市集中、交通混雑など、都市生活に影響を及ぼす社会問題が取り上げられ始めた頃。もともと都市問題に興味を持っており、経済だけでなく建築や社会など幅広く研究する必要があるのではないかと思っていたときに出会ったのが磯村英一先生の「都市政策」講座だったのです。

「関心があるなら仕事を手伝わないか」と声をかけられ、東海道メガロポリス調査に携わったり、海外の研究書を翻訳したり。さらには建築、土木、政治学など学部・学科を超えて都市問題研究会を立ち上げたり、東京大学、東京工業大学など他大学の学生とも共同研究をするなど、どんどん輪が広がっていきました。

ニセコ町「山間過疎国際プログラム」にて。オレゴン大学ヒバート教授(右)、スイス山岳支援センター(SAB)ヴィーデル博士(左)(2000年5月)

ニセコ町「山間過疎国際プログラム」にて。オレゴン大学ヒバート教授(右)、スイス山岳支援センター(SAB)ヴィーデル博士(左)(2000年5月)

その後、地域・都市・環境など国土政策全般にわたる調査研究を目的とした財団に就職。北海道池田町、岩手県遠野市、大分県湯布院町、島根県隠岐、沖縄県八重山地域などを調査する中で、都市にはない多様な社会的価値、生活スタイル、豊かさを持つ「地域」に興味対象が移ってきたのです。

地元の人たちとさまざまな視点から意見を出し合いながら、将来を模索する研究の過程で用いた「まちづくり」「まちおこし」といった言葉が、今では普通に用いられるようになりましたね。そう思うとなかなか感慨深いものがあります。

「日本は小さい」「田舎は貧しい」という既存概念を打ち壊す

福島県喜多方市高郷町 小土山集落の皆さんと(2014年7月)

福島県喜多方市高郷町 小土山集落の皆さんと(2014年7月)

私は学部1年生の授業も担当していますが、最初の授業で必ず行うことがあります。日本とヨーロッパの同じ縮尺の地図を用意し、その長さを測らせるのです。北端の北方領土から西端の与那国島まで、日本の国土は約3000キロメートル。ヨーロッパの地図で同じ距離を測ると、スウェーデンのストックホルムからポルトガルのリスボン近くまで多くの国をまたぎます。「日本は小さい国」という認識は、間違った思い込みです。それぞれの地域の価値観や生活スタイルを尊重し「まちづくり」につなげる必要があるということを、まず認識して欲しいと思います。

法政の学生をはじめとする今の若い人たちは、上の世代とコミュニケーションする機会が少ないようです。そこで力を入れているのが、「コミュニティ・スタディ実習」です。現代福祉学部の30~40人の学生が、全国13地域に出かけ約2週間滞在するというもので、現地の大人と話し、触れ合うことを重視しています。地域の人たちには見慣れた当たり前のものが、学生の目には新鮮に映り、地域が奥深いものだと気付くのです。学生には、こういった体験を通し、既存概念を壊してほしいと思います。この経験は社会に出てから必ず役立ちます。12月初旬に報告会を行うのですが、足を運んでくださる方も多く、いい関係が築けていると自負しています。

「住んで良かった」と思えるまちづくりを

愛馬キアーロと

愛馬キアーロと

スポーツ全般が好きです。特にサッカーは、最高のスポーツだと思います(笑)。高校生のころからずっと続けていて、仲間とチームを作り、休みの日にはグラウンドを走り回っていました。還暦を機に、やり残したスポーツは? と考え、始めたのが乗馬です。体力もつけなければなりませんが、馬とのコミュニケーションを取るのが楽しくて、今は時間をつくって馬場に通っています。

「観光地化し、人を呼び込むのがまちづくり」だと考えている人もいるかもしれませんが、それぞれの地域に住む人が日常生活をきちんと送っていることが本当のまちづくりです。どこかのやり方をまねしても成功しません。「住んで良かった」に足るまちにする、そのために長いスパンで自立的なまちづくりを考える――長年まちづくりに関わってきた私の実感です。来年定年退職したら、今まで関わってきた地域に何度も足を運んでみたいですね。

(初出:広報誌『法政』2014年度9月号)