特集 ~学生・修了生インタビュー~

留学生として大学院に進学した方の声

朴さん2

日韓の文化比較研究を通して、
両国の今後に貢献したい

朴 庾卿(パク ユギヨン)
韓国
国際日本学インスティテュート
博士後期課程3年

文部科学省 国費外国人留学生 (2012~2013年度)

「国際日本学インスティテュート」に惹かれて

大学時代は日本語と日本文学、政治や経済、伝統文化、社会などについても幅広く学びました。とくに、韓国語に翻訳された日本の小説を手当たり次第読むうちに、そこに描かれた文化、さらには翻訳そのものに興味を持つように。とりわけ、1920年代に日本に留学して外国文学を翻訳、韓国に紹介した「海外文学派」について学ぶ機会があり、「私もこんな仕事をしてみたい」という憧れが芽生え、日本への留学を決意しました。

大学選びは迷いましたが、「海外文学派」の中心人物である異河潤(イ・ハユン)や金晋燮(キム・ジンソプ)の留学先が法政大学だと知り、関心を持ちました。さらに調べてみると、一つの専攻にこだわらず日本についての国際的・学際的研究ができる「国際日本学インスティテュート」があり、自分のやりたいことができると確信しました。

猫に対する認識は、なぜ日韓で違うのか

留学後、数年間は研究に専念したかったため、文部科学省が実施している国費留学生制度に応募しました。先生方に推薦していただき、申請に必要な書類は法政大学の職員の方のアドバイスを受けて用意。かつて国費留学生だった先輩にも助言をいただき、無事採択されました。生活費や学費が支給されるので安定して研究ができる他、年2回の国費留学生の集いがあり、他国から来た留学生と交流できるのも刺激になっています。

現在手掛けている研究は、動物表象の文化論的考察です。日本に来てすぐの頃、韓国で縁起が悪いとされている猫やカラスが縁起物だったり、街で多く見かけたりすることに驚くなど、日常生活のなかから違いを感じた両国における動物表象(主に猫)について研究を始め、現在は日韓両国のCMや映画などさまざまなシーンに登場する動物に着目し、社会背景や時代変化なども絡めて人々の価値観や文化の異同について比較研究を行っています。研究を進めば進めるほど知らないことが増え、日本についてだけでなく、韓国についても新しい発見の連続です。

朴さん3

緑豊かなキャンパスの中で送る研究生活

来日当初は、初めての外国、初めての一人暮らしで不安も多くありました。しかし実際に生活しながらさまざまな国からの留学生・研究者と交流するなかで、その不安は希望に変わりました。とくに、国際日本学インスティテュートに在籍している留学生との幅広い交流や国内外のシンポジウムや研究会で発表する機会を積極的に生かして自らの視野を広げながら研究を深めている最中です。

環境面でも、私が学んでいる市ケ谷キャンパスは、東京の真ん中にありながら緑が多く、四季の変化を感じられます。ボアソナード・タワーのような近代的なビルや伝統的な建物の両方があるのも素敵ですね。カフェテリアやPCコーナーなどもあり、学生生活を送る上での環境も大変充実していると思います。また、多くの留学生は自然な日本語の文章を書くのに苦労する場合も多いですが、日本語での論文執筆をサポートしてもらえる制度などもあり、とても助かっています。

日韓の文化比較研究を生かして、将来的には日本と韓国がお互いの文化の差を理解し、時には日本の立場に、時には韓国の立場に立ち、お互いを冷静に見つめることができるよう若者を導く仕事をしたいですね。互いの国に紹介されていない優れた研究書などを翻訳するなど、双方向で情報や知識を発信していきたいと思います。