OB・OGインタビュー(2016年度)

大成建設株式会社 法政大学55・58年館建替工事担当 ウィ・ジョンソン さん

  • 2016年07月19日
OB・OGインタビュー(2016年度)

プロフィール

8月の竣工に向けて作業が進む、55・58年館の建替工事現場にて

8月の竣工に向けて作業が進む、55・58年館の建替工事現場にて

ウィ・ジョンソン(Ooi Johnson)さん

1969年マレーシア生まれ。
工学部(現・デザイン工学部)建築学科卒業。大成建設に入社し、クアラルンプール営業所で建築現場の管理業務を担当。クアラルンプール国際空港、ポートディクソン火力発電所などマレーシア内外で多くのプロジェクトに携わり、サイトマネジャーとして、現場の管理を行ってきた。2015年3月からは、法政大学市ケ谷キャンパス55・58年館建替工事を担当。

法政での学びを礎として日本とマレーシアの懸け橋に

大成建設クアラルンプール営業所(マレーシア)に勤めるジョンソンさんは、クアラルンプール国際空港建設など数々のプロジェクトで現場の管理を担当。現在は日本に滞在し、市ケ谷キャンパスで行われている55・58年館建替工事に携わっています。

市ケ谷キャンパスで 工事管理を担当

大成建設クアラルンプール営業所の所内旅行にて

大成建設クアラルンプール営業所の所内旅行にて

マレーシア生まれのマレーシア育ちで、大成建設のクアラルンプール営業所に所属しています。

仕事の内容は、主に大成建設が施工している建築現場の現場管理。サイトマネジャーという立場で、安全管理、工程管理、品質管理という三つの面から現場の管理を行っています。

いろいろな現場を担当してきましたが、これまでに携わった中で一番大きなプロジェクトは1998年に開港したクアラルンプール国際空港のターミナルビルです。

その他にも、火力発電所や日系企業の工場改修など、さまざまな現場で仕事をさせてもらいました。何もないところから建物を立ち上げていくのは、やりがいがありますね。

仕事はマレーシアが中心ですが、昨年の3月からは日本に来て市ケ谷キャンパスで進められている55・58年館建替工事の現場に配属されています。8月の富士見ゲート竣工に向けて、作業は順調に進んでいます。母校の建物に携われるのはうれしいですし、やはり感慨深いものがあります。

この現場には作業所長の内馬場俊介さん(1995年工学部卒)、工事担当の弘瀬晶人さん(2015年デザイン工学部卒)と法政のOBが2人入っていて、一緒に仕事をしています。そして偶然なのですが、マレーシア営業所で今、所長をしている野田聡明さん(1981年工学部卒)も法政のOB。心強い、法政のつながりです。

美しい日本の四季と同期との交流が楽しみ

建築学科の同級生が出演した和太鼓演奏会での一枚

建築学科の同級生が出演した和太鼓演奏会での一枚

1994年に工学部建築学科を卒業し、その後はマレーシアで仕事をしてきました。昨年の3月に再来日しましたが、日本で暮らすのは20年ぶりのことです。

日本は、四季の移り変わりが美しいですよね。これは、マレーシアにはありません。休日には公園へ花見に行ったり、紅葉を見に行ったり、日本の四季を楽しむようにしています。

そのほか、建築学科の同期との交流が楽しみです。卒業してからもずっと仲良くしている同期の友人たちがいて、私がマレーシアにいたときはマレーシアまで遊びに来てくれたりしました。

今は私が日本にいるので、そうした同期と会いやすくなったのがうれしいですね。そのうちの1人が和太鼓をやっているので私も体験させてもらったりして、同期との交流を楽しんでいます。

充実した教授陣に引かれ法政への留学を選択

同じく建築学科OBの55・58年館作業所長・内馬場俊介さん(左)、工事担当・弘瀬晶人さんと

同じく建築学科OBの55・58年館作業所長・内馬場俊介さん(左)、工事担当・弘瀬晶人さんと

日本は、世界の先進国。日本に興味を持っている若者は、マレーシアにたくさんいます。私もその一人で、日本に留学して日本が先進国になったポイントを見たいと思っていました。そして、留学先の学校を調べているときに知ったのが法政です。法政は伝統があって、施設が充実していて、有名な学校。すぐに興味を持ちました。

最終的に三つの大学に合格したのですが、決め手になったのは優れた先生方がそろっていたことです。法政の建築学科の礎を築かれた大江宏先生は大変有名な方ですし、後にゼミでお世話になることになる故・武者英二先生、陣内秀信先生など、法政には優れた教授がたくさんいます。それで、「この大学で勉強したい」と思ったのです。

その期待は、間違っていませんでした。設計、構造のことなど、先生方に教わって今の仕事に役立っていることがたくさんあります。

ただ、勉強は厳しかったです。建築学科は、課題が多いんですね。今はCADというコンピューターのソフトウエアを使って製図をしますが、当時はまだCADがない時代。課題のために夜遅くまで手描きで線を引いていたのが今となってはいい思い出です。

日本人の友人もたくさんできましたが、留学生同士の交流があるのもうれしかったですね。法政には中国、韓国、タイなどいろいろな国から留学生が来ていて、学部を超えて交流がありました。生活で困っていることを相談したり、お互いの国の料理を作って振る舞ったり、一緒に旅行に行ったり。留学生活の支えになってくれました。

在学中の皆さんに言いたいのは、大学生活には自由があるということ。勉強もその他のやりたいこともしっかりできる自由がありますから、この自由を大事にして楽しい大学生活を送ってほしいと思います。

また、法政は留学生が学びやすい大学です。もっと留学生に来てもらって、母国と日本を結ぶ懸け橋になってもらえればうれしいですね。2020年東京オリンピック・パラリンピック大会関連のプロジェクトがあるので、私は2020年まで日本にいる予定。私もマレーシアと日本との懸け橋になれるよう、頑張ります。

(初出:広報誌『法政』2016年度5月号)