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自分の人生は自分で切り開く!
情報科学部ディジタルメディア学科 教授 善甫 康成

2013年10月24日

プロフィール

情報科学部ディジタルメディア学科 教授 善甫 康成

情報科学部ディジタルメディア学科 教授 善甫 康成

情報科学部ディジタルメディア学科
教授 善甫 康成(ぜんぽ やすなり)

1956年広島生まれ。
1980年広島大学理学部物性学科卒。
1985年同大学大学院理学研究科博士後期課程修了後、住友化学工業高槻研究所入社。1990年同社筑波研究所副主任研究員計算材料科学チームリーダー。イリノイ大学物理学科客員研究員として派遣後、1996年同社同研究所主席研究員。法政大学工学部物質化学科非常勤講師、核融合科学研究所客員助教授、法政大学情報科学部ディジタルメディア学科非常勤講師などの兼務を経て、2009年より現職。

チャレンジ精神あふれる学生が集う刺激的な研究室にしたい

思い切った行動でチャンスを切り開く

大学院では理論物理で博士号を取得し、素材メーカーに就職、半導体の実験グループに所属しました。最先端の部署でしたが、理論物理を先行していた私にはもっと効率の良い方法があるのではないかと考えるようになりました。数年後、水素ガスの中で結晶を成長させる気相成長の実験中に、ガスの流れをきれいにする必要が生じ、計算機シミュレーションを担当することになりました。これがきっかけで、計算物理に強い魅力を感じるようになっていきました。

そんなとき、筑波に新たに研究所を設立するという話を聞き、チャンスと思った私は思い切って部長や研究所長に数理解析を行う研究室の開設を提案。そして結果的に私の理想の研究環境を手に入れることができました。

イリノイ大学留学中に知り合った研究者(ノースカロライナ大の教授)と10年後に再会。しばし当時を懐かしむ

イリノイ大学留学中に知り合った研究者(ノースカロライナ大の教授)と10年後に再会。しばし当時を懐かしむ

当時の素材メーカーでは分子レベルの解析が中心でしたが、材料を扱うためにはバルク(固体)として解析することが必要でした。そのためにはパワーのある計算機とそれを使う技術が必要となり、イリノイ大学で1年半研究することにしたのです。その後、かつて世界一の速度を誇り、産業利用が解禁された「地球シミュレータ」を利用したり、全社の科学技術用の大型コンピュータの運用を請け負ったりしながら、自ら仕事がしやすい環境を整えていきました。

多くの企業の場合、研究職であっても年齢が進むとマネジメントの割合が高くなるものです。私は常々現役の研究者でいたいと思っていました。50前後から将来の自分の進む方向を考えていましたが、53才のときに縁あって法政大学に移ることになりました。

勉学にスポーツに充実した学生時代

学生時代のレガッタ大会で優勝した時の一枚

学生時代のレガッタ大会で優勝した時の一枚

実は、高校時代の私は医師志望でした。ところが、体調を崩して入試に失敗し、浪人中にも入院を余儀なくされたことで、図らずも将来をじっくり考える時間が持てたのです。その結果、物性物理で理論を追求できる分野を選択しました。

とはいえ、大学入学当初はあまり興味を惹かれるような授業はありませんでした。転機が訪れたのは2年次の秋、固体物理の入門編のような授業を受けていたときのことです。あまり教え方が上手でない先生で(失礼!)、生意気にも自分の方がまだマシと思っていましたが、ある日の授業で、いつものように先生が話していた時です。突然、先生の言いたいことが理解でき、「物理ってこんな世界なのか」ということが分かったのです。それまで嫌だったものが面白くなり、結局、研究者の道を歩むことになりました。何がきっかけになるか分からないものです。

学生時代の駅伝大会終了後のスナップ。右端の女性は後の奥さま

学生時代の駅伝大会終了後のスナップ。右端の女性は後の奥さま

勉強や研究ばかりしていたわけではありません。理論物理専攻というと、インドアなイメージを持たれがちですが、私のいた研究室では、夏の学内レガッタ大会、冬の駅伝大会には必ず参加し常勝するなど、キャンパスライフも謳歌していました。

何にでも興味を持つのは研究者の性分

休日に最も時間を費やすのが「修理」。工作が得意なこともあり、家電製品などは、部品を注文して自分で直します。車でもボディの板金はもちろん、休日を何日間も使ってシャシーの調節をしたこともあります。何でも直してしまうので、家族は買い換えたくてもできないとやや不満気です。あれこれ興味を持っていじってしまうのは、研究者の性分なのでしょう。

西館のGBC(ガラス箱オフィスアワーセンター)※で、研究室の学生たちに研究に関しアドバイスをする

西館のGBC(ガラス箱オフィスアワーセンター)※で、研究室の学生たちに研究に関しアドバイスをする

学問のほうで今、最も興味を持っているのは、次世代有機ELをはじめ光に関する研究です。光の研究は企業にいたときから続けていて、どんなテーマにも魅力を感じます。物理学はメカニズムを追求する学問ですが、実験物理と異なり、論物理や数値シミュレーションは、たとえ失敗しても実験機器等に大損害を与えることはありません。初めての挑戦に対するハードルが低いこともあり、さまざまなテーマを温めています。

現在、私の研究室には3人の学生がいます。今後、チャレンジ精神にあふれた学生にどんどん入って来てもらい、刺激的な研究室にしたいですね。

※情報科学部ガラス箱オフィスアワーセンター(GBC):小金井キャンパス西館1階にある全面ガラス張りのスペース。情報科学部の学生が講義や課題、学生生活について上級生や教員、臨床心理士の資格を持つ相談員に相談できる。