OB・OGインタビュー(2017年度)

ワタナベエンターテインメント所属 お笑いコンビ「ブリリアン」 徳田浩至さん

  • 2018年01月23日
OB・OGインタビュー(2017年度)

プロフィール

ワタナベエンターテインメント所属 お笑いコンビ「ブリリアン」 徳田浩至さん

ワタナベエンターテインメント所属 お笑いコンビ「ブリリアン」 徳田浩至さん

徳田浩至(Koji Tokuda)さん

1987年大阪府生まれ。2011年3月法政大学文学部英文学科卒業。在学中、体育会アメリカンフットボール部の主将を務める。ワタナベコメディスクールを卒業後、2016年10月にお笑いコンビ「ブリリアン」を結成。その直後にユニット「ブルゾンちえみ with B」としても活動を始める。

大学日本一の決勝戦で味わった快感を お笑いコンビでもう一度味わいたい

テレビ出演や地方の舞台、海外取材などで国内外を飛び回っている徳田さん。
努力を続ける原動力となっているのは、大学時代に厳しい練習をやり遂げたという自信です。

ブレークはしたけれど手応えを求めてさらに奮闘中

テレビ番組「地球の走り方」の現地レポーターを担当したブリリアン

テレビ番組「地球の走り方」の現地レポーターを担当したブリリアン

ボブカットにしたキャリアウーマン風の女性と、その後ろに立つ無口な二人のワイシャツ姿の男性をテレビでご覧になったことがあるでしょうか? 私は、そのお笑いユニット「ブルゾンちえみ with B」の金髪のメンバー、コージです。

ブルゾンちえみさんが僕たち「ブリリアン」と組んでくださったのは、僕たちの芸ではなく、二人そろって身長が182センチメートルあり、そこそこの外見をしているからでした。後ろに黙って立っていて、途中でワイシャツを脱ぐと聞いて、正直「これが笑いにつながるのかな」と思っていました。ところが、最初の舞台からお客さんは大爆笑。お笑いは自分が思っているよりもずっと幅が広い、自分の「方程式」にばかりこだわっていては駄目なんだと気付かされました。

出番が限られる上に、せりふも少ない引き立て役ではあるけれど、今の僕たちには、何が求められているのか、どうすればそれに応えられるかを考え、実践できる場となっていて、すごくいい勉強をさせてもらっています。皆さんに「ブレーク中」と言っていただけるのはうれしいのですが、実はそういう感覚は全然ないんです。むしろ、手応えを得たい、そのためにはもっともっと頑張らなければと思っています。ですから、忙しいのは全然苦になりません。休みなんかいらないし、家に帰る時間があったら、その分仕事をしていたいくらいです。

甲子園ボウルの快感がお笑いを目指すきっかけに

2009年甲子園ボウルの入場直前(背番号44)。この時「あの快感」を味わった

2009年甲子園ボウルの入場直前(背番号44)。この時「あの快感」を味わった

高校に入って、アメリカンフットボールに出合いました。小さい頃から大柄で、体当たりが性に合っていたのか、ルールどころか、ラグビーとの区別すらつかなかったスポーツにすっかりはまりました。

アメリカンフットボールは各ポジションに役割があって、がっちりした人にも、小柄な人にも活躍の場があるところが魅力です。ちなみに僕のポジションは、人に体当たりし、走りまくることから、最もアスリートに近いといわれるディフェンスのDE(ディフェンシブエンド)です。

大阪で生まれ育ちましたが、進学するなら東京にと思っていたので、迷うことなくアメリカンフットボールの強豪校である法政大学を選び、スポーツ推薦で入学しました。

高校の修学旅行でオーストラリアを訪ねて以来、英語をしっかり勉強したいと思っていました。そのため、スポーツ推薦入学者のためのコースは選択せず、一般入学試験で入学した学生と共にネーティブの先生の授業を受け、第二外国語でスペイン語も学びました。

体育会アメリカンフットボール部で、2年次を除いて計3回甲子園ボウル(全日本大学アメリカンフットボール選手権大会の決勝戦)に出場しました。特に4年次の甲子園ボウルは、主将でもあったし、「これ以上はない」というハードな練習を積み重ねた末に勝ち取った出場だったので、入場時に耳にした2万5000人の大歓声に鳥肌が立つほど興奮しました。

結果的に、そのプレーヤーとしての頂点が、人生の転換点になりました。「あの快感をまた味わうには何をすればいいんだろう」と考えるようになり、就職せずにフリーターに。そして自分なりに出した答えが、お笑い芸人だったんです。

何か一つをやり遂げれば自分に自信が持てる

最近夢中になっている一眼レフカメラ。仕事先での楽しみのひととき

最近夢中になっている一眼レフカメラ。仕事先での楽しみのひととき

卒業後に先が見えなかった時期も、芸人として先行きに不安を感じる今も、いつでも「何とかなる」と思えるのは、大学でアメリカンフットボールに全力で取り組んだ経験があるからだと思っています。

大学の4年間は、やりたいことをやる、見つけるために与えられた時間だと思うんです。スポーツにせよ、勉強にせよ、一つでいいから「これをやり遂げた」と自信を持てるものがあれば、その先の人生で大きな糧になる、そういう気がします。

海外取材では、通訳なしでも英語や片言のスペイン語でコミュニケーションがとれて、思いがけなく、かつての勉強が役立っています。また、筋力を競う番組やアメリカンフットボールを紹介する仕事のお話をいただくなど、最近は仕事で大学時代の経験を生かせる機会もあって、うれしい限りです。

今は、ブルゾンさんが得点源のチームでディフェンスに徹しています。でも、いつかはオフェンス側に回って自分で点を入れたい。そして、ブリリアンとして、自分たちのネタでお客さんから笑いを取ることで「あの快感」を味わいたいと思っています。

(初出:広報誌『法政』2017年度1・2月号)