法政フォトジャーナル(2016年度)

「謎解き×疑似体験から考える発達障害」を実施しました

  • 2016年07月21日
法政フォトジャーナル(2016年度)

6月30日(木)市ケ谷キャンパスで「謎解き×疑似体験から考える発達障害」と題して体験講座を実施しました。
発達障害の一種である自閉症に関しては68人に1人の割合で発症していると言われており、日常生活でも出会う可能性が高く、決して他人事ではない問題です。しかし、発達障害は、目で見ただけでは認知しづらく社会からの理解も得られにくい現状があります。そのため、今回の企画を通して、発達障害を疑似体験することで、少しでも理解を深め、発達障害をもつ人に対してどう向き合うべきか体験者全員で考えながら追求していきたい。そして、体験者1人1人が生活の中で発達障害をもつ人に対しての奇異の目を取り除き両者とも過ごしやすい環境を構築しつつ、これを契機として自分とは異なる人たちを理解するための第一歩を踏み出すことを目標としプログラムを企画しました。

今回は講師であるNPO法人ADDSさんと複数回打ち合わせを実施し、プログラムの内容を共に考案しました。参加者の皆さんには視野を狭くするゴーグル、集音器、触覚を鈍感にするための軍手を装着し、プログラムを体験していただきました。

1つ目のプログラムであるカルタは、器具を装着しているので相手が札を掴み取るのに苦戦している場合は札を奪い取っても良いなどの一般的なカルタとは異なるルールも考案し、障害をもっている人の不自由さを体感していただきました。
カルタの札は、学生スタッフが法政大学に関する内容で作り、参加者の皆さんからも高評価を頂きました。

2つ目のプログラムは、器具を装着した状態で二人一組になり、会場である526会議室から地下1階まで降り、自動販売機で飲み物を買ってくるという体験をしていただきました。参加者の皆さんはゴーグルを装着した状態で視野が狭いために、階段の上り下りや、自分が飲みたい飲み物を見つけるのに苦労しているようでした。

3つ目のプログラムは、器具を装着した状態で、ディクテーションを行いました。聞き取りやすい読み方と聞き取りにくい読み方の両方を実演することで、読み方によって聴きやすさがまったく違うことを感じていただきました。発達障害の方に対する接し方を学べたようです。

上記3つのプログラムを実施した後に、講師の方から講義をしていただき、講義では、発達障害に関する知識。例えば、どのような症状があると一般的に発達障害と言われるのか。また、私たち健常者が発達障害の方への関わり方を変えることでお互いが過ごしやすい社会になるという内容の講義をして頂きました。

今回の企画を通して、発達障害の方との接し方を学ぶことが出来ました。1年生3名でこの企画を担当したので、やり遂げることが出来るか不安でしたが、参加学生からは、「参加して良かった。」「また同じような企画をしてほしい。」という感想をいただき、今後も今回の企画のような体験型のプログラムを企画していきたと思います。

【ボランティアセンター学生スタッフ(VSP)】浅野 雄介(法学部・国際政治学科1年)、中野 実織(キャリアデザイン学部・キャリアデザイン学科1年)、喜治 将大(人間環境学部・人間環境学科1年)

学生スタッフが作成したカルタ

学生スタッフが作成したカルタ

器具を装着した状態でのカルタで不自由さを体感

器具を装着した状態でのカルタで不自由さを体感

自動販売機で飲料を購入

自動販売機で飲料を購入

器具を装着した状態で階段をのぼる

器具を装着した状態で階段をのぼる

ディクテーションの様子

ディクテーションの様子

講師による講義の様子

講師による講義の様子