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KAKEHASHIプロジェクトで法学部の派遣学生11名が米国の4大学を訪問しました

2014年12月08日

法学部学生11名が、社会学部学生12名とともに、国際交流基金が主催する日米学生交流プロジェクト「KAKEHASHI—The Bridge for Tomorrow」に参加し、11月5日から15日まで、アメリカ合衆国を訪れました。
今回派遣されたのは、東北大学、東京藝術大学、東洋大学、大妻女子大学、お茶の水女子大学、法政大学の6大学からあわせて約150名でした。

ニューヨーク総領事・大使公邸で草賀総領事・大使ご夫妻と

ニューヨーク総領事・大使公邸で草賀総領事・大使ご夫妻と

2013年秋に始まり、2015年3月までつづくこのプロジェクトは、日米、それぞれ、2300名の高校生・大学生(大学院生)に相手国を訪問してもらい、日米の相互理解を深化させるとともに、将来の日米交流の担い手となるべきグローバル人材の育成を推進することを目的としています。

Aチームのプレゼンー衝撃的な「前倣え」

Aチームのプレゼンー衝撃的な「前倣え」

法政大学は、現地では、3都市(ニューヨーク、ウエストポイント、シカゴ)・4大学(ラガーディア・コミュニティ・カレッジ、アメリカ陸軍士官学校、ノースイースタン・イリノイ大学、シカゴ大学)を訪れました。法学部では、一年生3名、二年生2名、三年生4名、四年生2名が2チームに分かれ、それぞれ、「Welcome to School in Japan」(A)、「Why don’t you visit Japanese countryside?」(B)についてプレゼンテーションを行ないました。

Aチームは、全員が高校時代の制服を身にまとい、朝礼から部活動まで、ある中学校の一日を再現しつつ、初等・中等教育が、勤勉、規律、他者への配慮など日本の中間層の徳目を育成する機能をもつことを紹介しました。Bチームは、ゆるキャラやB1グルメが、地域の人びとに自分たちの住むコミュニティの特質を再認識させ、その活性化に取り組んでいる様子を、豊富な画像を用いながら描いてみせました。

Bチームのプレゼンー遍在する神とゆるキャラ

Bチームのプレゼンー遍在する神とゆるキャラ

両学部の23名の学生たちは、7月のアメリカ陸軍士官学校の法政大学訪問を、同校の訪問学生が「日本滞在中もっとも楽しい一日であった」と感想をのべるほど、みごとな企画・運営を行なったあと、各学部に分かれて、11月の合衆国でのプレゼンテーションに向けて活動を開始しました。資料調査と分析、創意と工夫、いずれをとってもすぐれた内容の4つの報告の完成です。現地では、けれん味なくユーモアをまじえたどのプレゼンテーションについても、笑いと熱心な質問とを引き出しました。

ニューヨークでは、国連本部ビルとエリス島移民博物館も訪れ、合衆国と世界との関わり方の一端に触れました。世界の断片から形成されているニューヨークが「世界都市」であることを肌で感じたことでしょう。

ラガーディア・コミュニティ・カレッジーグループ討論のまえに、プレゼント交換

ラガーディア・コミュニティ・カレッジーグループ討論のまえに、プレゼント交換

ウエストポイントは、7月に法政大学を訪問した学生たちとの再会の場でもありました。また、到着日に行なわれたプレゼンテーションには、序列第二位の学部長以下多くの教官にも列席いただきました。翌日の学内視察では、まず、士官学校の歴史や教育制度についての講義を受けたあと、一人の学生ごとに士官学校生がガイドにつき、半日を費やしての案内となりました。三日目と四日目は、独立戦争の史跡や士官学校出身者が埋葬されている墓地、ウエストポイント博物館も訪れました。軍人の養成システム、軍人(候補生)の考え方や行動をつぶさに観察できた貴重な機会でした。
シカゴでは、JETROシカゴ支部を訪問し、その活動の実態や経済観についての講義を受けました。

ウエストポイントにてーアメリカ陸軍士官学校についての講義

ウエストポイントにてーアメリカ陸軍士官学校についての講義

学生たちは、勤労学生が多く学ぶ昼・夜間型の二つの大学、中西部の名門大学、士官養成学校を訪れたことにより、大学の教育制度の多様性に触れることができました。とりわけ、ラガーディア・コミュニティ・カレッジでは、日米の学生が4つのグループに分かれて、地域の活性化や教育制度等について、日本と合衆国との比較をするなど、二時間の討論を行ないました。diversityは、質疑や討論のなかで何度も使われていた言葉です。法政の学生たちは、かれら自身の口から出ていたように、アメリカの学生の多様性だけではなく、アメリカ社会の多様性・異質性についても関心をもったように思います。

ノースイースタン・イリノイ大学にてー「part-time jobはしないんですか」の問いに、「しないけど、full-time jobはしてるわ」の答え

ノースイースタン・イリノイ大学にてー「part-time jobはしないんですか」の問いに、「しないけど、full-time jobはしてるわ」の答え

「明日への架け橋」となることが、今回のプロジェクトのテーマです。学生たちは訪問した先々の大学で、アメリカ人の学生たちとすぐに仲良くなりました。そして、facebookなどで交流がつづいているようです。また、かれらは、他大学の派遣学生たちとも交流を深めました。それは、「架け橋」への第一歩です。しかし、同時に、学生たちは、それぞれ、「架け橋」とは何であるのか、どうすればその役割を果たせるのかについて思いをめぐらせていました。体験の大きさとくらべて、その答えを出せないもどかしさに戸惑いを覚えていた学生もいます。
しかし、学生たちは、自分を取り巻くさまざまな境界線—国境だけではなく、学部、大学、ジェンダー、階層、民族、人種などの境界線—があることを意識し、それを越えることが大切なのだと認識しはじめています。「架け橋」は、「異なる他者」がいることを認識し、それに配慮することなしには、作ることができないはずです。その点では、学生たちは、今回の訪問で、たしかな第一歩を踏み出しています。

シカゴ領事館での報告会レセプションー「夢の架け橋」

シカゴ領事館での報告会レセプションー「夢の架け橋」

今回のアメリカ合衆国訪問にかんして、主催の国際交流基金のみならず、実務的に派遣を企画・運営していただいたローラシアン協会(直接の窓口になってくださった同協会の南沙代子さんと、現地ガイドを務めてくださったジェイムズ・ローさんには記して感謝したい)、歓迎と送別のレセプションを開いていただいたニューヨーク総領事館とシカゴ領事館、法学部の学生についても親身にご指導いただいた吉村真子社会学部教授には、厚く御礼申し上げます。

文責:法学部教員中野勝郎(引率者)