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株式会社日立ソリューションズ 執行役員 富永 由加里さん

2012年03月21日

プロフィール

株式会社日立ソリューションズ 執行役員 富永 由加里さん

株式会社日立ソリューションズ 執行役員 富永 由加里さん

富永 由加里(とみなが ・ゆかり)さん

1958年愛媛県生まれ。1981年工学部経営工学科卒業。
同年日立コンピュータコンサルタント(現日立ソリューションズ)入社。
1994年SEとして「リシテア」の商品開発を開始。
2007年同社初の女性本部長に就任。
2011年より現職。

人財の多様性を生かし企業の成長を目指す日立グループ国内初の女性執行役員

100年以上の歴史をもつ日立グループで国内初の女性執行役員として業界内外から注目を集めている富永由加里さん。大手企業を中心に820社以上で採用されている就業管理システム「リシテア」の開発に企画段階から関わり、シェアNo.1に押し上げるなど、現場時代から現在に至るまで、常に業界をリードする存在として活躍しています。

原点は学生時代の経験

株式会社日立ソリューションズ 執行役員 富永 由加里さん

株式会社日立ソリューションズ 執行役員 富永 由加里さん

――将来を見据えて入学した経営工学科。授業や研究室、課外活動でのあらゆる経験が富永さんの今日につながっています。

私は当時としては珍しく、「女性も将来は仕事を持ち、経済的にも精神的にも自立した大人に育ってほしい」という家風で育ったため、進学に際しては自分が将来どのような仕事をしたいのかを真剣に考えました。実家が製造業を営んでいたことで生産管理に興味を持ち、大学は経営工学科に進学しました。授業や研究内容が仕事に役立っていることは言うまでもありませんが、それ以外に自分の考え方に影響を与えたのは課外活動での経験です。所属していた経営工学研究会では、男女の垣根なく意見交換できる環境だったため、勉強の傍ら何度も夜を徹して人生観などを語り合いました。地方出身者が多く、物事のとらえ方や「常識」も多種多様。各人の違いを認め、尊重しながら人間関係を築くことの大切さを身をもって学びました。それは会社のマネジメントを行う現在でも、私の基本姿勢となっています。

成長の秘訣はチャレンジし続けること

本学在学時、経営工学研究会の仲間たちと。後列左端が富永さん

本学在学時、経営工学研究会の仲間たちと。後列左端が富永さん

――入社後、25歳で結婚し、29歳で出産。システムエンジニアとしての現場時代は、仕事と育児の二足のわらじを履く生活でした。

産休明けから子どもの手が離れるまでの10年間、仕事においても育児においても至らないと思う部分が多く、常にもどかしさを感じていました。だからこそ、限られた就業時間の中でも自分を成長させるために、常にワンランク上の仕事にチャレンジするよう意識してきました。
「リシテア」の開発もそうでした。当時、パッケージソフトとしての就業管理システムの開発は前例のないプロジェクトだったため、修正を重ねながら手探りで進めざるを得ませんでした。なかなかうまくいかず、お客さまに怒られたこともありますし、部下と共に休日返上でデータの修正を行ったこともありましたが、システムエンジニアとしてもチームリーダーとしても、大きく成長できたこの上ない経験でした。

大切なことは、たとえ思うような結果が出なくてもあきらめずに試行錯誤を続けること。次第に経験値が上がることで視野も広がり、次のステージを目指せるようになります。それは現在に至るまで変わらない自分の姿勢であり、かつ、部下の育成においても心掛けていることです。各事業部の部長たちにもよく話すのですが、部下のことをよく見ているつもりでも引き出されていない能力があるかもしれない。それを引き出すには、まず権限と責任を与えて任せてみる。たとえ部下が失敗してもフォローするのが上司の役目であり、力量が問われるところ。そのようにして上司も部下とともに成長していくものなのです。
最近の若い人たちはとても賢く、何事も効率的に進めます。それはそれで良いことですが、逆に言えば、できないと思ったことは積極的にやりたがらない傾向にあります。成功するかしないかではなく、できないと思ったことにチャレンジする過程で成長していくのだと私は思っています。それは個人においても企業においても言えることです。

新たな時代を築く一助となる

他社と合同で実施した「女性社員座談会」にて

他社と合同で実施した「女性社員座談会」にて

――執行役員として、自社の経営に関わるとともに他社の女性役員たちと協力し、企業の垣根を越えた職場環境づくりにも力を入れています。

現在の業務は、顧客企業やパートナー企業と当社との連携を深める仕組みづくりを行うとともに、ダイバーシティ・マネジメント(人材の多様性を組織の競争力の源泉として生かすための取り組み)にも力を注いでいます。社員間はもちろん、他社の女性役員と情報交換をしたり、座談会や講演会を開催するなど企業の垣根を越えたプロジェクトも行っています。各企業がダイバーシティを重視するようになった背景には、グローバル化が急速に進行している社会状況があります。今日のビジネスは国内のみで完結するものではなく、価値観の異なる海外の人々とゴールを共に目指して事業を創り、軌道に乗せることを前提とするようになりました。そうしたグローバル競争の中で勝ち残り、社員と企業が成長していくには、国籍や性別、バックグラウンドをはじめ、思考や発想に至る社員の多様性をもとに新たな価値を生み出す環境を整えることが不可欠なのです。現在の私に求められているのは、そのような変化を会社にもたらし、新たな時代を築く一助となることだと思っています。