特集 ~学生・修了生インタビュー~

法政大学を卒業後、大学院に進学した方の声

菊池さん2

実際に地域活性の現場に
立った今、めざすのは“本当の”
地域づくり

菊池 恵美
人間社会研究科 福祉社会専攻 修士課程【2011年度修了】

勤務先:遠野市役所

現場に足を運び、地域活性化に携わる人々の哲学に触れた

学部、大学院と一貫して地域活性化に関する研究を続け、現在は地元である岩手県遠野市の市役所に勤務しています。柳田國男『遠野物語』の舞台でもある遠野は地域づくりが盛んな所なので、もともと何らかの形で貢献したいという思いはありました。それが明確な目標に変わったきっかけは、ゼミでのフィールドワークです。地元・岩手から四国、九州に至るまで、地域活性や福祉に携わる企業などを訪問・見学し、現場の方々にインタビューを実施。それぞれの土地の魅力を伝えようと奮闘する方々の哲学に触れたことは、単に論文作成に役立っただけでなく、地域づくりに必要な感覚を学ぶことができました。そうした研究を進めるうちに、この仕事は自分に合っていると思うように。しかし、実際に活躍するためにはもっといろんな現場を知るべきだと思い、また現場に近い研究をしていたからこそ論理的思考力や学術知識が必要だとも考え、大学院に進学しました。

女性ならではの視点を生かした事例を研究

学部での学びをさらに深め、大学院では農村における女性の起業にスポットを当てました。農村では女性の立場が低かった時代もありましたが、近年は女性ならではの視点や感性を活かした地域活性化事例が多く見られます。さまざまな実例を収集し、そのプロセスについて研究を進めていきました。その傍らで、勉強も兼ねて幾つかのNPOでアルバイトも経験し、移住希望者と地域をつなぐ団体や、CSR活動の一環で地域貢献を進める企業と地域を結ぶ団体などに勤務。仕事自体は単純な事務作業でしたが、ここでもさまざまな事例を知ることができました。同時に社会人経験も積むことができたため、電話の取次ぎなどは就職してから役立ちましたね。

人間社会科学研究科では先生方との距離がとても近く、さまざまな先生と話したり議論したりする中で、分野横断的に多くのことを学ぶことができました。また、研究室が個室ではなく共同利用ということもあって、同じ研究室の仲間との絆も深まりました。それぞれ専門は違いますが、現代福祉学部の「ウェルビーイング(健康で幸福な暮らし)を社会福祉・地域づくりの観点から実現する」という理念に共感した点は同じなので、「人を幸せにしたい」という思いでつながっていたような気がします。多摩キャンパスには研究に集中できる環境が十分にそろっていますが、中でも助けられたのは図書館の蔵書数の多さです。必要な書物を所蔵していない場合は他大学からも取り寄せることができ、大変助かりました。

菊池さん3

ふるさと、遠野をさらにより良いまちに

現在は観光系の部署に所属しており、観光施設の維持管理が主な仕事です。さらに総務省の補助事業にも関わっており、お世話になった岡﨑先生をはじめとする法政大学現代福祉学部と連携したプロジェクトも進めているところです。遠野は魅力的なまちですが、過疎化、人口減少に歯止めがかからない状況が続いています。それを食い止めるべく、表面的なPRだけでなく、真に地域づくりのためになる、復興のためになる事業にしたいですね。

実際に社会に出てみると、大学院で学んだのは言ってみれば狭い領域に過ぎませんが、その分野を極めることで得た方法論はいくらでも応用できるような気がします。やりたいことをやるために周りを巻き込む手法や問題解決の方法など、ケースは違っても武器になるものはあると感じますね。将来的には、大学院での学びを活かして起業したい人を支援する事業にも関わりたいですし、そうして雇用の場を生み、若者が夢を持って暮らせるまちにしたいと思います。