法政大学について

2005年度3月号 雑誌「法政」

興味津々…「多摩に愛着を抱き、「現場」思考のアプローチを」 野口貴公美(社会学部助教授)

◆専攻を決めたきっかけは?

――高校生の頃は、弁護士になりたいと思っていました。それで一橋大学の法学部に入って、2年生の時には、力試しのつもりで司法試験の第一次試験を受けたこともあります。でも、3年生で入ったゼミで憲法を勉強するうちに、資格試験合格を目指した勉強ではなく、法制度と実態との乖離(かいり)、法制度の背後にある考え方や将来の方向性などを考えることに興味を感じるようになったのです。結局、司法試験の第二次試験は1度も受験しないまま、大学院修士課程に進んで勉強を続けることにしました。

学部のゼミで学んだ住民参加、住民投票などの手続的権利保護といったことへの関心から、大学院では行政法を専攻しました。研究者志望ではなかった私が博士課程への進学を決めたのは、指導教官の原田尚彦教授・高橋滋教授に出会って、魅せられたように、「この素晴らしい先生方の下で、もっと勉強したい」と思ったからです。
住民の行政への参加ルートを、いかに効果的に確保すべきか、現状の法制度における問題点は何か、などについて試行錯誤しながら、アメリカの行政手続法・地方自治制度研究に取り組み、博士論文「アメリカ行政法における規則制定手続の制定と発展」を書き上げました。

◆どんな学生時代でしたか?

――中高一貫の女子高時代は、クラスメイトと作った演劇の自主サークルで、6年間、楽しく活動しました。大学では、新入生勧誘で熱心に誘われたオーケストラに入部。生まれて初めてビオラを手にしたのですが、何と一浪して一橋大に入った1歳上の兄も偶然、同じパートに…。辞めるわけにはいかなかったので、兄妹でいっしょにビオラを弾きました。
大学〜大学院時代は、自動車が趣味になって、あちこちに車を走らせることも、いじることも大好きでしたね。サークルでも、学部や大学院のゼミでも触発されたり、いっしょに頑張ったりできる、とてもいい仲間に恵まれました。

◆法政が初めての就職先ですか?

――1999年に大学院博士課程を終えて、一橋大から博士号をいただき、4月に法政の社会学部に着任しました。実は、私は人から何かを教わったり、自分なりに調べたりすることは好きでも、年下の人たちに教えることには苦手意識がありました。でも、初めて担当したゼミ生が、私の9歳下の妹と同じ年頃で、法政に弟と妹がたくさんできたような感じで、本当に楽しかったんです。新任の私が、法政に関して先輩の2年生の彼らに、いろいろなことを教えてもらいながら、なじんでいきました。

また、法政の社会学部では、多様なフィールドワークに取り組み、教員も学生たちも、「現場」思考で学びの場を形成していることに衝撃を受けました。私はそれまで、どちらかというと、文献や資料を「読む」ことが勉強の中心だったので、積極的にフィールドに飛び出し、そのプレゼンテーションも工夫してくる学生たちには感動したし、刺激されました。
それ以来、野口ゼミでは、「現場」思考を大切に、地方公共団体や政策作りの現場に学生自らが出向いて情報収集し、思考する過程を意識的に取り入れています。
私自身も、さまざまな仕事の現場に積極的に足を踏み入れて、その成果を研究に反映させていきたいと考えています。

◆着任後、6年が過ぎましたね

――小学2年の時から20年近く日野市で暮らし、大学は国立市、実家は武蔵野市という私にとって、多摩地域はとても愛着のある場所。しかも、勤務先は町田市の多摩キャンパスですから、抜群に居心地が良く、活気ある社会学部の雰囲気も、非常によくフィットしています。
着任した時から、すっかり“法政ファン”になってしまい、いつからか、「法政のOG?」と聞かれるほど、法政に惚れ込んでいる私にとって、今年の箱根駅伝復路初優勝は本当にうれしくて、かなり盛り上がりました。

●野口貴公美(のぐち・きくみ)
1971年北海道で生まれ、東京で育つ。1994年一橋大学法学部卒業後、同大学院法学研究科公法国際関係専攻修士課程に進学。同博士課程修了後の1999年4月本学社会学部社会政策科学科専任講師に着任。2001年同助教授。
現在、本学大学院政策科学研究科助教授および同地域研究センター専担所員。専攻は行政法、地方自治法。
研究テーマは、規則制定手続に関する日米行政法に関する研究、情報公開制度、個人情報保護制度、自治権に関する研究等。博士(法学)。
日本公法学会、日本都市住宅政策学会、日本自治学会、日米法学会等に所属。

 

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