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大学院公共政策研究科渡邊研究室所属の竹内秀樹さんが環境経営学会で最優秀賞を受賞

2015年06月19日

5月23日(土)・24日(日)に市ケ谷キャンパスで開催された「2015年度環境経営学会研究報告大会」において、本学大学院公共政策研究科 渡邊誠研究室所属の竹内秀樹さん(博士後期課程1年・株式会社バリューネット代表取締役)が修士研究をまとめた論文「管理された森林に於ける二酸化炭素収支の定量的検証 ―スギの種苗生産から原木・製材まで―」で最優秀賞を受賞しました。本学大学院から2年連続受賞の快挙です。

受賞論文において竹内さんは、森林育成の全プロセスで発生する二酸化炭素排出量を定量的に検証し、環境保全対策で総合的科学データを用いる重要性を論証。従来、環境保全対策のために用いられる二酸化炭素吸収量は、そのほとんどが育成林(人為的に管理・経営された林)を用いて測られた数値ですが、種苗から苗木生産、伐採、製材まで全プロセスにわたる二酸化炭素量の収支を統一的に評価した調査は先行研究がなく、環境保全とともに産業創出も期待されるとして、高い評価を受けました。

「私が代表を務める会社でカーボンオフセットクレジット(基準値以上の排出温室効果ガスを清算するための証明書)の販売を手掛けていることで森林の二酸化炭素吸収量に疑問を持ったことと、趣味である山登りで人工林が放置されている現状を目の当たりにし、豊かな自然を守る方法を考察したいという思いから、大学院に入学して研究を始めました。

研究は地球温暖化に対する国際条約・京都議定書の分析から始めましたが、当初は研究範囲が種苗にまで及ぶとは思っていなかったですね。もっとも難しかったのは、“何をスタンダードにするか”です。2週間に1度は趣味も兼ねて全国各地の山を調査していますが、森林の状態も育苗や製材の方法もさまざままだからです。

担当教員の渡邊誠先生に、文系脳だった思考を理工系的に鍛えていただいたことで、科学的な分析ができ、受賞につながったと感じています。また、論文の応募を勧めてくださった長谷川直哉先生にも深く感謝しています」

竹内さんはこのように受賞までを話し、博士課程では林道をテーマに研究。将来は北海道上川町のバイオマスによる環境保全・産業育成活動を参考事例に、「森林がそこに存在しているだけで価値を見出されるような産業を創出したい」と語っています。

また、受賞に関わった渡邊誠教授と長谷川直哉教授からも、次のようなコメントが寄せられています。

「ご受賞、おめでとうございます。長期履修制度を効果的に活用され、じっくり研究に取り組んだことで、意義深い研究結果が導かれましたね。博士論文も楽しみにしています」(渡邊教授)

「環境対策や社会活動のほか、政治や企業のCSR活動などにも影響が見込まれる、論文は産業界の方ならではの鋭い研究でしたね。ご受賞、おめでとうございました」(長谷川教授)

「まったく予想していませんでした(笑)」と受賞の喜びを語る竹内さん

「まったく予想していませんでした(笑)」と受賞の喜びを語る竹内さん

左から、渡邊教授、竹内さん、長谷川教授

左から、渡邊教授、竹内さん、長谷川教授

環境経営学会の後藤敏彦会長(左)から表彰状を手渡される竹内さん

環境経営学会の後藤敏彦会長(左)から表彰状を手渡される竹内さん

趣味も兼ねた山での調査は、今も2週間に1度、全国各地で行っている

趣味も兼ねた山での調査は、今も2週間に1度、全国各地で行っている