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株式会社 宝島社 編集者 下村 綾子さん

2011年06月13日

プロフィール

株式会社 宝島社 編集者 下村 綾子さん

株式会社 宝島社 編集者 下村 綾子さん

下村 綾子(しもむら・あやこ)さん

1980年 神奈川県生まれ。
2002年 文学部日本文学科卒業。
2002年 (株)宝島社に入社。
ガイドブック『このミステリ-がすごい!』、
新人賞『このミステリーがすごい!』大賞
シリーズ全作品などの編集を担当。

株式会社 宝島社 編集者 下村 綾子さん

株式会社 宝島社 編集者 下村 綾子さん

年一回発行されるミステリー小説のランキングブック『このミステリーがすごい!』。今や単行本の売れ行きにも大きな影響を与えています。その編集を担当しているのが宝島社の下村綾子さん。『このミス』大賞出身の作家、海堂尊さんの担当編集者としても活躍し、その人気を支え続けています。

思い続けたこと、それが結果につながる

挑戦を歓迎する社風が自分に合っている、と話す下村さん

挑戦を歓迎する社風が自分に合っている、と話す下村さん

――アルバイトとして採用された宝島社で、今は第一線の編集者として活躍する下村さん。とにかく「出版社に入りたい」と思い続けていたと振り返ります。

絵や文章を書くのが好きで、将来は創作に関わる仕事に就きたいと思っていましたが、漠然としたものでした。「本を作りたい」と就職活動を始め、大学を卒業してからも続けていました。

そのころ雑誌で見つけたのが、宝島社のアルバイト募集の告知。ムック本や書籍編集をする部署で、運良く仕事に就くことができました。3年間アルバイトとして勤務した後に、正社員の求人募集にあらためて応募。一般の応募者に交じって採用試験を受け、正式に社員として採用されました。

『このミス』の影響力の大きさを実感する日々

国内・海外のミステリ-から読者が選出した作品ベスト10を発表

国内・海外のミステリ-から読者が選出した作品ベスト10を発表

――『このミス』のランキングに入った作品が全国で話題になり、映画化されることも少なくありません。反響の大きさは、やりがいと責任を大きくします。

『このミス』は作家の皆さんにも喜んでいただいています。普段はあまり取材を受けていただけない作家さんが「このミスさんじゃ、仕方がないな」とおっしゃってくださり、20周年記念本の出版にあたっては、お写真を掲載させていただくことができた、といったこともありました。読者の方はもちろん、作家の方にまで認めていただく充実感は、何ものにも代えがたいものです。

『このミス』から発展したのが、『このミステリーがすごい!』大賞。こちらでは新人発掘を続けて10年になります。海堂尊さんもこの賞から世に出られた作家の1人。選考に残った『チーム・バチスタの栄光』を初めて手にしたときは、とにかく面白くて、一気に読んでしまいました。「これは話題になる」と直感しましたね。この作品が、私が入社して担当した初めての単行本になりました。それ以来、海堂さんとは担当編集としてお付き合いさせていただいています。海堂さんのエッセイなどによく登場する、いじめ役の編集Sは一応、私です。実際はやさしく接していると、この場で言わせてください(笑)。

『このミス』は創刊24年目。当初はマニアックなファンの方が多かったのですが、現在では、より幅広い層の方々からも支持されるようになりました。昔からのファンも大事にしたいし、新しいファンも増やしたい。そうした葛藤もありますが、最終的には『このミス』らしさからブレないようにと心がけています。マニアックな追求心、新しいものを見出す喜びを『このミス』らしく伝えていけば、通の方にも一般の方にも受け入れられると思っています。

学生時代のさまざまな体験は、「面白がる精神」を育んでくれた

――のびのびと好奇心を追求できる環境で、授業では先生方から刺激を受け、サークル活動では自主映画の製作に熱中しました。

法政大学は魅力的な先生が多く、特に中沢けい先生の講義は、以前に先生の著書を読んでいたこともあり、初めて作家ご本人を目の前にしてとても感動しました。

サークルでは自主映画の製作と、その機関誌の制作に夢中になりました。当時、竣工間もないボアソナード・タワーで作業をしたことも思い出深いですね。

法政大学は自由な雰囲気に満ちていて、やりたいことがあれば挑戦してみればいいと自然に思えるような環境でした。どんなときも自ら楽しみを見つけ、面白がる。学生時代に身に付いたその精神は、現在の仕事に生きています。面白いものを見出し、面白い企画に仕立てる。学生時代と同じように、今は宝島社の自由な社風が私を成長させてくれています。

大胆な表紙のデザインも、下村さんが「これでいく」と決断。下村さんが手がけるミステリーのランキング&ガイドブック『このミステリーがすごい!』と、最近刊行した文芸誌『オール・ミステリー』。表紙は2009年から黒猫探偵“ニャームズ”が飾る。(『このミス』出身作家の書き下ろし作品も掲載)

大胆な表紙のデザインも、下村さんが「これでいく」と決断。下村さんが手がけるミステリーのランキング&ガイドブック『このミステリーがすごい!』と、最近刊行した文芸誌『オール・ミステリー』。表紙は2009年から黒猫探偵“ニャームズ”が飾る。(『このミス』出身作家の書き下ろし作品も掲載)