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ラグビー日本代表 サントリーラグビー部「サンゴリアス」所属
日和佐 篤 さん

2016年03月23日

プロフィール

サンゴリアスのホームグラウンド「サントリー府中スポーツセンター」にて

サンゴリアスのホームグラウンド「サントリー府中スポーツセンター」にて

日和佐 篤(Atsushi Hiwasa)さん

1987年兵庫県生まれ。
現代福祉学部現代福祉学科卒業。5歳のときからラグビーを始め、中学時代にスタンドオフから現在のポジションであるスクラムハーフに変更。高校では主将、法政大学ラグビー部では副主将を務めた。現在は、サントリーのラグビー部「サンゴリアス」に所属。2011年4月に日本代表に選出されてから、2度目となるワールドカップ2015でも、日本の勝利に貢献。今後も活躍が期待されている。

冷静な試合運びに闘志を秘める世界で活躍するラガーマン

幼いころからラグビーに没頭し、卒業後も実業団で楕円(だえん)球を追う日和佐さん。
日本代表として出場したラグビーワールドカップ2015でも勝利に貢献し、今後も活躍が期待されています。

素早いパス回しを生かしてチームを動かす司令塔

在学中に、日和佐さんが練習していた多摩キャンパスのラグビー場

在学中に、日和佐さんが練習していた多摩キャンパスのラグビー場

ラグビーを始めた5歳からずっと、楕円球を追う毎日を送っています。

ラグビーは、スクラムを形成する8人のフォワードと、ボールをゴールラインへ運んで得点を狙う7人のバックス、計15人がチームを組んで戦います。私のポジションはフォワードに最も近いバックスで、「ボールの出発点」といわれるスクラムハーフ。フォワードがスクラムで獲得したボールを味方にパスして、攻撃へとつなげる役割です。身長があまり高くない私が戦える場所はどこだと考えたときに、自然とこのポジションを選択しました。

手にしたボールを得点に結び付けるために、味方の陣営を見極めて、切り込む場所を判断し、素早くパスを回す。強気で攻めるプレーが自分の持ち味だと思っているので、自分のベストパフォーマンスが常に出せるように、究めていきたいんです。

ラグビーワールドカップ2015で、日本は24年ぶりの勝利をつかみました。実は、試合前から自信があったんです。エディー・ジョーンズ氏が日本代表チームのヘッドコーチに就任してから、4年間をかけて入念に準備し、チームを作り上げていたからです。

代表選手の誰に聞いても同じことを言うと思いますが、試合よりも練習のほうがずっとしんどいんです。へとへとに疲れて、体が思うように動かず、判断力も鈍るような状態になるまで走り回りました。そうした極限的な練習を何度も繰り返していると、試合中に何が起ころうと自然に体が動き、瞬時に判断が働くようになります。体がプレーを覚えるんですね。

肉体と同時に、心の強化にも時間をかけました。チーム全員がマインドセット(心の持ち方)を学び、どんな状況でも自分の役割を果たし、やるべきことをやれば勝てるという信念が備わりました。それだけの周到な準備と、過酷な練習を積み重ねた自信を持って大会に臨めたからこそ、南アフリカなどの強豪国にも臆せず、いい試合ができたのだと思っています。

ラグビー日本代表になることは、幼いころからの夢でした。それが現実の目標に変わったのは大学時代。当時コーチをしてくれた中瀬さん(法政大学出身で東京ガスのヘッドコーチも務めた中瀬真広氏)から、日本代表になれるかもしれないよと励まされたことで、思いが強くなったんです。

2011年に日本代表に選ばれ、長年の夢をかなえることができました。次のワールドカップでも日本代表になって、これからも世界で通用するプレーをしていきたいと思っています。

家族と過ごす時間と海釣りで気分転換

海が好きなんです。子どものころは、淡路島によく遊びに行っていました。学生時代も、休みに海に行って、素潜りをして遊んだり、魚を捕って食べたりしていました。今は、磯辺で釣りをしながら家族でのんびり過ごすのが、いい気分転換の時間になっています。

日本代表に選ばれると、海外遠征や合宿などで家を空ける期間が長くなるので、家にいるときは娘と一緒に遊ぶなど、しっかり父親ができるように心掛けています。でも、3歳になる娘は活発で、数時間遊び続けるので、夏場の公園は少々こたえました(笑)。

体が資本ですから、栄養バランスを考えて料理をしてくれる妻には感謝しています。太りやすい体質なので自分でも気を付けてはいますが、家族のサポートは本当にありがたいですね。

目標を設定し、そこに向かって努力することが大切

素早いパス回しを武器に、大学ラグビーでも活躍

素早いパス回しを武器に、大学ラグビーでも活躍

高校時代の恩師(法政大学出身で報徳学園ラグビー部監督の西條裕朗氏)の勧めで、法政大学に進学。多摩キャンパス近くの寮に入って、大学ラグビーに打ち込んでいました。

当時の部員は100人前後だったでしょうか。現在サントリーでチームメイトの成田さん(成田秀悦選手)が当時4年生にいて、同じスクラムハーフだったので、どうしたら勝てるだろうと考えながら、レギュラーを目指して練習に明け暮れていました。

大学祭などの学校行事はほとんど参加できなかったので、一般的な大学生活とはかけ離れていたかもしれません。でも、いい仲間たちと出会えました。卒業してラグビーから離れた仲間もいますが、試合を観に来てくれたり、一緒に飲みに行ったりして、今でも交流を深めています。

後輩の皆さんには、スポーツでなくても、自分なりに打ち込める目標を見つけてほしいですね。時には悩んだり、人からアドバイスを得たりしながら、目標に近づいていく過程がすごく大事だと思うのです。一つの目標を達成したら、また次の目標を設定して、そこを目指して進んでいく。そうやって自分を高める努力を続けていくと、充実した学生生活が送れると思います。

(初出:広報誌『法政』2015年度1・2月号)