法政フォトジャーナル(2016年度)

ボランティアセンター学生スタッフが伴走ボランティア入門講座を実施し、バンバンクラブの定期練習会に参加しました

  • 2017年02月17日
法政フォトジャーナル(2016年度)

2016年12月15日に市ケ谷ボランティアセンター主催でボランティアセンター学生スタッフ(VSP)が「伴走ボランティア 入門講座」を実施し、2017年1月14日に行われたバンバンクラブの定期練習会に参加しました。

伴走の楽しさ、基礎知識を学ぶということを目的に伴走ボランティア入門講座を実施し、20名の学生が参加しました。
今回お呼びした二人の講師のうち一人は、目に障がいを持った方であったため、講座では伴走を「する」立場だけでなく、「される」立場からのご説明もしていただきました。例えば、目の前を自転車が通りかかろうとするとき、目の見えない方にとっては、それが右から来ようが左から来ようがあまり関係はありません。自転車が来るという事実を認識することが最も重要なのです。ですから伴走者は端的に周りの様子を伝えるために、本当に必要な情報を即座に選択することが重要になります。これは伴走に限ったことではなく、日常生活にも当てはまります。目の不自由な方と一緒に歩いている途中で、階段を使わなければならないとき、ただ「階段がある」ということを伝えるだけでは不十分です。上りなのか下りなのかということも忘れずに知らせる必要があります。これを学ぶことができたということが、この入門講座で最も大きなポイントになったのではないかと思います。

今回の講義の中では、実際に目が見えない状態を体験する時間を設けました。二人一組になり、片方がアイマスクをつけ、もう片方がロープで誘導して教室を歩く(伴歩)というものです。この体験で、参加者は身をもって見えないことの不安や誘導することの難しさを感じることができたと思います。

また、本講座を参加した内9名の学生が、2017年1月14日に代々木公園で実施されたバンバンクラブの定期練習会に参加してきました。バンバンクラブは障がいを持った方が伴走・伴走車とランニングやウォーキングを楽しむクラブです。
この定期練習会では具体的な伴走の仕方について、特にブラインドランナーへの言葉のかけ方について学ぶことができました。角を曲がる時や前方を人がふさいでいる時、坂に差し掛かる時などそれぞれの状況に合わせて、工夫しながら言葉を選ばなくてはいけません。たとえばコーナーを曲がる時は、その10メートル手前で「10メートル先、右へ曲がります」と声をかけ、曲がる直前になると「3、2、1・・・曲がります」といったように、数を数えて曲がるタイミングを伝えます。また坂に差し掛かる時、伴走者にとっては非常に緩やかと感じるような坂でも、目が見えない状態の中ではその微妙な地面の変化にも恐怖心を抱くことがあります。そのため、普段何気なく通り過ぎてしまうような緩やかな坂でも、事前にその存在を知らせ、ブラインドランナーに心の準備をしてもらう必要があります。このように伴走を行う上では、主観的に周りの状況を判断するのではなく、常にブラインドランナーの立場に立って起こりうる危険を察知することが求められるのです。この点は今後私たちが障がいを持った方と接するとき、大いに参考にすべきことであります。

以上のように、この入門講座と定期練習会では、伴走するうえで必要な知識、また目が見えないということはどのようなことかについて知ることができました。今後も障がい者に対する理解を促進する講座を実施していきたいです。

【ボランティアセンター学生スタッフ(VSP)】成田 大輝(法学部・政治学科2年)

入門講座で伴走に必要なものについて説明に受けている参加学生

入門講座で伴走に必要なものについて説明に受けている参加学生

アイマスクとロープを使い伴歩体験

アイマスクとロープを使い伴歩体験

バンバン倶楽部クラブの定期練習会に本学学生が参加し伴走している様子

バンバン倶楽部クラブの定期練習会に本学学生が参加し伴走している様子

定期練習会では入門講座で学んだことを実践した

定期練習会では入門講座で学んだことを実践した