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キングレコード株式会社第二クリエイティブ本部 制作部 制作第二グループ チーフディレクター 湯浅 順司さん

2011年04月08日

プロフィール

キングレコード株式会社第二クリエイティブ本部 制作部 制作第二グループ チーフディレクター 湯浅 順司さん

キングレコード株式会社第二クリエイティブ本部 制作部 制作第二グループ チーフディレクター 湯浅 順司さん

キングレコード株式会社第二クリエイティブ本部 制作部 制作第二グループ チーフディレクター 湯浅 順司さん(ゆあさ・じゅんじ)さん

1982年東京都生まれ。
法政大学第二高等学校から、経済学部経済学科に入学。
2005年に卒業し、キングレコード株式会社に入社。
アニメ部門を経て入社4 年目の2008 年から、JPOP
部門の現部署に所属。
AKB48以外に植村花菜も担当し、「トイレの神様」(2010年)の制作も担当した。
現在は、AKB48の専属ディレクターとして忙しい日々を送る。

AKB48の活動を起爆剤にしてCDそのものの売り上げを伸ばしたい

キングレコード株式会社第二クリエイティブ本部 制作部 制作第二グループ チーフディレクター 湯浅 順司さん

キングレコード株式会社第二クリエイティブ本部 制作部 制作第二グループ チーフディレクター 湯浅 順司さん

秋葉原を拠点とした地域アイドルから、今や、全国区のトップアイドルへと成長し、歴代のCD売上記録を次々に塗り替えている「AKB48」。CDの制作を担当するチーフディレクターが、湯浅順司さんです。彼女たちの“ガチなすごさ”をもっと世の中に知ってもらいたい――この情熱がAKB48の幅広い活動を支えています。

CD・DVD制作をはじめ、イベント全般をプロモート

さいたまスーパーアリーナでの「Beginner」全国握手会イベントでの前説。約13,000人のお客さんを前に。

さいたまスーパーアリーナでの「Beginner」全国握手会イベントでの前説。約13,000人のお客さんを前に。

――2008年、AKB48の獲得に乗り出します。

秋葉原の専用劇場で、彼女たちのライブを見たときの感動は今でも忘れられません。当時の私はアニメ部門に所属しており、参考程度に見に行ったのですが、従来のアイドルにはない手を伸ばせば届きそうな距離感、会場の一体感…。それらすべてが衝撃的でした。

それからまもなく、念願のJ│POP部門に異動することになりました。そこでAKB48の獲得を上司に強く進言しました。ライブ以来、彼女たちのすごさをもっと全国の人たちに伝えたいと思っていたからです。自分なりのプロモート戦略を胸に、2008年夏に交渉が成立。10月にはシングルを出すことができました。

このCDの発売と同時に、福岡、大阪、名古屋、東京でイベントを行い、その結果、CD売上はそれまでの約2倍になり、オリコンでも3位にランクインしました。こうした戦略が功を奏したのか、地方でも人気が出てきて、昨年10月にはAKB48の18枚目のシングルで、日本では3年2カ月ぶりとなるミリオンセラー(100万枚の売上)を達成することができました。

“ガチ感”を大切にして新しいアイドル像を作る

京セラドームでの、「Beginner」全国握手会イベント。最近では1 枚のシングル 発売にあわせて、全国7カ所を回る。

京セラドームでの、「Beginner」全国握手会イベント。最近では1 枚のシングル 発売にあわせて、全国7カ所を回る。

――じゃんけんでCDの曲を歌うメンバーを決めるなど、ユニークなプロモーションを行っています。

センターで歌うメンバーをファンの投票で決める「総選挙」や、シングル曲を歌うメンバー16人を決める「じゃんけん大会」など、たしかにこれまでのアイドルやアーティストでは考えられないことをやっています。歌えないメンバーがいるアイドルグループなんて聞いたことがないでしょう(笑)。ですから、レッスンもみんな真剣ですし、時にはけんかにもなります。しかし、そういう部分も含めて等身大の彼女たちを見せていこうというのが、AKB48のプロモーション戦略です。

こうした方向性は、すべて秋元康総合プロデューサーが決定するわけですが、それを具体化するのが私たちスタッフの役割です。AKB48のコンセプトは「会いに行けるアイドル」。身近な存在のアイドルとして、地方にも積極的に出かけますし、メンバー同士の競い合いもオープンにします。そんな〝ガチ感.を大切にしながら、新しいアイドル像を作っていきたいのです。

iPodなどのデジタルオーディオプレーヤーの普及で、全体的にCDの売り上げは落ち込んでいます。レコード会社に身を置く人間としては、ジャケットや関連グッズなども含めて、「実体のあるモノ」としてのCDやDVDの魅力を高めていきたいと考えています。これは、AKB48のチーフディレクターという役割を超えた音楽人としての抱負でもあります。

勉強にバンド、アルバイト…ダブルスクールも経験

湯浅さんが手がけたAKB48のCD

湯浅さんが手がけたAKB48のCD

――学生時代は、軽音楽サークルに所属しバンド活動やアルバイトにも打ち込んでいました。

高校1年生でギターに夢中になり、3年間バンドにのめり込みました。大学入学後も多摩キャンパスの軽音楽サークル「よせがに」に所属。サークルで20くらいのバンドを組み、学外のバンド活動もやっていましたが、胥鵬先生のゼミなど勉強もアルバイトも手を抜きませんでした。

ただ、将来のことはあまり考えてこなかったため、周りが就職を意識し始めるころになって、やや焦りを感じたのは事実です。そこで3年生からは授業が終わると、八王子から原宿まで出て、専門学校の作曲家コースで3.4時間学ぶダブルスクールを1年間続けました。

作曲を真剣に学んだことで自分のやりたいことが明確になりました。単に曲を作って提供するだけでなく、楽曲の方向性も含めて音楽を世の中に伝えたり、アーティストの魅力を広めていく仕事の方に魅力を感じるようになってきたからです。

4年生になるとレコード会社に絞って就職活動を開始。早くからマスコミを目指し、専門学校やマスコミ講座などで真剣に勉強した人たちから見れば、何をのんきなことを…と思われるかもしれませんが、なんとか希望通りの職種につくことができました。

これは、学生の皆さんにぜひ伝えたいのですが、大学の1.2年生のうちは、何でもいいから好きなことにとことん打ち込んだ方がいいと思います。3年生くらいから将来のことを具体的に考え始め、決めたら今度はそこに向かって突き進めばいいのです。

現在、休日は年間5日くらいしかありませんが、大学4年間も本当に忙しく過ごしてきましたから、つらいとは感じません。学生時代に思い切り楽しんだからこそ今があるわけで、皆さんにも「自由」を大切にする法政での日々を楽しんでほしいと思います。先輩として応援していますので、頑張ってください!!

 (雑誌「法政」2011年3月号より)